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赤いタオル
新川和江
旅をして帰ってくると
山が紅葉してしてきれいだったでしょうと
その地方の知人が言う
・・・・ぬるで
いぬたで
どうだんつつじ
ななかまど
郷土自慢をするように
紅くなる葉を数えあげる
・・・・窓のてすりの赤いタオル
とわたしは心で言い添える
線路沿いの
お粗末だが新築のアパートの
二階の窓に干してあった
赤いタオル
なんという町か知らない
東北の小さな町の
その町からもこぼれて建った
ちいさなアパートのちいさなひと間の
ちいさな暮し
その赤がなぜか一番
目にしみてわたしは座席で泣いたのだけど
言えなくて
・・・・ぬるで
いぬたで
どうだんつつじ
ななかまど
そうきれいでした!と言う
我が家の裏手に、ワンルームマンションがあります。
とても、近い距離に建っていますので
洗濯物とか干してあると、自然に目に入ります。
我が家の居間と同じ高さにある、そのマンションの一室は、
4月から 多分、大学生の男の子が住んでいます。
顔も見たことないし、どんな子か検討もつきませんが、
きっと、まじめで、几帳面な子です。
だって、大学の講義のない晴れた日曜日は、ちゃんとお布団を干します。
洗濯物もきちんと並んでいます。
やだ、じろじろ・・は、見てませんよぉ・・。
一人暮らし。
この子の故郷のおかあさんは、心配しておられることでしょう。
新川和江さんの「赤いタオル」は、涙を誘います。
ふかふかになったお布団、風に揺れる洗濯物を見るたびに、
こう、つぶやきます。
故郷の、おかあさん
あなたのお子さんは、大丈夫ですよ。
しっかり、暮らしています。安心してください。
「娘と日田デート」レポ
まとめ中です。
・・・ 今日はこの辺で