桐野夏生 著
『OUT』 『柔らかな頬』など、単なるミステリーにとどまらない作品を生み出してきた桐野夏生が、現実に起きた事件をモチーフに新たな犯罪小説を書き上げた。自身をして「その2作を超えて、別のステージに行ったかな」と言わしめた作品だ。
主人公の「わたし」には、自分と似ても似つかない絶世の美女の妹ユリコがいた。「わたし」は幼いころからそんな妹を激しく憎み、彼女から離れるために名門校のQ女子高に入学する。そこは一部のエリートが支配する階級社会だった。ふとしたことで、「わたし」は佐藤和恵と知り合う。彼女はエリートたちに認められようと滑稽なまでに孤軍奮闘していた。やがて、同じ学校にユリコが転校してくる。
女の世界をまさにグロテスクに描き出した本作。
ホント、グロかったっす。。。。
女性作家だから描けるストーリーだと思うのですが、男の私にも共感出来てしまう内容が更に女性の持つ内面的な闇を色濃く映し出して居るんでしょうね。
そして登場人物がそれぞれキャラが濃すぎて収集がつくのか心配になるほどの内容でしたが、そのそれぞれの登場人物を主役に据えて物語を区切る術は流石お見事な筆力でした。
最後にたどり着いたのが結局・・・・・・・まぁそこは読んでからのお楽しみですよね
ちょっと長い本ですが、読んでみる価値はあると思いますよ。
怖いもの見たさで是非
ついでに、桐野夏生さん、紫綬褒章受章おめでとうございます。