和田竜 著
和睦が崩れ、信長に攻め立てられる大坂本願寺。海路からの支援を乞われた毛利は村上海賊に頼ろうとした。その娘、景は海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女だった…。
戦国時代、瀬戸内の海賊がどのような物だったのかを知るには中々面白い物語でした。
上巻、海賊働きをおおよそ理解し、更には関西の人柄を知るに足る描写は流石ですが、それ以上にその後の陸戦が手に汗握る描写は圧巻。
主人公、「景」の人物像も面白いし、後の敵「眞鍋七五三兵衛」のキャラ作りも堪らない。
更に下巻、今度は海賊戦の真骨頂!
結構分厚い二冊の本でしたがこれは一気読みでした。
そして武将達が一々カッコイイ!
死を顧みない、それどころか死ぬことがカッコイイと思っている漢達に一喜一憂されてしまうんですわ。
瀬戸内の海賊と泉州侍達の心意気、そしてやっぱり景と七五三兵衛!
この二人の魂のやり取りは必見です!