突然のサプライズ!
由子(17期生・関西外語大学4年)がやって来る。
カナダでの留学から戻り、後期試験で卒業単位を取り終わったとか。
あとは3月20日の卒業式のみで、院進学の勉強と塾のバイトに明け暮れる日々だとか。
ところが実家は白山、田舎特有・・・法事の前には誰も勝てず、大阪から3日間だけの強制送還である。
卒業後は4月中旬に再びカナダに飛ぶ。
トロント大学院に進学のため本格的な勉強が始まる。
うまくいけば半年で入学が許可されるようで、大学受験以上の必死さで勉強しているとか。
予定では大学卒業後半年は白山の実家で暮らす予定だった。
その間、ウチの塾でリスニングの授業をすることになっていた。
しかし、カナダ行が早まったことで授業の件は立ち消えになりそうな雲行き。
それはそれで仕方がないが・・・残念やねえ。
留学では先達にあたる森下(8期生・環境学研究者)がやって来て、留学ネタで盛り上っている。
カナダとアメリカ、太平洋のこっち側から見れば同じようだが、実際にすんで見ると全くといっていいほど違うとか。
「アメリカはどこかギスギスしているが、カナダに行くと何かホッとするな」との森下のコメントに盛んにうなづいている由子。
由子の彼氏はカナダ人、カナダにある日系企業で働いている。
それもあってか、就職もできればカナダでしたいとか。
「交通機関は断然日本のほうが時間に正確ですね。カナダは10分くらいの遅れはしょっちゅう、友だちとの待ち合わせもまた待ち合わせ時間の前に行くなんて考えられないし・・・でも慣れてしまえば、カナだって本当にス素敵な国ですよ」
三重高の合格発表。
粛々と一日を刻むのみ・・・余計なことは考えるな。
午後6時前、森下が由子を送っていく。