以前鞍馬に行くつもりが貴船に出てしまい、貴船から鞍馬西口とやらから鞍馬へ登ったことがある。驚くような急斜面ですっかり息が上がってしまった。登った先は奥の院だった。
鞍馬と云えば義経だが、後白河は平家の都落ちの話を聞き、鞍馬へと逃げだす。平家と共に西国落ちなどとんでもないことだ。後白河は鞍馬から比叡に向かい、比叡から都へ戻る。どうやって来たのやら。平家の監視を逃れ、脱出したはずだ。いくら宗盛がぼんやり油断をしていたとはいえ、まさかぞろぞろお供を連れて、輿に乗ってきたはずはない。鞍馬から比叡にはそれなりの用意ができたかもしれないが、鞍馬行はどうしたのか。10キロ以上は絶対あるし、半分は山道、後白河は当時50代半ば。まあそれくらいの体力・気力がなければ、平清盛・源頼朝などと渡り合えないか。
鞍馬寺の門前はこれは大した観光地だ。
門内に入り、清少納言も歩いたという九十九折(つづらおり)の参道を歩いてもいいけれど、登りはケーブルカーにする。折角文明の利器があるのだ、使わしてもらおう。というわけで、容易く多宝塔まで着く。
本殿金堂に来たが、どうもあまりありがたくない。新しすぎて雰囲気がない。奥の院では確かに天狗も住もうかという鞍馬らしさを感じたのに、ここはただの流行っている寺だ。
↑この案内板の通り、比叡や龍ヶ岳らしい山は見える。
竜が岳は愛宕山の奥にある山らしい。しかし、眺望も今一つに思える。
まるで猫の雰囲気の虎の狛犬?
天狗の絵馬
奥の院への参道。
奥の院への参道を行くと、義経縁のなんちゃらがオンパレード。この山は義経記が世に出たころから牛若丸で売っているに違いない。
息つぎの水
背くらべ石
木の根道
しかし、さすがに深山らしくなってくる。地質的に、植生的にも面白いところかもしれない。
鞍馬石
僧正が谷の手前で引き返す。
下山は九十九折道を降りることにする。
九十九折道
中門
ケーブルで一気に登った傾斜はきつかったが、こっちの道は距離こそ長いがそれ程急坂の所はないようだ。
義経供養塔
由貴神社
鞍馬の火祭はここだったのか。
階段を降りて振り返ると、鳥居の間から大銀杏。こういう仕掛けだったのか、鞍馬寺の本殿などよりこの神社の方がよほどいい。これは最初から歩いて上ればよかったかと思うほど。