EUのフォンデアライエン欧州委員長は米国の追加関税に報告措置をとるとかねて警告してきた=ロイター
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は12日、米国の鉄鋼・アルミニウム製品に対する追加関税への対抗措置をとると表明した。
合計で最大260億ユーロ(約4兆1000億円)相当の米国からの輸入品に報復関税を発動する見通しだ。
第1次トランプ米政権時に起きた米欧の貿易摩擦が再燃する可能性がある。
バーボンウイスキーなどの酒類や、ハーレーダビッドソンといったオートバイを対抗措置の対象とする。4月1日から2段階で実施するとし、米国との交渉の余地も残した。
フォンデアライエン欧州委員長は声明で「地政学的な不確実性に満ちた世界で関税による負担を強いることは、私たちの共通の利益にはならない」と米国を批判した。
「有意義な対話をする用意がある」とも述べ、交渉による解決に期待を示した。
EUは加盟27カ国で共通の関税制度をとる。域内の関税は無税だが、域外に対しては等しく関税率を設ける。
世界貿易機関(WTO)ルールは自国産業を保護する目的で高関税を導入した加盟国に対し、他の加盟国が影響を相殺するため追加関税を課すのを認めている。
トランプ氏は第1次政権時の2018年、EUの鉄鋼やアルミニウムに追加関税を課した。EUも米国産の酒類やオートバイに報復関税をかけて対立が激化した。
(辻隆史)
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