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マスク氏、ウクライナに圧力 スターリンク遮断に言及 (日経2025.3.10)

2025-03-10 07:52:06 | NATO・EU・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


マスク氏はウクライナのゼレンスキー政権への圧力を強めている=AP

 

【パリ=田中孝幸】

トランプ米大統領の側近である米連続起業家のイーロン・マスク氏が、ロシアの侵略を受けるウクライナに早期和平に応じるよう圧力を強めている。

9日には自身が率いる米スペースXが運営する衛星通信網「スターリンク」のウクライナの利用遮断の可能性に言及した。

 

ウクライナの後ろ盾である欧州諸国ではマスク氏への反感が広がり、スターリンクの信頼性も揺らいでいる

同盟国、米国に情報面で依存する危うさが浮き彫りになったことで、自前の衛星通信網を整備する動きが加速しそうだ。

 

「私のスターリンクシステムはウクライナ軍の背骨だ。もし私が止めたら、ウクライナの戦線全体が崩壊するだろう」。マスク氏は9日、自身がオーナーであるX(旧ツイッター)への投稿で強調した。

「私がうんざりしているのは、ウクライナが必然的に負ける膠着状態の中で何年にもわたって虐殺が続いていることだ」とも述べた。同国ではトランプ氏が求める和平条件の受け入れを拒んだ場合、スターリンクを遮断する可能性を示したと受け取られた。

 

 

マスク氏は2022年の侵略開始直後から、ウクライナ側の要請を受けて同国にスターリンク端末の供与を始めた。

ロシアの攻撃で通信網が損傷する中で、スターリンクはウクライナの軍事作戦を支える重要なインフラとなってきた。

 

ただロシアとの直接交渉による和平実現を急ぐトランプ政権は最近、ウクライナへの圧力の一環としてスターリンクをカードに使う姿勢をみせている。

ロイター通信によるとトランプ政権でウクライナ問題を担当するケロッグ米特使が2月20日、同国のゼレンスキー大統領と会談した際、軍事支援の見返りとして米国に鉱物資源を供与する協定に合意しなければスターリンクを直ちに遮断すると伝達した

 

ウクライナ軍関係者によると、同国軍の主力であり前線に大量投入しているドローン(無人機)の大半はスターリンクを使っていない。

同国の大手ドローンメーカーの幹部も「スターリンクを利用しているのは長距離攻撃用のドローンに限られる」と語る。

 

スターリンクが使えなくなれば、ロシア国内の後方支援拠点や石油インフラへの攻撃、部隊間の通信に支障が出るのは確実で、ウクライナ軍にとって大きな打撃になる。

ただ、マスク氏が主張するようにウクライナの防衛線の崩壊に直結するとの見方は同国軍内にはほとんどない

 

そもそも米政府はすでに今月上旬、ウクライナがロシア軍の標的を攻撃するのに不可欠な衛星情報などの機密情報の提供も止めている。

欧州ではスターリンクの信頼度が大きく低下している。ウクライナのスターリンクの利用料金を負担しているポーランドのシコルスキ外相は9日、Xに「侵略の被害者を脅迫するという倫理面の問題は別にしても、スペースXが信頼できない供給者であると判明すれば、我々は他のサプライヤーを探さざるを得なくなる」と投稿した。

 

フランスの通信衛星運営会社ユーテルサット・コミュニケーションズの株価は、同社がウクライナでスターリンクに取って代わる可能性があると見方が広がったことで、3月7日までの一週間で約5倍に急騰した

トランプ政権は欧州の反応にいらだちを募らせる。ルビオ国務長官は9日、Xへの投稿でウクライナにスターリンクを遮断すると脅していないと主張した。

 

同時にシコルスキ氏に「ありがとうと言いなさい。スターリンクがなければウクライナはもっと前に負けていたし、ロシア軍は今頃ポーランドとの国境にいただろう」と述べた。

マスク氏もXでこの投稿を引用し「ルビオ国務長官が言うことは全く正しい」と指摘した。

 

 

 
 
 
 
ウクライナ侵略

2022年2月、ロシアがウクライナに侵略しました。戦況や世界各国の動きなど、関連する最新ニュースと解説をまとめました。

 

 

 

日経記事20253.10より引用

 

 

 



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