【NQNニューヨーク=稲場三奈】
6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反落し、前日比3円05銭の円安・ドル高の1ドル=154円60〜70銭で取引を終えた。
5日に投開票された米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領の当選が確実となった。財政拡大やインフレ圧力を高める政策が進むとの見方から、米長期金利が大幅に上昇。日米金利差の拡大による円売り・ドル買いが膨らんだ。
トランプ氏は激戦州7つのうち半数以上で勝利を確実にし、当選に必要な選挙人の獲得数が過半数に達した。連邦議会選挙では共和党が上院での多数派となった。
共和党が掲げる減税や関税引き上げ、歳出の見直しなどの政策が実現しやすくなるとの観測が広がった。ドルは主要通貨に対して買われ、一時は154円70銭と、7月下旬以来およそ3カ月ぶりの円安・ドル高水準となった。
インフレ圧力の懸念が意識され、米債券市場では長期金利が上昇。一時は4.47%と7月上旬以来およそ4カ月ぶりの高水準を付けた。日米金利差の拡大による円売り・ドル買いにつながった。
市場では、「瞬間的な反応にすぎず詳しい内容がまだ相場に織り込まれていないものの、ドル相場にとって強気となる政策になるとの見方が広がった」(フォレックス・ライブのアダム・バトン氏)との声が聞かれた。
円の高値は153円99銭だった。
円は対ユーロで続落し、前日比20銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=165円80〜90銭で取引を終えた。対ドルでの円売りが対ユーロにも波及した。
ユーロは対ドルで3営業日ぶりに反落し、前日比0.0200ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.0725〜35ドルで取引を終えた。米大統領選を受けた米金利の先高観を背景に、ユーロ売り・ドル買いが出た。一時は1.0683ドルと、6月下旬以来およそ4カ月ぶりのユーロ安・ドル高水準となった。
ユーロの高値は1.0758ドルだった。