小野薬品工業は米バイオ企業を3700億円で買収する
小野薬品工業は30日、ナスダック上場の米バイオ薬品企業、デシフェラ・ファーマシューティカルズを買収すると発表した。買収金額は24億ドル(約3700億円)。
デシフェラはがんを対象とした医薬品の研究開発、販売に強みを持つ。小野薬は有望な新薬候補を確保するとともに、米国における自社製品の販売体制を構築する。
デシフェラは、がん細胞が増殖する際に必要な酵素を阻害する抗がん剤など複数の新薬候補を持つ。23年12月期の連結売上高は1億6335万ドル。
小野薬品はTOB(株式公開買い付け)を実施し、デシフェラの発行済み株式のすべてを取得する方針。デシフェラ側の取締役会も今回の買収に賛同しているという。
24年9月までに買収を完了する。買収額は一株あたり25.6ドルと、デシフェラ株の26日の終値に74.7%のプレミアムを付けた。
小野薬品は米国市場への本格参入に向け、東海岸の拠点に約170人規模の人員を配置する計画。26年以降にも自社製品の本格販売に乗り出す。デシフェラの欧米での販路も活用する考えだ。
日経記事2024.04.30より引用
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ひとこと解説
小野薬品はブロックバスター化した抗がん剤のオプジーボの価値最大化に向けて、米国での自販体制の確立を急いでいます。
最近もオプジーボは日本での薬価が15%という顕著な引き下げにあっており、昨今の円安も相まって、北米での基盤確立が待ったなしとなっていました。
その中でのこの買収は重要な一手となるでしょう。