「PET(ペット)」が今ほど利用される以前、PETの製造関係に関与できた事は今では懐かしい。
所謂(いわゆる)ポリエチレン・テレフタレートが飲み物の容器(ペットボトル)、やX線撮影用フィルム、Yシャツや衣類の素材(ポリエステル)これらは皆PET樹脂だ。分子量の違いで高品位なものまであるが、用途も様々である。日本に限らずトップ・メーカーでは殆どの製造設備・機械を自作し、他社との差別化を図る。特にメーンの機械はそうだ。アメリカで聞いた話であるがデュポン社などでもメーンのコンプレッサーは自分の所で設計し製造してた。アメリカのように広大な国では夜間のトラブルでいちいちメーカーを呼んで直してる暇はない。日本でもそうだが日本の場合は地政学的の面より差別化によってであろう。「無窓(むそう)工場」って聞いた事や見た事があると思うが、これも他社に工場内の設備の状態を建物の概観から分からせたくない結果である。レイアウト(LAYOUT)一つとって見ても伺える情報は多いのだ。PETから遠ざかってしまったが、昔日本の有数の電線会社が挙ってアメリカのウェスチング・ハウスのネブラスカ州のオマハにある工場をそっくり真似て建設した時代があったが、日本はそうやって今日の地位を築いたが・・それも今では中国や他の東南アジアなどにコストの面から追いつかれてるのが現状である。またPETに戻るが、同じ炭酸系のコーラにPETが使用されるのにビールにはPET・ボトルが使われない。商品のイメージだとか製品との相性だとか、微妙な感触とか制約は多い。機会があれば他の高機能プラスチック・・ポリカーボネートやポリアセタール、ポリイミド・・などにもふれてみたい。