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相対性理論

2021年04月23日 | Weblog
アインシュタインの一般相対性理論は単独ではこう予測している。時空はビッグバン特異点で始まり、もし全宇宙が再崩壊するならばビッグクランチ特異点の、もし星の様な局所的な領域が崩壊する時にはブラックホールの中の特異点の、どちらかで終わる。穴に落ち込んだ物質は全て特異点で破壊され、その質量の重力効果だけが引き續き外部に残る。しかし、量子効果を考慮にいれれば、物質の質量あるいはエネルギーは究極的には宇宙に戻され、ブラックホールそのものは、その中の特異点もろとも蒸発し去り、最後には消滅してしまう。では、量子力学はこれと同じ位劇的な効果を、ビッグバン特異点やビッグクランチ特異点にも及ぼすのだろうか。重力場が強すぎて量子効果が無視出来ない様な、宇宙の極く初期あるいは、末期には、何が実際起こるのだろうか。宇宙には本当に、始まりや終わりがあるのか。もし、あるとすれば、それはどんなものなのか。1970年代には、ホーキングはずっとブラックホールを主に研究していたが、1981年にヴァチカンでイエズス会が主催した宇宙会議に出席して、宇宙の起源と運命に関する問題に対し、興味を再びかきたたされたのだった。カトリック教会は、かって科学の問題に教義を振り回し、太陽が地球を回っていると宣言して、ガリレオにひどい仕打ちを加えたことがあった。それから何世紀か経った今、教会は何人かの専門家を招き、宇宙論について助言して貰おうと決めたのである。会議の終わりに参加者は法王との面会が許された。法王は、ビッグバンそれ自体は探求してはならない、何故ならそれは創造の瞬間であり、従って神の御業なのだから、と語った。彼は、会議で語った主題を法王がご存知なかった事を知ってほっとした・・・・その主題とは時空は有限であるが境界を持たないという可能性であったが、これは時空には始まりがなく、創造の瞬間がなかったことを意味する。ホーキングはガリレオの命日に生まれたという奇縁もあって、ガリレオには強い親近感を抱いているのだが、彼と同じ運命をたどりたいとは思っていなかったのである。
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