「冷たくさえざえとした月光が夜空から降り注ぎ、荒磯に押し寄せては砕け散る波を白く照らし出している。巨大な石群にはさまれあコスタブラバのこの砂浜が処刑の場。
見えた、彼女が。砕け散る波の音を縫って彼女の声が聞こえる。・・・・その金髪は月の光にキラキラと輝き、その疾駆する肢体は、100メートル後方からの強烈な光線の中にくっきりと浮き上がって見える。倒れた。
両者の間隔が縮まり・・銃弾が砂をはじき、周囲の雑草を跳ね飛ばす。彼女は息絶えた。(R.R)
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日曜日に古い写真を整理し35ミリフィルムからPCを通してCDに移し替えるものだけを選んでる中にCosta Brava (スペイン、バルセロナからフランス側に80キロ)で撮ったのも混じっていたので懐かしく思った。
そもそもヨーロッパで仕事をしてた頃、冒頭のR・ラドラムの作品を読んだときに「コスタブラバ」が文中に出てきたのと丁度スペイン旅行を計画してたので、ついでにそこを訪れたっていう訳。
今でもそうだが僕自身「好奇心旺盛」な男で、実行も早い。自分で確かめないと気が済まない性質(タチ)らしい。僕は「ウソつき」と「興味があるのになさそうな振りをする」と言った正直でない人間を最低な部類にランクしている。
そんな訳でアルバムにも例えばスウェーデンで有名なチーズ工場で工場長と一緒に撮った写真のそばにラベルが添えてあったり、ボンで食事したレストランのメニュー(シェフのサイン入り)さえ混じってる次第。
Costa Brava 自身たいした海岸ではなかったが海の色だけはきれいだった。先日には北朝鮮で韓国女性が観光地の海岸付近で銃撃されたニュースがあったが、冒頭の小説の殺人者はドイツのテロリスト集団、バーダー・マインホフだったように記憶している。