僕が名器などと言うと、直ぐに女性の--と思われちゃいそうだが、これは違う!1700年代のイタリアが生んだヴァイオリンの名工の傑作だ!ハイビジョン放送でアルメニア出身で現在ドイツ在住のセルゲイ・ハチャトゥリアンの4月20日王子ホールでの演奏を聴いたが、その時彼が手にしてたヴァイオリンが日本より貸与されているのを知ってビックリしたものである。話によるとハチャトゥリアンがベルギーのエリザベート王妃国際音楽コンクールのヴァイオリン部門での優勝を祝っての褒章として、4年間彼に貸与されたヴァイオリンが名器「ストラディヴァリウス」の1708年作の”ハギンス”だったという訳である。1714年作の”ドルフィン”はヤッシャ・ハイフェッツが私用していたし、ストラディヴァリウスと並ぶグァルネリウス・デル・ジェス”イザイ”はアイザック・スターンが過って私用し今では後継者と呼ばれるピンカス・ズーカーマンが使っている。これだけ物量の多い、技術的に発達した現在でも、ストラディヴァリウスのような名器がなかなか生まれていない。これは材料や技術だけでなく道具にもよるのかも知れない?丁度和食での刺身包丁のように両刃ではなく片刃のために味を損なわないという様に・・・。兎に角--そんな風に 楽しむのもいいかなと思った。
追記)パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで17才の最年少優勝者として2001年にはルーブル美術館でのリサイタルでデビューした庄司紗矢香にも1715年製のストラディヴァリウス”Joachim”が貸与されている。