夏場、私の晩酌は泡盛になる。何故?と訊かれれば「暑いから」。暑いから?なんで?「だって沖縄のお酒だから」。
そんで、泡盛が呑みたくなる。まぁ、そう云うことだ。よく解からんが・・・。
さて、そういうわけでこのところ泡盛漬けなのだが、コイツを呑んでいるとどうしても思い出しちゃう出来事があるので、ちょいとココに書いておこうと思う。
かれこれ、七、八年前のことだったかなぁ・・・。
当時私は、しがないフリーターであった。近所のコンビニで明日をも知れぬバイト生活に埋没していた。ちょうど深夜帯の時間が身体的にきつくなってきて昼間のほうにまわってしばらくした時だった。
新しいバイトのコが入ってきた。
彼女は私の一つ下で色白で線が細く、喋ると少々バカなところが自分とよく合った。
「こんなに気が合うコは初めてだ」
私は当然、彼女に惹かれた。しかし、彼女にはもうずい分前から付き合っている男がいるらしかった。私は周囲のそんな話に
「カンケーねぇよ。そんじゃそろそろソイツに飽きるころなんじゃねーの?」
などと強がり、彼女へのアプローチを続けた。
そんなある日、ついに念願叶って二人で呑みにいく約束を取りつけたのだった。私は天にも昇る勢いで、この喜びをみんなに見せつけたくて夜のコンビニに出向いた。実は私の働いていたコンビニでは、夜中になると事務所で酒盛りが行なえる非常に貴重な場所なのであった。
店に行くと深夜時代の相棒T、そしてTの友人「ぱんちょ」がいた。
私は上機嫌で酒とつまみを買い込み、二人を事務所に引っ張りこみ、前祝を始めた。そう、そのときカンパイした酒が泡盛であった。これがまた旨い泡盛でみんなロックでガバガバ呑んだ。
かなり酩酊してきた私は満足気に「よひ、んじゃ、デートにそなえてオリは、イク」(この日は金曜日。デートは月曜日なのだが、何を備えようというのだろうか?)
と、満面の笑顔で車に乗り込んだ。って、えっ!く、車って・・・ダメじゃん、アンタかなり酔っ払ってるよ!
そう、こともあろうに私はへべれけでハンドルを握りアクセルを踏み込んだのである。
結果、家の近くの電柱に見事激突!車は大破。私はエアバックをかき分け、外に脱出。
「プーーーーーーーーー」夜中の住宅街にクラクションが鳴り響く。
私は道路の真ん中、仰向けで倒れこんでいる。
すると、周りの家々から人が出てきて
「大丈夫か!」などと声を掛けてくる。大丈夫なわけがない・・・。
程なく救急車が来て、病院へ運ばれた。
私は一命をとりとめた。というか、軽い打撲のみで外傷もなにも無く、その日の朝早くに帰された。運が良いのか悪いのか?それでもやはり、打撲で身体のアチコチが非常に痛い。そんな中でも私の杞憂は月曜のデートのことであった。
土、日曜の二日間、私はたっぷり休んだ。とにかく安静にしていた。
それが効を奏したのか、月曜の朝には多少痛むものの仕事にも行ける具合になった。
そして仕事を終え、私は軋む身体を伸ばし彼女を食事へとエスコートした。場所は懇意にしている寿司屋だった。
私たちは呑んで、喰って、笑って、非常に楽しい時間を過ごした。このときは身体の痛みも飛んでいた。
それは、一生忘れられない、良い思い出となった・・・。
さて、彼女とはそれ以降、なにもなかった。今では彼女も一児の母だ。旦那は当時の彼氏、けっきょく、そういうことなのである。
オチもヘッタクレもなく、そういうことなのである。
それでも、とりあえずまとめるとするなら、今でも泡盛の入ったグラスを傾け、口に運び、そのなんとも云えぬ苦さと甘さを味わうとき、彼女に恋していた当時の自分の、苦さと甘さを思い出せるのだ。
そんで、泡盛が呑みたくなる。まぁ、そう云うことだ。よく解からんが・・・。
さて、そういうわけでこのところ泡盛漬けなのだが、コイツを呑んでいるとどうしても思い出しちゃう出来事があるので、ちょいとココに書いておこうと思う。
かれこれ、七、八年前のことだったかなぁ・・・。
当時私は、しがないフリーターであった。近所のコンビニで明日をも知れぬバイト生活に埋没していた。ちょうど深夜帯の時間が身体的にきつくなってきて昼間のほうにまわってしばらくした時だった。
新しいバイトのコが入ってきた。
彼女は私の一つ下で色白で線が細く、喋ると少々バカなところが自分とよく合った。
「こんなに気が合うコは初めてだ」
私は当然、彼女に惹かれた。しかし、彼女にはもうずい分前から付き合っている男がいるらしかった。私は周囲のそんな話に
「カンケーねぇよ。そんじゃそろそろソイツに飽きるころなんじゃねーの?」
などと強がり、彼女へのアプローチを続けた。
そんなある日、ついに念願叶って二人で呑みにいく約束を取りつけたのだった。私は天にも昇る勢いで、この喜びをみんなに見せつけたくて夜のコンビニに出向いた。実は私の働いていたコンビニでは、夜中になると事務所で酒盛りが行なえる非常に貴重な場所なのであった。
店に行くと深夜時代の相棒T、そしてTの友人「ぱんちょ」がいた。
私は上機嫌で酒とつまみを買い込み、二人を事務所に引っ張りこみ、前祝を始めた。そう、そのときカンパイした酒が泡盛であった。これがまた旨い泡盛でみんなロックでガバガバ呑んだ。
かなり酩酊してきた私は満足気に「よひ、んじゃ、デートにそなえてオリは、イク」(この日は金曜日。デートは月曜日なのだが、何を備えようというのだろうか?)
と、満面の笑顔で車に乗り込んだ。って、えっ!く、車って・・・ダメじゃん、アンタかなり酔っ払ってるよ!
そう、こともあろうに私はへべれけでハンドルを握りアクセルを踏み込んだのである。
結果、家の近くの電柱に見事激突!車は大破。私はエアバックをかき分け、外に脱出。
「プーーーーーーーーー」夜中の住宅街にクラクションが鳴り響く。
私は道路の真ん中、仰向けで倒れこんでいる。
すると、周りの家々から人が出てきて
「大丈夫か!」などと声を掛けてくる。大丈夫なわけがない・・・。
程なく救急車が来て、病院へ運ばれた。
私は一命をとりとめた。というか、軽い打撲のみで外傷もなにも無く、その日の朝早くに帰された。運が良いのか悪いのか?それでもやはり、打撲で身体のアチコチが非常に痛い。そんな中でも私の杞憂は月曜のデートのことであった。
土、日曜の二日間、私はたっぷり休んだ。とにかく安静にしていた。
それが効を奏したのか、月曜の朝には多少痛むものの仕事にも行ける具合になった。
そして仕事を終え、私は軋む身体を伸ばし彼女を食事へとエスコートした。場所は懇意にしている寿司屋だった。
私たちは呑んで、喰って、笑って、非常に楽しい時間を過ごした。このときは身体の痛みも飛んでいた。
それは、一生忘れられない、良い思い出となった・・・。
さて、彼女とはそれ以降、なにもなかった。今では彼女も一児の母だ。旦那は当時の彼氏、けっきょく、そういうことなのである。
オチもヘッタクレもなく、そういうことなのである。
それでも、とりあえずまとめるとするなら、今でも泡盛の入ったグラスを傾け、口に運び、そのなんとも云えぬ苦さと甘さを味わうとき、彼女に恋していた当時の自分の、苦さと甘さを思い出せるのだ。