デジカメ?持ってませんよ。
頑なに、フィルム派です。
そんなワケで、町の裏通りにひっそりと佇む、齢七十歳くらいのおばぁちゃ・・・や、おばさんが営む写真屋さんへフィルムの現像を頼みに行きました。
そこは以前、二三回利用したことがある店なのだが、不定期営業なので、賭け同然。今日も戸口に立つも、中を窺うと薄暗い・・・が、ぼそぼそと灯りが見えたので勇気を持って入り口扉を横へ流してみると、なんなく開いた。よっし、やってる。
「すいませーん・・・」
閑散とした店内・・・といっても非常に狭い、いや、細いといった感じの空間で心細い声を震わす。
「す、すいませーん・・・」
心持ち、店の奥へ向かって、懇願。しかし、無反応。ふと、レジ横の使い切りカメラとかフィルム、余裕でパクれるぢゃん・・・などと邪な思いに囚われる。
ふと、その横に目をやると「御用の方はこのボタンを押してください」と最近ではトンと見かけないような、インターホンとかは無しの、ピンポンダッシュの誘惑にかられそうな、小さなドアチャイムが・・・・。とりあえず、押す。
「チンポーン!」
・・・・などと、軽快な音色は鳴らず、っていうか、鳴ったのか鳴っていないのか皆目見当がつかない状況に立たされるが、もし、鳴っていて、二度三度と押すのは、なんだか大人気ない、しかし、鳴ってなかったら、ただのアホだ・・・などと思いを巡らすこと、およそ数分、奥から齢八十・・・いや、七十くらいのおばぁ・・・おばさんが出てきた。
「ハイハイぃぃ、いらっしゃぁい。寒くなったねぇ」
おおっ!いきなり気温の話かい、なんとフレンドリーな・・・ってか、もしかして、以前数回来ただけのオレのことを覚えている、とか?
「ハイぃ、お名前、頂けますかねぇ」
あ、覚えてたワケでは、ないんだ・・・。ってか、オレまだ用件言ってないんだけれども・・・。
「あの、コレ、現像お願いしたいんですけど・・・」
そっとフィルムを差し出す、オレ。
「ハイぃ、明日の朝になるけど、いいですかねぇ?」
いや、まぁ、ホントは即日現像、期待してたんだけど・・・ま、まぁ、べつに急いでないし・・・。
「あ、ハ、ハイ・・・」
ここで、彼女はこのオレの僅かな動揺を咄嗟に見抜いたのか、透かさず、
「今日は機械休めててねぇ・・・」
と、言い訳しやがる。
「あ、いいっすよ」
オレはそう言いながら、差し出された受付け伝票に名前を記載する。
「あぁ、○○さんねぇ、ハイハイぃ・・・」
いや、知らないんだろ・・・オレのことなんざぁ・・・。
とりあえず名前を確認しながら彼女は伝票を自分の手許に戻す。
「今日はぁ・・・十二日だから・・・」
「あ、いや、今日、十三日です・・・」
「あら?あはは、そうねー」
彼女は邪気のない笑顔でスルーしながら受付け日に「13」と記入し、そして、あろうことか電話番号記入欄に「引渡し14」と記載する。
「あ、あの、電話番号は・・・」
「あぁ、いいです、いいです」
いいんですか?
「それじゃあ、明日10時頃には、仕上がってますんで」
彼女はそう言ってニッコリ微笑む。
「あ、あの・・・控えとかは・・・?」
「あぁ、いいです、いいです」
いいんですか?ってか、オレがよくないんですけど・・・。
まぁ、あまりしつこいのも如何なものか、と。
「それじゃあ、お願いします」
「ハイぃ、ありがとうございます」
・・・・・って、こんな具合だったんだけど。果たして、無事、現像されるのであろうか!乞うご期待っ!
ってゆうか、店を後にして気づいたんだけど、多分、今時フィルムの現像出す奴なんてそうそういないだろうから、きっと名前だけ聞いときゃ間違えることはないんだろうなぁー・・・って、思いつつ、そもそもあの店に来る客がそうそういないんだろうなぁー・・・って、ちょっぴり淋しくなる考えなんかも浮かんじゃったりなんかして・・・。
でもね、以前は、もうちょっと、マシだったんだけどね、この店も、このおばぁ・・・おば・・・彼女も。。。
頑なに、フィルム派です。
そんなワケで、町の裏通りにひっそりと佇む、齢七十歳くらいのおばぁちゃ・・・や、おばさんが営む写真屋さんへフィルムの現像を頼みに行きました。
そこは以前、二三回利用したことがある店なのだが、不定期営業なので、賭け同然。今日も戸口に立つも、中を窺うと薄暗い・・・が、ぼそぼそと灯りが見えたので勇気を持って入り口扉を横へ流してみると、なんなく開いた。よっし、やってる。
「すいませーん・・・」
閑散とした店内・・・といっても非常に狭い、いや、細いといった感じの空間で心細い声を震わす。
「す、すいませーん・・・」
心持ち、店の奥へ向かって、懇願。しかし、無反応。ふと、レジ横の使い切りカメラとかフィルム、余裕でパクれるぢゃん・・・などと邪な思いに囚われる。
ふと、その横に目をやると「御用の方はこのボタンを押してください」と最近ではトンと見かけないような、インターホンとかは無しの、ピンポンダッシュの誘惑にかられそうな、小さなドアチャイムが・・・・。とりあえず、押す。
「チンポーン!」
・・・・などと、軽快な音色は鳴らず、っていうか、鳴ったのか鳴っていないのか皆目見当がつかない状況に立たされるが、もし、鳴っていて、二度三度と押すのは、なんだか大人気ない、しかし、鳴ってなかったら、ただのアホだ・・・などと思いを巡らすこと、およそ数分、奥から齢八十・・・いや、七十くらいのおばぁ・・・おばさんが出てきた。
「ハイハイぃぃ、いらっしゃぁい。寒くなったねぇ」
おおっ!いきなり気温の話かい、なんとフレンドリーな・・・ってか、もしかして、以前数回来ただけのオレのことを覚えている、とか?
「ハイぃ、お名前、頂けますかねぇ」
あ、覚えてたワケでは、ないんだ・・・。ってか、オレまだ用件言ってないんだけれども・・・。
「あの、コレ、現像お願いしたいんですけど・・・」
そっとフィルムを差し出す、オレ。
「ハイぃ、明日の朝になるけど、いいですかねぇ?」
いや、まぁ、ホントは即日現像、期待してたんだけど・・・ま、まぁ、べつに急いでないし・・・。
「あ、ハ、ハイ・・・」
ここで、彼女はこのオレの僅かな動揺を咄嗟に見抜いたのか、透かさず、
「今日は機械休めててねぇ・・・」
と、言い訳しやがる。
「あ、いいっすよ」
オレはそう言いながら、差し出された受付け伝票に名前を記載する。
「あぁ、○○さんねぇ、ハイハイぃ・・・」
いや、知らないんだろ・・・オレのことなんざぁ・・・。
とりあえず名前を確認しながら彼女は伝票を自分の手許に戻す。
「今日はぁ・・・十二日だから・・・」
「あ、いや、今日、十三日です・・・」
「あら?あはは、そうねー」
彼女は邪気のない笑顔でスルーしながら受付け日に「13」と記入し、そして、あろうことか電話番号記入欄に「引渡し14」と記載する。
「あ、あの、電話番号は・・・」
「あぁ、いいです、いいです」
いいんですか?
「それじゃあ、明日10時頃には、仕上がってますんで」
彼女はそう言ってニッコリ微笑む。
「あ、あの・・・控えとかは・・・?」
「あぁ、いいです、いいです」
いいんですか?ってか、オレがよくないんですけど・・・。
まぁ、あまりしつこいのも如何なものか、と。
「それじゃあ、お願いします」
「ハイぃ、ありがとうございます」
・・・・・って、こんな具合だったんだけど。果たして、無事、現像されるのであろうか!乞うご期待っ!
ってゆうか、店を後にして気づいたんだけど、多分、今時フィルムの現像出す奴なんてそうそういないだろうから、きっと名前だけ聞いときゃ間違えることはないんだろうなぁー・・・って、思いつつ、そもそもあの店に来る客がそうそういないんだろうなぁー・・・って、ちょっぴり淋しくなる考えなんかも浮かんじゃったりなんかして・・・。
でもね、以前は、もうちょっと、マシだったんだけどね、この店も、このおばぁ・・・おば・・・彼女も。。。