雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

宵山万華鏡/森見 登美彦

2009-08-20 | 小説
 最近、読んでから間をあけて書いてるもんで、ろくな感想を書けません。いや、まあ、すぐに書いたとしても、ろくなもんは書けませんが……。

 さて、そういうわけで、盆休みに二日で読みきってしまった『宵山万華鏡』。

 最近では『恋文の技術』や『美女と竹林』と益々オモシロオカシサを増していくばかりの登美彦氏の最新刊ということで、かなり期待してたんですが……どうも、はかばかしくございませんでした。
 一応、連作短編ですが、なにやら全体の雰囲気が暗いというか怖い……。中には登美彦氏お得意のドタバタ大学生話もあることはあるのですが、どうも『祭り』の華やかさの裏に潜む影の部分が幻想的に描き著されて、以前の『きつねのはなし』的な暗さに陥っていました。実は私、登美彦氏の作品の中でこの『きつねのはなし』だけは、どうにも受け入れられなかったという……だもんで、今回そのテイストを含んでいるので、やっぱり受け入れがたかった、と。もう、なんか、あまりの幻想世界についていけなくなった。

 でもよく考えてみれば、登美彦氏デビュー作『太陽の塔』は日本ファンタジーノベル大賞受賞なんだから、いうなればファンタジー(幻想)作家なんだよな。まあ、類い稀なる妄想作家なのだし、本領発揮だったのだろう。

 できればもう少し、笑いが欲しかったかなぁ。
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