さて今回は、少年文学を集めたものということで、いってみよー!
ひとりよがりの感想文。
【蜘蛛の糸】
やっぱコレだよな。芥川といえば。で、子供の頃コレを読んだ私は「そうか、クモさえ殺さなきゃ、極楽に行けるんだー」と鼻水垂らしてバカ全開、芥川も呆れ果てたことであろう。
現在、なんとなく世の理が解かってきた、と思われる私は、ようやく芥川の伝えたかったことが解かりかけてきた、と思われる。
たぶん、自分のことしか考えてないような性根の腐っている野郎は、いくらチャンスをやっても地獄に堕ちるんだよ、というようなことでしょう。要するに「他人を思いやれ」と。そういうことなんだと思います。
っていうか、きっと授業ではそう教えているんでしょうが、如何せんマトモに教師の話なんぞ聞いてやしなかったもので、バカな解釈のまま大人になってしまったんだな。
【犬と笛】
ファンタジー色溢れる作品。それにしても犬の名前が「嗅げ」「飛べ」「噛め」って……。そのまま命令だし。まあ童話だからな。
【蜜柑】
こーれは好きだなぁ。完璧、大人向けのエッセイだ。なんでこの本に収録されてんだ? 解説を読んだら作者の実体験とあった。やっぱり、自分はつくづく私小説が好きなようだ。
【魔術】
魔術師のミスラ君。きっと君は魔術を教える気など毛頭なかったんだろ? と穿った見方をしてしまう私は、けっきょく子供の頃から進歩していないただのバカなんだと思う。でもこのお話の顛末は好きだな。
【杜子春】
オチ的には前の【魔術】と同じだが、そこに表された寓意は異なっている。端的に言えば「最後に愛は勝つ」と言ったところだろうか。
それにしても、ここで描かれた地獄の責め苦は、何気に書かれているがかなりおぞましい描写。子供の頃に読んだなら、きっとトラウマになったであろう。
ラストは爽やかで好いのだが……。
【アグニの神】
これも広義においてミステリに属する類いだと思われる。そういう仕上げにしたのか? それとも、文学とはミステリアスなものなのか? ともあれ大正の時代、すでに文芸ミステリといったものが確立されていた証拠である。
【トロッコ】
これも最早、年少者向けというより、むしろ大人のためのお話だと思う。この恐ろしさ、悲しさは、誰もが少なからず経験していると思う。大人にとっては大したことではないことでも子供にとっては押し潰されるような不安と恐怖を感じる。しかし、悪いのは結局オマエだろ。とかも思ってしまう自分はやっぱりただのわからず屋さんなんだろう。
【仙人】
正直、呆気にとられる話ではあるが、なんだか好き。きっと最後に報われたところにホッとしたのだろう。私もまだまだ甘ちゃんだ。
【猿蟹合戦】
みなさんご存知、と思われるあの復讐劇『猿蟹合戦』のその後を描いた、なんとも生々しく世知辛い作品。
最後の「君たちも大抵蟹なんですよ」という訓辞が身に沁みる。
【白】
「白」というのは犬の名前なのだが、そしてまた、ここでは犬が人語を理解しているという設定なのだが、その「白」の言い回しが、なんとも好い。
「お嬢さん! あなたは犬殺しを御存知ですか? それは恐ろしいやつですよ。坊ちゃん! わたしは助かりましたが、お隣の黒君は掴まりましたぜ」
なんか、愛嬌がある。
ストーリー的には感動の結末なのだが、最後の坊ちゃんの、「へっ、姉さんだって泣いている癖に!」というセリフの音に、話的にはまったく関係のない感慨を受けてしまった。私はこういう、わざとらしさに溢れたセリフ回しに心底「グッ」とくる性質なのだ。
以上、かなりおざなりな感想文で申し訳ないが、たぶんまだ続くと思うので、なにとぞ勘弁して欲しい。オナニーみたいなもんだから、見て見ないフリしておくれ。
ひとりよがりの感想文。
【蜘蛛の糸】
やっぱコレだよな。芥川といえば。で、子供の頃コレを読んだ私は「そうか、クモさえ殺さなきゃ、極楽に行けるんだー」と鼻水垂らしてバカ全開、芥川も呆れ果てたことであろう。
現在、なんとなく世の理が解かってきた、と思われる私は、ようやく芥川の伝えたかったことが解かりかけてきた、と思われる。
たぶん、自分のことしか考えてないような性根の腐っている野郎は、いくらチャンスをやっても地獄に堕ちるんだよ、というようなことでしょう。要するに「他人を思いやれ」と。そういうことなんだと思います。
っていうか、きっと授業ではそう教えているんでしょうが、如何せんマトモに教師の話なんぞ聞いてやしなかったもので、バカな解釈のまま大人になってしまったんだな。
【犬と笛】
ファンタジー色溢れる作品。それにしても犬の名前が「嗅げ」「飛べ」「噛め」って……。そのまま命令だし。まあ童話だからな。
【蜜柑】
こーれは好きだなぁ。完璧、大人向けのエッセイだ。なんでこの本に収録されてんだ? 解説を読んだら作者の実体験とあった。やっぱり、自分はつくづく私小説が好きなようだ。
【魔術】
魔術師のミスラ君。きっと君は魔術を教える気など毛頭なかったんだろ? と穿った見方をしてしまう私は、けっきょく子供の頃から進歩していないただのバカなんだと思う。でもこのお話の顛末は好きだな。
【杜子春】
オチ的には前の【魔術】と同じだが、そこに表された寓意は異なっている。端的に言えば「最後に愛は勝つ」と言ったところだろうか。
それにしても、ここで描かれた地獄の責め苦は、何気に書かれているがかなりおぞましい描写。子供の頃に読んだなら、きっとトラウマになったであろう。
ラストは爽やかで好いのだが……。
【アグニの神】
これも広義においてミステリに属する類いだと思われる。そういう仕上げにしたのか? それとも、文学とはミステリアスなものなのか? ともあれ大正の時代、すでに文芸ミステリといったものが確立されていた証拠である。
【トロッコ】
これも最早、年少者向けというより、むしろ大人のためのお話だと思う。この恐ろしさ、悲しさは、誰もが少なからず経験していると思う。大人にとっては大したことではないことでも子供にとっては押し潰されるような不安と恐怖を感じる。しかし、悪いのは結局オマエだろ。とかも思ってしまう自分はやっぱりただのわからず屋さんなんだろう。
【仙人】
正直、呆気にとられる話ではあるが、なんだか好き。きっと最後に報われたところにホッとしたのだろう。私もまだまだ甘ちゃんだ。
【猿蟹合戦】
みなさんご存知、と思われるあの復讐劇『猿蟹合戦』のその後を描いた、なんとも生々しく世知辛い作品。
最後の「君たちも大抵蟹なんですよ」という訓辞が身に沁みる。
【白】
「白」というのは犬の名前なのだが、そしてまた、ここでは犬が人語を理解しているという設定なのだが、その「白」の言い回しが、なんとも好い。
「お嬢さん! あなたは犬殺しを御存知ですか? それは恐ろしいやつですよ。坊ちゃん! わたしは助かりましたが、お隣の黒君は掴まりましたぜ」
なんか、愛嬌がある。
ストーリー的には感動の結末なのだが、最後の坊ちゃんの、「へっ、姉さんだって泣いている癖に!」というセリフの音に、話的にはまったく関係のない感慨を受けてしまった。私はこういう、わざとらしさに溢れたセリフ回しに心底「グッ」とくる性質なのだ。
以上、かなりおざなりな感想文で申し訳ないが、たぶんまだ続くと思うので、なにとぞ勘弁して欲しい。オナニーみたいなもんだから、見て見ないフリしておくれ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます