雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

贖罪/湊 かなえ

2009-07-01 | 小説
 これは、前二作(『告白』『少女』)と比べれば、自分的には一番いいかな。

 相変わらずの独白文。今さらながらだけれど、江戸川乱歩だよな、これ。

 仕掛けとしては『告白』『少女』よりも劣るけど、っていうか、たぶん、前二作読んだ人は、大体こうなるだろうなぁ……って読める。
 それくらい、真新しさといったものはないけれど、少女四人それぞれの性格の書き分けはよくできていたと思う。

 これまた「暇つぶしに最適」ってかんじの本だけど、もうなんか、湊かなえはソレでいいんじゃないか? と思えてきた。
 もう、このスタイルを貫き通してくれ! とも思った。

 たぶん次作がまた同じ一人称独白形式だと「うわ~、いくね~」と思うし、もしも三人称だったら「えぇ~っ…」ってなるだろう。

 然るに、この人は、次なにやっても色んな意味で読者を裏切れるだろうな。そんな期待感があるので、次も読んじゃう。
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