雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

オーデュボンの祈り/伊坂 幸太郎

2008-05-22 | 小説
 再読なのに、読むほどにグイグイ惹き込まれてしまうのは改稿された文庫版だったから、という理由だけではないだろう。

 思えばこれが最初に読んだ伊坂作品。ってゆーか、デビュー作だし。
 友人に薦められて読んだのだけれど、ディティールとかプロットはスゴイ斬新で面白かったんだけど、イマイチその世界観が掴めなかったというか、文体が小洒落すぎてて肌に合わなかったのか、その後の伊坂作品はしばらく読むことがなかった。

 そんな月日を経るうちに、あれよあれよと新作が出され続け、『重力ピエロ』や『アヒルと鴨のコインロッカー』『陽気なギャング~』等々で一躍脚光を浴び始め、「え~、あの、カカシの話の作家だろ?」という偏見にとらわれてなかなか手を出さなかったのだが、ふとした拍子に読んだ『ラッシュライフ』で、「おいおいおい!な、な、なんだよ!めちゃめちゃ面白くなってるぢゃねーか!」と遅き開眼を果たし、それ以降、ジャンキーのように伊坂作品を求め読む日々に・・・・。今ではすっかり伊坂信者になっちまっている始末。

 そんなワケで、新刊出るのも待てなくて、とうとう最初に戻ってきて、再読の旅へと突入しました。

 いや、なんか、最初に読んだときの『オーデュボン~』とは違って、格別に面白く感じてしまったんですけど。たぶん洗脳も何%かはあるんだろうけど、それでも、話の展開を完全に知っているのにこの面白さときたら、やっぱ、かなりの伊坂ジャンキーなんすかね?


 いやいや、本当に面白い小説は、何回読んでも面白いんだ。そういうことだよ。
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