川上弘美。この作家さんの本には、実のところ十四年前に出逢っている。芥川賞受賞作『蛇を踏む』だ。
十四年前というと、自分は21才の時か……。このころといえば、なんだか闇雲に本を読んでいた時期で、たまたま新聞の広告欄で目に留まった『蛇を踏む』というタイトルに惹かれて(本当に、ジャケ買いならぬタイトル買い)内容もヘッタクレも判らずに購入した。まではよかったのだが、如何せん文学の「ブ」の字も解っちゃいない奴だったので、正直ナニがナニやらサッパリだった。
そんな体験があったもので、未だに図書館で「川上弘美」の名を目にするものの、読んでみようという気は起こらなかった。しかし先日読んだ長嶋有著『電化製品列伝』に、この『センセイの鞄』がとりあげられていたもので、ちょっと読んでみようか、という気になった。
するとこれが、殊の外いい。何がいいかって、文章がとても心地好い。やあ、もちろん、内容的にもすこぶるそそられたのだが、そのストーリーを内包するふわふわした、それでいて確かな存在感、というか、そこに在る安心感、みたいなものがひしひしと自分の中に入ってきた。
「これは大変な作家さんを読み落としていた」と即座に思った。
十四年の時を経て、ようやく文学の「ブン」くらいは解ってきたのだろうか? それともただ単に、齢を喰って物の見方、考え方に柔軟性が出てきただけであろうか? ともあれ、因縁の(と言うほどのものでもないが)『蛇を踏む』を読んで、いったいどんな感慨を覚えるのか、愉しみである。
ああ、しまった。毎度のことながら本題(『センセイの鞄』)について書いてないや。
十四年前というと、自分は21才の時か……。このころといえば、なんだか闇雲に本を読んでいた時期で、たまたま新聞の広告欄で目に留まった『蛇を踏む』というタイトルに惹かれて(本当に、ジャケ買いならぬタイトル買い)内容もヘッタクレも判らずに購入した。まではよかったのだが、如何せん文学の「ブ」の字も解っちゃいない奴だったので、正直ナニがナニやらサッパリだった。
そんな体験があったもので、未だに図書館で「川上弘美」の名を目にするものの、読んでみようという気は起こらなかった。しかし先日読んだ長嶋有著『電化製品列伝』に、この『センセイの鞄』がとりあげられていたもので、ちょっと読んでみようか、という気になった。
するとこれが、殊の外いい。何がいいかって、文章がとても心地好い。やあ、もちろん、内容的にもすこぶるそそられたのだが、そのストーリーを内包するふわふわした、それでいて確かな存在感、というか、そこに在る安心感、みたいなものがひしひしと自分の中に入ってきた。
「これは大変な作家さんを読み落としていた」と即座に思った。
十四年の時を経て、ようやく文学の「ブン」くらいは解ってきたのだろうか? それともただ単に、齢を喰って物の見方、考え方に柔軟性が出てきただけであろうか? ともあれ、因縁の(と言うほどのものでもないが)『蛇を踏む』を読んで、いったいどんな感慨を覚えるのか、愉しみである。
ああ、しまった。毎度のことながら本題(『センセイの鞄』)について書いてないや。
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