雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

さよなら渓谷/吉田 修一

2008-08-12 | 小説
≪きっかけは隣家で起こった幼児殺人事件だった。その偶然が、どこにでもいそうな若夫婦が抱えるとてつもない秘密を暴き出す。取材に訪れた記者が探り当てた、 15年前の"ある事件"。長い歳月を経て、"被害者"と"加害者"を結びつけた残酷すぎる真実とは――。『悪人』を超える純度で、人の心に潜む「業」に迫った長編小説。≫


 読み進むうちに「うわっ!これはスゴイ!」と思いました。

 あんまりディープに語るとどうしてもネタバレになっちゃうので、詳細は言えないけれど、吉田修一は『悪人』によってさらなる境地に達したよな、という感じです。

『悪人』も突き詰めれば『愛』の話だと思うが、この『さよなら渓谷』はさらに深い愛、というか、やはり、歪な愛、というか、どちらもミステリー調なんだけど、そこに根差しているテーマは『愛』なんだ、と。

 以前から身を斬られるような作品を多数描いてきて、それが生活だっり、恋愛だったり、そして人生だったり、で、今作はそのどれもを内包した、あまりにも痛々しすぎる、作品でした。

 そう、とにかく「うわっ!これはスゴイ!」な一冊なんです。
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2 コメント

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Unknown (ノロモン)
2008-08-13 03:12:45
面白そうやな~ 最近は秀の紹介してくれる本を読むがが楽しみや♪
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Unknown ()
2008-08-13 13:39:45
オマエは憧れの先輩が読んでる本を次々と読んでいく片思いの女子中学生か(長いツッコミ
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