今年は巳年であるが、巳は一般には嫌われ者である。これにはちゃんと遺伝子レベルの理由があり、巳を怖がらない人は巳に食われたり毒で殺られたりして淘汰された結果、巳を怖がる人が多く残ったのである。
巳は長い。因みに、ドイツ語で巳のことを「Schlange」という。「lang」は「長い」であるから、文字通り「長いヤツ」と言う意味である。
その長いヤツは、他の長いヤツのゴハンになることが多い。これは解剖学的に大いに理解できる。すなわち、長いヤツを消化するためには、自身も長い方が都合がいいわけである。
長いヤツは、蛙をゴハンにすることも多い。「長いヤツに睨まれた蛙」という言葉もある。だが、両者の関係は一方的な「捕食者」「被食者」の関係ではない。要は大きさの問題である。事実、大きな蛙は小さな長いヤツを喰らうのである。長い舌で一撃のもとで口の中に入れてしまう。もし、あなたがミクロの世界の住人になった際は、蛙にも十分に注意されたい。
「色の白いは七難隠す」という言葉には疑問を感じるワタクシだが、長いヤツについてはあてはまる気がする。「白蛇」はなかなか可愛い顔をしていると思うこともある。
「白蛇」と言えば、私の映画初体験は、小学校で観た「白蛇伝」。1年か2年のときだった。二つの教室の間をとっぱらって窓には黒幕を張り、黒板に白い布をかけてスクリーンにした会場で、生徒は床に体育座りをして観た。大層印象的だったからしっかり記憶に刻まれた。大人になって見返したときも、記憶と極端な相違はなかった(それに対し、小学校で二回目に観た映画については「わんぱく王子の大蛇退治」だったということにしているが、記憶では白馬に乗った王子と大蛇が洞窟の中でおっかけっこをしていたのに対し、近年入手したDVDでは空中戦になっていて大きく記憶と異なっている。一応、記憶違いということにしている)。
その「白蛇伝」の粗筋はこうである(ネタバレ)。白蛇の精が人間の女性の姿になって、昔自分を助けてくれた人間の男性と再会し恋に落ちる。だが、妖精を快く思わない坊主が恋路を妨害するが、人間になってまで若者と添い遂げようとする(元)白蛇の真心に折れて妨害を止める。皆に祝福された若い二人が船でいずこかに漕ぎ去っておしまい。
同じ物語でも、坊主の立場に立つとこのようになる。白蛇が人間の女性に化けて、人間の男性をたぶらかそうとする。男性を助けようと徳の高いお坊様が白蛇を打ち負かす。だが、白蛇が人間になり男性がたぶらかされる心配がなくなったので二人を認める。皆に祝福された若い二人が船でいずこかに漕ぎ去っておしまい。
この映画が日本で最初の長編カラーアニメ作品であるなんてことは、小学生で初見したときは知る由もなかったが、その後知った。その「白蛇伝」を久々に動画配信で観た。映画も音楽も、何回試聴してもその都度新発見があるものである。今回の新発見は中国色。パンダが上野にやってくる前にパンダが出てることは既に知っていたが、それ以外でも背景(自然、建物)が中国っぽいことに大いに注意が行った。さらに音楽。♪ミーレミソレミドーというメロディーが聞こえてきた。これは、京劇団の日本公演の中継を中学生のときテレビで観て唯一覚えたメロディーであり、私は、「京劇」と聴くと、この♪ミーレミソレミドーが頭に浮かぶのである。それが「白蛇伝」から聞こえてきてびっくりぽんだったわけである。
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