Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

Art site Naoshima

2008-02-17 23:59:51 | 日常
2/15-16、金土の2日間で香川県の直島~牟礼~丸亀へ行ってきました。
職場の同僚や友達含め総勢8人、車2台での旅となりました。

岡山県の宇野港からフェリーに乗ると、直島はすぐそこ。
直島は香川県と岡山県の間、瀬戸内海に浮かぶ人口約3,500人、周囲16kmの小さな島だ。島全体にアート作品やアートプロジェクトが点在している。


今回の旅企画は自分ではなく、どちらかといえば「ついていった」という感じなので、まったく事前の知識なし。でも他のみんなも出発まで仕事忙しくて事前にいろいろ調べておく時間などなかったのだが、彼らはもともと建築、アート、デザイン分野の人達。歩きかたや見どころは分かっている人達なので安心。終始、「これはどういう意味?」「この作家はどういう人?」と説明を求めがちな自分であったが、完璧な説明や正解ではなくちょっとした予備情報が耳に入るだけでも作品の感じ方が深まるので楽しかった。

最初に行ったのは、アーティストが古民家などを使い、そこに思い思いの作品を展開している「家プロジェクト」。
家プロジェクト
・角屋(宮島達男)
・議王神社(杉本博司)
・南寺(ジェームズ・タレル)
・きんざ(内藤礼)
・はいしゃ(大竹伸朗)
の順にまわった。

「きんざ」は1軒の家。予約が必要で、鑑賞は1人ずつ、時間は15分までと決められている。そういう鑑賞の仕方って初めて。1人で入る、ということは「静寂」が約束されているということ。何が見られるのか、これもまったくもって予備知識なしだった。入ってみての感想は、「がらーん」。しかし時間が経つと、詳細にまで目が行き届くようになり、小さなものが気になるようになる。

「南寺」は圧巻。
光のアーティスト、ジェームズ・タレルと建築家安藤忠雄によるコラボレーション。中に入ると、そこは漆黒の闇。あれほどの暗闇は今までに体験したことがない。目を開いていても閉じていても、まっ・黒。ああなると、まぶたを上下する意味が分からなくなる。しかし、その感覚がやがて変化する。これは行った人でないとわからないな(これから行く人のために詳細は書くのやめます)。とても不思議な体験だった。

※写真撮影NGのところが多かったのと、デジカメは故障中なので、今回の旅では写真をあまり撮ってない。あしからず。

■点在するパブリックアート

海辺はすごいきれいだ。あんな絶壁にも作品が!


直島のパブリックアートの看板的存在。草間弥生さんのかぼちゃ。堂々と、そしてどっかりと瀬戸内を臨む。
そんなかぼちゃに群がって写真を撮る私たち。

■続いて地中美術館
・モネ
・ジェームズ・タレル
・ウォルター・デ・マリア

なんとたった3人のアーティスト作品しかない。すんごく贅沢なアート空間だ。地中に半分埋まっている建物そのものは安藤忠雄による。
モネの睡蓮は、自然光のなか白い壁に囲まれた部屋にある。室内は真っ白でポコポコのタイル地になっている。靴を脱いでスリッパで入る。スリッパの裏側がとても柔らかい生地でできていて、自然光の白い柔らかさと足下を包むふわりふわりとした感触がとってもいいと思った。

地中美術館では瀬戸内海を見下ろすカフェがある。ここで少し休憩。

夕暮れ時に、ジェームズ・タレルのオープンスカイ、ナイトプログラムに参加。これも予約が必要。
タレルのこの作品は、真っ白な部屋の天井が取り除かれ、そこから空を眺める。空を眺めるのは好きだ。うつろいゆく微妙な表情を写真に撮るのも好きなので、部屋の天井から切り取られたわくの向こう、空の様々な表情や光を感じることのできるインスタレーションに感動。四角いフレームの中で、空は動いていた。そういえば、天井が抜けているので室内はとても寒い。けれど、四方を囲むコンクリートに備え付けられたイスには熱がとおっていて、座るとお尻と背中がじんわりあたたかいのだ。
ナイトプログラムでは夕暮れからしだいに夜になっていく空をずっと見上げていた。その移り変わりがとても美しかった。40分は座っていただろうか。その間、室内のLEDライトによる光の演出と、静けさ、鑑賞するのは「空」というとても贅沢な時間を過ごした。はじめ見えていた月が時間の流れとともにしだいに四角いフレームから消えていった。はじめはなかった星がしだいにあらわれたりした。自然の中で空を見上げるのとは違う、あの空間の中でこそ感じられる「空」と「光」があった。
美術館を出ると、満点の星空。タレルの作品を体験した直後だったので、見方が変わった。空に感謝した。

■宿泊はベネッセハウス

ミュージアムとホテルが一緒になった、これも安藤忠雄の建築。深夜もミュージアムを見て回ることができる。作品を開放している感じで学芸員さんもいない。なんて自由なんだ。うふふ。
ふらふらと歩いていると昔DCで見たリチャード・ロングの作品があったり、コンクリートのすきまから草が生えていると思いきや、須田悦弘さんの「雑草」という作品だったり。廊下にふつうにジャコメッティの彫刻が置いてあるといって感動する同僚など、ここはみごとに「アートのなかで泊まる」というコンセプトを叶えている。ブルースナウマンの「100生きて死ね」というネオンアートはインパクトがあった。杉本博司さんのモノクロ写真群の水平線と、実際の瀬戸内海の水平線とが同じラインに見えるよう配置・展示されていることなど、「おぉっ」という感動のたえないホテルであった。
ミュージアム棟でいちばん眺めのいい部屋に4人で泊まる。他のメンバーはパーク棟へ。


瀬戸内を照らす日の光。なんて美しいの!
ベネッセハウスの庭にも作品がたくさん。ニキ・ド・サンファールのコミカルで自由奔放なオブジェ。

翌日、高松へ足をのばし、牟礼にあるイサムノグチ庭園美術館へ。ここが一番よかったなー!
その後、丸亀市へ行き、猪熊源一郎美術館へ。続きはまたのちほど。
コメント
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