柚月裕子著、このミス大賞受賞作、宝島社刊
まず読み始めて思った第一印象が、テンポのいい文章だな、ということ。
私は女性の書くミステリーがあまり得意ではなかったのだけど、
この作品は「ぱきぱき」進んで行く印象で、とてもよかった。
テーマは臨床心理士ということで、
最近、孤児院とか、精神病院とか、そういったところを背景に書く
ミステリーが流行っているのかな、と改めて思った。
非日常の環境というものが、
今の日本だと、そのあたりにしか残されていないのかもしれない。
後半になると、簡単な暗号解読も出て来るし、
密室殺人こそ出てこないけれど、ミステリーの醍醐味はてんこもり、
という感じだった。
いくつか「違和感」が残る部分もあったけど、
全体としては、とても面白い小説だった。
私が通っていた小学校には特別学級があり、
ときどき、そこの生徒と交流する時間があった。
最初は、仲良くなれたらいいな、と思いながら話しかけるのだけど、
いつも意思の疎通ができなくて、だんだん諦めていったことを思い出す。
誰かとコミュニケーションをとろうとするとき、
相手が、こちらの望むような態度や、予測した範囲でのリアクションをくれないと
だんだん疎遠になっていくというのは、誰に対してでも同じこと。
特に社会人になってからは、仕事で接する人の背景などを、ほとんど知らない。
知らないうちに傷つけていたり、傷つけられたりする。
非日常は、常にそばにある。
まず読み始めて思った第一印象が、テンポのいい文章だな、ということ。
私は女性の書くミステリーがあまり得意ではなかったのだけど、
この作品は「ぱきぱき」進んで行く印象で、とてもよかった。
テーマは臨床心理士ということで、
最近、孤児院とか、精神病院とか、そういったところを背景に書く
ミステリーが流行っているのかな、と改めて思った。
非日常の環境というものが、
今の日本だと、そのあたりにしか残されていないのかもしれない。
後半になると、簡単な暗号解読も出て来るし、
密室殺人こそ出てこないけれど、ミステリーの醍醐味はてんこもり、
という感じだった。
いくつか「違和感」が残る部分もあったけど、
全体としては、とても面白い小説だった。
私が通っていた小学校には特別学級があり、
ときどき、そこの生徒と交流する時間があった。
最初は、仲良くなれたらいいな、と思いながら話しかけるのだけど、
いつも意思の疎通ができなくて、だんだん諦めていったことを思い出す。
誰かとコミュニケーションをとろうとするとき、
相手が、こちらの望むような態度や、予測した範囲でのリアクションをくれないと
だんだん疎遠になっていくというのは、誰に対してでも同じこと。
特に社会人になってからは、仕事で接する人の背景などを、ほとんど知らない。
知らないうちに傷つけていたり、傷つけられたりする。
非日常は、常にそばにある。