ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

般若経典

2009-05-12 22:09:29 | Weblog
中村元著、現代語訳大乗仏典、東京書籍刊

このシリーズは、本当に読みやすくていい。
中村先生によるサンスクリット語からの和訳、漢訳との比較など、
私のような初心者が仏典に親しむ入門書としては、本当に最適。

般若経典では、「空」が説かれている。
否定も否定される、言葉ではいいあらわすことのできないこと、
とどまることのないこと、らしい。
認識は言葉に頼る部分が多いだけに、言葉でいいあらわすことができない境地を、
いったい、どんなふうに受け止めたらいいのか。
それに、何か考え事をしたとき「決めたい」し。

涅槃もない、悟りもない、と言われると、
じゃあ、迷ってぐるぐる考えている今の私の状態そのものが「空」なんですか?
と質問したくなる。

そして、「慈悲」というとても難しいことを考えていたときに、
たまたま昨日、ある友人と話す時間があった。

いろいろなことを言われたけれど、
要は「悟ったふりなんかしてないで、もっと自分がしたいことをやれ」と
言われたような気がする。
頭がガンガンするくらいストレートに。

かなりワガママに生きているけれど、まだまだ突き抜け方が足りないぞ、
と言われたと思った。

人生というのは、果てしない。