ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

今朝の通勤電車 その2

2009-05-29 21:56:32 | Weblog
雨の日、朝の通勤電車は、ふだんよりも少し混んでいる。
乗り馴れていないような人もいて、雰囲気も少し違う。

みんないろいろな時間の使い方をしている。
ストレスを紛らわして、なんとなく自分の世界を確保している。
距離は近いのに、はるかに遠い隣人。

私が苦手だなあ、と思うのは、携帯電話のキーを操作している音。
すごく小さくて、リズムが一定ではないポツポツいう音は、
まるでヒソヒソ話に、ついつい聞き耳をたててしまうような感覚がある。

携帯電話を顔の高さまで上げて、耳のそばでキー操作をするのは、
正直、やめてもらいたいと思っている。

例えばイヤホンから漏れる音は、リズムがあったり、メロディがあったりするので、
曲の好みは別として、まだ、なんとなくその背景を想像することができる。
好き嫌いは別として、人に聴かれるための音だから、しょうがないか、という気になる。

でも、キー操作の音は、まったくの無機質だと思う。
ああいう音は苦手だ。

今日は、途中駅の乗降時に、そういったキー操作の音を逃れることができた。
ホッとしたそのとき、ある女性が降り遅れそうになった。

おそらく大学生だと思う。
降りようとしているのに、うまく戸口まで行けなくて、もがいていた。

でも、「降ります」の一言もない。
鞄を前に抱え、ひたすら前に突っ込むのみ。
次第に、気づかない人たちが、外から乗って来てしまう。

まさに扉が閉まる瞬間、乗ろうとしていた男性が「降りるの?」と聞いて身を引き、
閉まりかかる扉を手で必死におさえながら、その女性を通してあげた。

いろんな音があり、いろんな音がないと思った朝の通勤電車だった。