三崎亜記著、集英社文庫
先日読んだ『廃墟建築士』が面白かったので、この本を読んだ。
作家さんのうち、たま~に、この人の読書の趣味は、
5~6割、私とかぶっているのではないか、と思う人がいる。
三崎さんは、私が勝手にそう思い込んでいる作家さんの一人。
Amazonに書かれているレビューを見ると、そんなに評価は高くないようだ。
でも、私からすると五つ星。
この人が本当に書きたかった点を強調するために、
あえてこれ以上は書かなかったのではないかと、
好意的に解釈した部分がかなりあった。
戦争を背景にしたメロドラマを望んでいるような人からは、
当然、評価が高くはならないだろうし、
読後スッキリしたい人には、もっと向かないだろう。
でも、私は、夜中の台風の実況テレビに、不謹慎にもワクワクしてしまう人間だし、
湾岸戦争の実況をテレビで見ながら、普通に美味しくご飯を食べていた世代だから、
自分や日常にある「怪物」のような何かを、
乗り越えたい、乗り越えなければならない、という気持ちはどこかにある。
でも、友人と語って考えを整理したり、
ちょっとした行動を起こしたりもするんだけど、
どうも手応えを感じることができなくて、スッキリできない、という気持ち。
しょせん、生きている人間は、死んでいった人の代弁をすることはできないのだ、
という無力感。
そんなことを、もう一度、心の中に浮かび上がらせてくれる、こういった本は、
本当に好きだなあ。
先日読んだ『廃墟建築士』が面白かったので、この本を読んだ。
作家さんのうち、たま~に、この人の読書の趣味は、
5~6割、私とかぶっているのではないか、と思う人がいる。
三崎さんは、私が勝手にそう思い込んでいる作家さんの一人。
Amazonに書かれているレビューを見ると、そんなに評価は高くないようだ。
でも、私からすると五つ星。
この人が本当に書きたかった点を強調するために、
あえてこれ以上は書かなかったのではないかと、
好意的に解釈した部分がかなりあった。
戦争を背景にしたメロドラマを望んでいるような人からは、
当然、評価が高くはならないだろうし、
読後スッキリしたい人には、もっと向かないだろう。
でも、私は、夜中の台風の実況テレビに、不謹慎にもワクワクしてしまう人間だし、
湾岸戦争の実況をテレビで見ながら、普通に美味しくご飯を食べていた世代だから、
自分や日常にある「怪物」のような何かを、
乗り越えたい、乗り越えなければならない、という気持ちはどこかにある。
でも、友人と語って考えを整理したり、
ちょっとした行動を起こしたりもするんだけど、
どうも手応えを感じることができなくて、スッキリできない、という気持ち。
しょせん、生きている人間は、死んでいった人の代弁をすることはできないのだ、
という無力感。
そんなことを、もう一度、心の中に浮かび上がらせてくれる、こういった本は、
本当に好きだなあ。