ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

収容所群島

2009-10-28 21:04:17 | Weblog
1ー6巻、ソルジェニーツィン著、木村浩訳、ブッキング刊

ようやく読み終わった。長かった。
寝る前に読むと、悪夢を見る。深く深く心に沈殿する。
どんどんつらくなって、最後のほうは斜め読みになってしまった。

旧ソ連の収容所については、いろいろな本で語られているし、
雑誌などでも読んだことがある。
また、以前、カンボジアの強制収容所を訪れたことがあるので、
そこで見たことや、ガイドさんから聞いた話などが重なって来て・・・、
複合的に、どんどんどんどんこわくなった。

何と言っても、一番こわいのは、
その場にいたら、自分も、それに加担してしまうだろうと思うこと。
いくらでも仲間をいじめ抜いてしまうだろうと思う。

あまりにも得体がしれなくて、どうも言葉としてまとめられない。
そんな気分だ。

最近、仕事をしていてよく思うのは、
人は、自分の弱さをかくすために、いろいろとごまかし、隠蔽するものだなあ、ということ。
なかでも一番痛むのは自分の心。
心をごまかすために、たくさんの理由をひねりだす。
この発想力はものすごい。

現実世界なんてなくて、仮想の世界で生きている。
バーチャルだ。

それならせめて、楽しいことを考えたい。
でも、他人を傷つけることに楽しみを感じてしまったら・・・、
きっと発想力を駆使して、理由を見つけるんだろうなあ。私も。