ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

派遣社員を観察する その2

2010-11-10 20:53:03 | Weblog
今朝、桜の木が、「秋の美しい一日がはじまるよ。おはよう!」と言っていた。


自然と会話ができるような和の心は、猛暑の中では起きてこない。

会社までの道は、すべてアスファルトで覆われている。
むかし、雨や雪の日には水たまりをよけて歩いた道も、
いまは足下を確かめながら歩く必要がなくなった。
ふと気がつくと、小さい頃に見た風景が大きく変わっている。
一瞬、大きな不安を覚えた。
「女心と秋の空」と言ったって、ぜんぜんピンとこない。

さて、相変わらず、新しい同僚の派遣社員さん女性2名には、新鮮な発見がある。

どうやら、いろいろと彼女たちも戸惑っているらしい。
人はそれぞれ違うスキルをもって、それを「売り」にして働いているはずの派遣社員でも、
なにやら「他人と同じ」と思うことには、蜜のような魅力を感じるらしく、
なにかと話しかけてくる。

何をどのように感じるか、仕事としてやりやすいかどうか、なんていうのは、
人それぞれ違うのだから、
不安だったり、わからないことがあったら、そのへんにいる社員に聞けばいい。
何かを解決できるのは、責任能力のある社員であり、少なくとも派遣社員である私ではない。

まあ、そう言い放つとそれはそれで失礼だから、当たり障りがない(と思われる)回答で、
さっさと話を切り上げるようにしているのだけど、
どうやら彼女たちが知りたいのは、職場の人間関係というか、会社の空気というものらしい。

だから、彼女たちは私に、
「ここはこんな会社だよ。誰それさんはこんな人だよ。ここではこんなふうに働くんだよ」と、
よきアドバイスをすることを期待しているらしい、と、今日なんとなく気がついた。
もしくは、一緒に愚痴を言うか、不安を吐露するか、といったところなのだろう。

こういった話題へと私を誘導しようとする話し方が、私の好きな間合いの詰め方ではないので、
ますます話したくないと思うのだが、それに気づいてもらえることは永久にないだろう。

私みたいに、まだまったくの他人で、
彼女たち個人のことも知らなければ、私のこともまだ知らない。
そんな関係の人に「ここはこんなところ」と断言されて、
それで本当に安心をえることができるのだろうか。気持ち悪くないのだろうか。

けっこうまだまだどうして「ムラ社会」なんだなあ、と思った。