ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

量子の社会哲学

2010-11-15 21:44:55 | Weblog
今日は、新しく来た派遣社員さんの歓迎会だったのだが、
あまりに眠かったのと、
久しぶりの社会人モードでテンション高めで騒いだために、
1時間でスタミナ切れとなり帰宅。

こんなとき、歳をとったと思う。

『量子の社会哲学 革命は過去を救うと猫が言う』
大澤真幸著、講談社

量子論は難しい。
だから、私が、量子論に立って何かを論じるのは無理があるけれど、
でも実体験としてなんとなくわかることもある。

ある人に、いま「何らかのレッテル」が貼られると、
その過去にさかのぼって否定されたり、逆に肯定されたりする。
中国がチベットに対してやっている「歴史の書き換え」は、
まさにそんなことなのだろう。
日本海の領土問題も、きっとそんなところだ。
時間は、過去→現在→未来と一方向に進むものではなくなる。

なにもいまになって、革命が過去を救いはじめたのではなくて、
「勝てば官軍」は日本の歴史にもあったし、
個人では言えば、幼いころの思い出の相違など、すでに実感はある。

それが、量子論の言葉になって、すとんとまとまっている本だと思った。
だから、なんとなくわかったような気もした。

ということは、量子論に立てば、アンチエイジングも可能になるのか。

でも、思い返してみると、
若いころがよかったかというと、そうでもないし、
若くなければ、女性として価値が落ちるとも思わない。

そして、歳をとったからこそ見えてくる若い人のよさもある。
この視点に気づきはじめたのは、なかなかの楽しさだ。
自分もうつりかわる。
だから、自分なりに自分と会話するしかないんだなあ。