イギリスの王子が結婚されるというニュースが流れている。
祝賀モードというやつだ。
彼の両親が結婚されたとき、たしか母と皇室の話をした。
学校の先生には天皇なんて不要だ、という人が多かったので、母に質問した。
日本にとっての天皇って、どんな人?
王室や皇室の人が結婚することが、そんなに「すごい」ことなのか、と。
母は少し考えて、彼女なりの意見を言ってくれた。
天皇は、日本が農業国であること、
日本が自然の中で、人と自然がともに生きて行くことを、
儀式を通して守っている存在。
そして、万葉仮名で書かれた万葉集を広げて、何首か音読してくれた。
漢字は中国から伝わったものだけど、
それを私たち日本の心にあうように、むかしの人たちは工夫して使った。
中国や朝鮮から多くのことを学んだけれど、
どこの国の自然も、日本の自然とまったく一緒ではない。
そして、天皇はその自然と人とが一体になるための、大切な存在だったのよ、と。
ニュースでたまに、天皇が儀式をやっているところが映るでしょう。
あのとき、日本人は自分たちの心の中にある自然を取り戻す。
近代的な会社や工場では忘れられてしまって、そして不安になっている私たちの心を、
ふと安心させてくれるのよ。
「天皇のために死にましょう」ではなくて、
天皇をとおして自然と触れ合うのが日本古来の心だと思う、と。
その頃は、昭和で、天皇は自分のことを「朕」と呼んでいらした。
高校の時、「朕」という言葉は、「父親を亡くした子ども」という意味をふくむと聞いたとき、
万世一系というものに、それまでとは少し違った印象を持った。
いま、ニュースで、天皇の神事を取り上げてくれることはまずない。
そういう意味では、日本の自然はすでに失われたのだと、なんとなく思う。
祝賀モードというやつだ。
彼の両親が結婚されたとき、たしか母と皇室の話をした。
学校の先生には天皇なんて不要だ、という人が多かったので、母に質問した。
日本にとっての天皇って、どんな人?
王室や皇室の人が結婚することが、そんなに「すごい」ことなのか、と。
母は少し考えて、彼女なりの意見を言ってくれた。
天皇は、日本が農業国であること、
日本が自然の中で、人と自然がともに生きて行くことを、
儀式を通して守っている存在。
そして、万葉仮名で書かれた万葉集を広げて、何首か音読してくれた。
漢字は中国から伝わったものだけど、
それを私たち日本の心にあうように、むかしの人たちは工夫して使った。
中国や朝鮮から多くのことを学んだけれど、
どこの国の自然も、日本の自然とまったく一緒ではない。
そして、天皇はその自然と人とが一体になるための、大切な存在だったのよ、と。
ニュースでたまに、天皇が儀式をやっているところが映るでしょう。
あのとき、日本人は自分たちの心の中にある自然を取り戻す。
近代的な会社や工場では忘れられてしまって、そして不安になっている私たちの心を、
ふと安心させてくれるのよ。
「天皇のために死にましょう」ではなくて、
天皇をとおして自然と触れ合うのが日本古来の心だと思う、と。
その頃は、昭和で、天皇は自分のことを「朕」と呼んでいらした。
高校の時、「朕」という言葉は、「父親を亡くした子ども」という意味をふくむと聞いたとき、
万世一系というものに、それまでとは少し違った印象を持った。
いま、ニュースで、天皇の神事を取り上げてくれることはまずない。
そういう意味では、日本の自然はすでに失われたのだと、なんとなく思う。