ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

人それぞれ

2011-08-15 23:48:11 | Weblog
いまの会社の中国人スタッフは、やはり親日派が多いのだけれど、
それでも、すごいなあ、と思うことがある。

スタッフの中には、「80后」と呼ばれる1980年代生まれの若い人も多い。
彼らは日本のアニメやゲームの海賊版で日本語を「自習」した人たちで、
日本に行ったことがなくても、けっこう日本語が上手だ。
そして、オタク文化にも詳しい。

で、私が「すごい」と思うところは、
彼らは、日本人の全員がオタクではない、ということを知っているということ。
私が日本から来たばかりでも、
いま流行っているアニメの話をしようと近寄ってくる「80后」はいない。

オタク文化に興味がない日本人よりも、
自分たちの方が、それに詳しいということをちゃんと知っている。

私が留学をした93年当時は、日本人=日本鬼子で、
戦後生まれも含めて、日本人全員はいまだに帝国主義者で、
現在進行形の戦犯だと言ってくるような中国人もたくさんいた。
もちろんいまでも、そんな考え方の人はいるだろうけれど、
いま私のまわりにいる若い人は、「人それぞれ」ということを知っている。

「人それぞれ」がゆきすぎて、あまりにも自分勝手だと思える人もいるけれど、
でも、このような多様性をもっているということは、
中国という国にとって、本当にすごい変化なのではないかと思う。

「日本人にもいろんな人がいるよ。金持ちもいれば、そうでない人もいる。
信頼できる人も、できない人もいる。ほんとにいろいろね」
これは、私のアパートの大家さんが言っていた言葉。

思想が自由な国に暮らしていると信じている日本人の方が、
逆に、中国人のことを「こういう人たち」と表面的に決めつけているかもしれない。