ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

カギは母親

2011-08-24 22:53:04 | Weblog
今日は、とある日本人会に行った。
上海には、出身地や趣味というくくりで、いろいろな日本人の会がある。
別に日本人に限っているわけではなくて、中国の人も来る。

今日来ていた中国の女性は、手相を観られるということで、観てもらった。
「あなたは、人との縁が強くて、いい人たちに会う。もっと努力して」と言われた。
「何を努力したらいいの?」という質問には答えてもらえなかったけれど、
なんだか、心の中を見透かされたような一言だった。

その後、「結婚してるの?」と聞かれ「いいえ」と答えたら、
ダメね~という顔をされ、周囲の人が結婚談義に入った。
だいたい、こんな話だった。

中国女性A「日本人は、男性のほうが5歳くらい年上ということが多いね」
日本男性「最近の日本の男性は軟弱だから、年上のお嫁さんをもらうことも増えたよ」
みんなで「上海も、似たような感じなんでしょう」「そうみたいだね」

ここまで来た時、いきなりギアチェンジ。
中国女性B「生活していく上で基本となる収入はとても大切。
 愛情だけではどうにもならない」
日本男性「でも中国の人は、家だ、車だって大変じゃない。
 結婚して家を買って、そのローンが30年あったら・・・」
中国女性B「いや、中国の人はローン組まないよ」
日本女性「一括で払うお金持ってるの?」
中国女性B「親が払うから」
日本人みんな「ああ・・・、中国の若い人って、結局自立してないよね。
 親が金持ちかどうかじゃん」

もっと加速する。
日本男性「中国の人が、財産ばかりじゃなくて、もっと愛情も大切だと思えばさ」
中国女性B「そのためには、中国全土のお母さんの意識を変えなきゃだめ。
 本人じゃなくて、親が相手の資産をうるさく言うわけだから」

で、私は思った。けど、言わなかった。
というか、周囲の発言があまりにはやく、口をはさめなかった。
「ということは、お母さん世代の見栄の張り合いってことだ。
子どもの自立した生活云々ではなくて実家かどうか、ということなら、
結局は親世代の見栄の張り合いに、子どもが付き合わされてる、ってことか」

そんな家族、まっぴらだな。
もちろん中国の親子関係には、いいところもある。たくさんある。
小学生時代のお受験競争を端で見ているだけで気持ちが悪くなったような気分になった。
いずれにしても、カギは母親なんだよな。

大学生のころ、巴金の『ああ、結婚』という文章を読んだ。
すでに細かいストーリーが思い出せないけど、なんだか同じ中国の結婚観とはいえ、
ずいぶん雰囲気が変わったような、
いや、親が強いという意味では変わっていないような・・・。