ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

月から見える?

2012-10-22 23:48:20 | Weblog
iPhone4で写真を撮ったら、妙にトロピカルになった炒刀削面。
蘭州ラーメン、1皿=10元。



さて、入れなきゃ出て来ない、ということで、
文字が出て来ないことに、どうやら相当煮詰まっていたらしく、
昨晩はもう1冊読んでしまった。
『万里の長城は月から見えるのか?』(武田雅哉著、講談社)

確か小学生の頃、「万里の長城は月から見えるんだよ」と母から聞いた。
数年前、誰かから「実は見えないらしいよ」と聞いた。
まあ、私としてはどちらでもいいんだけど、
神舟5号で宇宙を飛んだ中国の宇宙飛行士が、
「残念ながら、自分には長城が見えなかった」と証言したことから、
中国の教科書問題にまで発展していたとは、知らなかった。

で、結局のところ、まだ宇宙から肉眼で万里の長城を見た人はいないようだ。
なんとか宇宙から「見えた!万里は長かった!」とでも言わせたい中国が、
万里の長城に延々と灯りをつけて、
夜側に回ったときに、その光だけでも宇宙から見させてやろうという
「壮大なる夢」が語られるあたり、中国だなあ、と思う。

中国の月に天文台を建てよう計画も、実は宇宙の向こう側が知りたいのではなく、
月から万里の長城を見るためだったりして、などと思う。
まあ、私としては見えても見えなくても、どちらでもいいんだけど。

今みたいに空で国境を越える時代ではなくて、
地面が繋がっているユーラシア大陸を横断していた頃、
ヨーロッパの人たちが万里の長城を見て、びっくりたまげた気持ちもわかるし、
都市伝説が生まれたのもわかる。
私も実際に万里の長城に行ったとき、感動したし。
特に司馬台の長城は、少し寂れた感じでよかった。

と、おかげさまで寝不足気味なところを、明け方から雷雨で起こされた。
その直前に見ていた夢には、むかし飼っていた犬が出て来た。
しかもラブラドールレトリバー2匹に転生していたので、いっぺんに抱くと重いという、
喜び倍増のような夢だった。

「りょう!」と呼ぶと、2匹で「わん」と応える。
重いからおろすと、勝手に違うほうに走って行くので回収がたいへん。
しょうがないので、こっそり会社に連れて行くことにしたら、
エレベーターで社長とバッタリ。
怒られるかと思ったら「かわいいやん」とのこと。
そして中国人の同僚たちが喜んで面倒を見てくれたところで、雷が鳴った。

おそらく、5.3割ぐらい吉夢だと思う。

太った兄貴

2012-10-22 01:27:44 | Weblog
引きこもるとストレスも感じず体力をつかわないので、結果、夜、眠くならない。
そして夜更けまで読書をし、翌朝眠く、仕事に身が入らず、悪循環になる。
わかっているけれど、どうしても生活習慣を改めることができない。

ということで、2冊目。
『父・金正日と私 金正男独占告白』(五味洋治著、文藝春秋刊)
上海にいる日本人の友人が「次に読みたい」と言っているから、早めに読んだ。
(夜更かしの言い訳)

新聞記者である著者と金正男氏のインタビューとメール書簡で構成されているので、
つまり、相手に誤解を与えないような文章で綴られた手紙文がそのまま翻訳されているので、
非常に読みやすかった。

以前、日本にいた頃に、テレビインタビューに応えている金正男氏の映像を見た。
マカオ在住で、なんだかすごく頭がいい人だと思った記憶がある。
この本を読んでみると、やっぱり賢そうだった。

・三代世襲に、金正日自身が否定的だったこと。
・東京ディズニーランドに行くために日本に偽造パスポートで入国しようとして捕まったから、
 後継者争いから落とされたわけではないこと。などなど、
冷静に考えたら、そりゃそうだよね。と言いたくなるようなことが書かれていた。

もちろん、ある程度は差し引いて読むべきものではある。当然のことながら。

最近、中国人の友人と親しくなるにつれて、教育って何だろうなあ、と思う。
上海に住んでいる人なんて、チベットで焼身自殺が起きていることをまったく知らないし、
本気でチベットを「解放した」と信じてる人も多い。
「共産党の言っていることを信じない」と言っていても、「チベットは解放した」と信じる。

日本に留学したことがある人でもそうだ。
北京オリンピックの聖火リレーのとき日本にいたという人も、
いろいろとすったもんだがあったことを記憶していない。

これは、距離の問題なのか、何なのか、
ただ単に外国に住んだ経験があるからと言って、
急に世界が広がり、視野が開けるわけではないのだと思う。

もし、いずれ北朝鮮がいよいよダメになったとき、
中国に金正男氏を担ぎ上げる構想があったとしても、
それは共産党の理念からして、本来はあり得ない姿な訳で、
中国も太子党の2世たちに対する批判があるなかでは、
そんな危ないことはしないだろうと思うけど、
歴史って、予想したようにはいかないんだよなあ、ということで、
そろそろ寝ようかと思っている。