下宿人№6は、Y田1にいた優等生、Oさんである。顔と声、目指していた大学、など覚えている事が多いのに、名前がどうしても思い出せない
。顔は色白でやや丸顔、身長が高くスラッとしていた。さらには、美人。目がきれいな人だった。奈良女子狙いで、相当勉強していたと思う。同じ高校出身の竹下景子さん似のgeっちゃんとは、仲良くもあり、良きライバルでもあったようだ。

Oさんは、何に対してもきちんとしてる人、、そんな印象がある。今日は、そのOさんの、下宿食堂での様子などを書いてみたい。彼女は、Y田バンバが作る朝晩の食事をほとんど毎日ちゃんと食べていた。→当然Y田バンバからは、ものすごく気に入られていた。下宿ではほとんど朝ごはんを食べない私が珍しく朝ごはんを食べに食堂に行くと、Oさんは必ずと言っていいほどいて、シャンと背筋を伸ばし正座してご飯を食べているのだった。そして、私の姿を見て「あら、○原女史、おはよう。今日は朝ごはんを食べるのね。わたし、今朝もいっぱいいただいちゃったわ。だって、おばさんの作るおかずは本当にどれを食べてもすばらしく美味しいんですもん」台所にいるY田バンバの耳に、そのセリフが入らないわけはなく、シャカシャカとすぐに出てくるのだった。「Oさん、そうですかー。私のおかず、美味しいですかー!。それは良かった!!ワタシは、皆さんの事を考えて、味だけでなく、栄養のバランスもすごく考えて作っているんですよ。そうですかー、美味しいですか〜。」ああ、、こんな時、自分も何かこう、気の利いたセリフでも言えればいいのだが、残念なことに、そのようなセリフがなかなか出てこない(_ _;)。そうそう、Oさんと並んで、Y田バンバの料理を褒めていたのは、Sヅちゃん。「おばさん、このお魚、本当に美味しいですー。Sヅ、また食べすぎちゃいます、、。」と、可愛らしい口調で言うのだ。いやー、Oさんに負けずと劣らず褒め上手だ。面白かったのは、二人の食事時間が被った時だ。二人して、とにかく料理を褒めるのだ。片方が「おばさーん、この卵焼きー🥚、ふんわりしてすごく美味しいです!わたし、たくさん頂いちゃいますよー!」と叫ぶ。すると今度は「おばさん、どうしたらこんなに煮物を美味しく作る事ができるんですかー。本当に美味しすぎますうー」「煮物もですけど、お味噌汁も、すっごく美味しい!」、、Y田下宿食堂名物「お食事褒め褒め合戦」だ。この褒め褒め合戦に不参加の他の下宿人は、その合戦の模様を見聞きしながら、黙々と食べるのである。もちろん、他の人も褒める時はありますよ、私だって。「このナス🍆の漬物うまいな。」とか。そんな時、Oさんが台所に向かい、すかさず大きな声でこう言うのだ。「おばさーん、○原女史が、おばさんの作った漬物をすごく美味しいって言ってますよー。わたしももちろん、すっごく美味しいですー」「おい!わたしは、すごく美味しいとは言ってないぞ!ただ、うまい、と言っただけやん、まあ、どうでもいいけど、、。」心でブツブツと呟く。そんな感じなので、Y田バンバにえらく気に入られていたOさんは、時々夜食なんかも作ってもらっていたそうだ。夜食、、。そう、Oさんは毎晩本当に夜遅くまで勉強していたようだ。それはOさんと同じY田1に住むgeっちゃんの証言からもわかる。「Oちゃんは本当にすごい!昨日も遅くまで勉強してたみたい。毎日徹夜かってくらい。体大丈夫かしら、、」確かになあ、、わたしが遊び終えて夜中過ぎにこっそり帰って来る時も、Oさんの部屋の明かりは、煌々とついていたもんな。すごいなあ、、。来年、あの難関大学合格間違いなしだ✊!わたしは、寝る間を惜しんで勉強する、などと言う事は全くしたことがないので、本当に感心したものだ。
