宇宙の果てまで離れていても、つながっている(ジョージ・マッサー/インターシフト)
アインシュタインが、量子力学の胡散くささを示すために提示した量子もつれ(EPRパラドックス)は、今や、教室で再現できるレベルの実験で実証されている。つまり、宇宙の果てまで離れている2つの粒子が干渉しあうのならば、距離=空間は、本質的な物理的存在とはいえないのではないか。
という例をはじめ、物理学の最前線では、物質が存在する前提となる空間の安定性が、もはや信じられていない。その例として著者は、ループ量子重力理論や超弦理論における空間の理解、ホログラフィー理論、Ads/CFT対応などを列挙してみせる。
本書の主張は、空間はこの世界の根源に存在するのではない、という点につきる。多くの物理学者が、超高エネルギー状態からの相転移の結果、「もの」のネットワークとして空間が立ち現れる、と考えているらしい。
それでは宇宙の根源は何か。「もの」でも「時空」でもなく、「数学」である、という考えが、徐々に強まっているような気がする。
アインシュタインが、量子力学の胡散くささを示すために提示した量子もつれ(EPRパラドックス)は、今や、教室で再現できるレベルの実験で実証されている。つまり、宇宙の果てまで離れている2つの粒子が干渉しあうのならば、距離=空間は、本質的な物理的存在とはいえないのではないか。
という例をはじめ、物理学の最前線では、物質が存在する前提となる空間の安定性が、もはや信じられていない。その例として著者は、ループ量子重力理論や超弦理論における空間の理解、ホログラフィー理論、Ads/CFT対応などを列挙してみせる。
本書の主張は、空間はこの世界の根源に存在するのではない、という点につきる。多くの物理学者が、超高エネルギー状態からの相転移の結果、「もの」のネットワークとして空間が立ち現れる、と考えているらしい。
それでは宇宙の根源は何か。「もの」でも「時空」でもなく、「数学」である、という考えが、徐々に強まっているような気がする。