サルスベリが咲き出すと、本格的な夏が始まったと感じます。
客殿前のサルスベリ。
植木屋さんに枝を詰めてもらったので、例年より控えめの咲き具合です。
枝の先に花が幾つも咲いていて、遠目には大きな花が咲いているように見えます。
よく見ると、縮れた花が咲いていますね。
サルスベリは漢字で「百日紅」と書きます。
百日咲くか分かりませんが、結構長いこと紅色の花を付けているので、このように表されるようになったそうです。
サルスベリの漢字表記は、もう一つあります。
「猿滑」です。
以前にも紹介しましたが、幹の表面が猿も滑って登れないほどツルツルしていることから名付けられたそうです。
ただ、写真でお分かりのように、とっても上りやすそうな形状をした木です。
私も未だに、登りたい衝動と日々戦っています。
梅雨の晴れ間と思っていたら、あっという間の梅雨明けにビックリ。
すっかり夏の空になってしまいました。
体の準備が追いついていない方も多いと思いますが、水分補給など熱中症対策を心がけください。
さて、境内を歩いていると風に乗って甘い香りがしてきました。
香りを辿ると、手水場の左側、白い花を咲かせた低い樹木からでした。
こちらはクチナシ(梔子)です。
八重咲き種のクチナシになります。
クチナシは、沈丁花と金木犀と合わせて三大香木の一つとされ、甘い香りが特徴的です。
クチナシという名前は、実が熟しても割れないことから「口無し」という和名が付いたとも言われています。
乾燥させた実は、栗きんとんやたくあんなどに使われる、黄色の着色料になり、また漢方薬にもなります。
ただ、八重咲き種のクチナシには実が付かないんですけどね。
でも良い香りです。
雨で肌寒い日が続いていましたが、また夏のような陽気に変わりましたね。
境内の紫陽花がちょうど見頃を迎えています。
こちらは額紫陽花(ガクアジサイ)。
周りの大きな花は、雄しべも雌しべのない装飾花です。
本当の花は、装飾花に囲まれるように咲いている青い小さな粒々した部分。
花が小さいために、大きな装飾花で虫を誘い出して、受粉をさせるそうです。
写真の中央に、ちょうど誘い出された虫がいます。
額紫陽花の葉っぱには、白い模様が入っています。
これを「ふ(斑)」というのだと、息子に教わりました。
同じように斑入りの葉を持つ半夏生(ハンゲショウ)。
暦の上での半夏生(7月2日)も、もう間もなくです。
馬酔木(あせび)の花が見ごろを迎えました。
鈴蘭のような花がたくさん連なって咲いています。
今はピンクの馬酔木が満開ですが、白の馬酔木も咲き出しました。
ハクモクレンや木瓜(ぼけ)の花も咲き出して、本格的な春の訪れを感じています。
29日に神奈川組の仏教壮年会の研修会が最乗寺でありました。
境内の紅葉がちょうど見頃を迎えていたことに、来られた方々の声で気づきました。
客殿の窓から見た裏庭。
部屋の電気を消して窓を開けたら、まるで額縁の中の絵画のよう…。
息を飲む美しさでした。