この年末年始のネット・オークションに、ここで紹介したことがある本が3冊出品され、その動向に注目していました。
1冊は和田誠さんが私家版絵本として出版した7冊のうちの5冊。
その中には星新一『花とひみつ』、谷川俊太郎『しりとり』が含まれていました。
単品での出品で、『花とひみつ』は終了直前に高値更新が繰り返されて、最終的には151,000円で、『しりとり』も46,010円で落札されました。
この私家版絵本は『和田誠 私家版絵本ボックス』として7冊セットが復刊ドットコムから完全復刻されていて、現在でも入手可能(分売は不可)なのですが、やはりオリジナルが人気なのです。
そしてもう1点、坂本一敏さんに頼まれて、私が作成した限定17部の私家版家集『雨亭家集』も開始価格1,000円で出品され、こちらの落札価格は驚きの5,060円でした。歌人としては素人同然、製本したのも素人なのに高値が付いた訳は?
出品されたものは坂本さんの手元に残してあった著者本で、手書きの正誤表が入っているものでした。
しかし、これが高くなる理由というのは考えにくいのです。
17部作製したうちの他の16冊とは違っている点がありました。それは、この著者本には人間国宝の芹澤銈介氏作の二葉の書票(蔵書票)が貼ってあったのです。
それが、落札価格が高くなった理由と思われます。
本から書票をはがしてしまえば、書票としての価値があると判断されたからなのでしょう。
だとすると、ちょっとガッカリです(-_-;)
表紙裏に貼られた一葉。
奥付の上部余白部分に貼られた一葉。