最終回文庫 ◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されない不具合があります。ご容赦ください。

私の絵本コレクション ウォルター・クレイン 『THE SLEEPING BEAUTY & BLUE BEARD』

2017年12月16日 | 絵本





"THE SLEEPING BEAUTY & BLUE BEARD"
『眠り姫」と『青ひげ』の2話が収められています。
絵本と言っても大きさは文庫本ほどで、かなり痛んでいて、背は半分ほど失われています。ページ中にも消してはありますが、鉛筆書きの文字が入っていて、見返しには稚拙な色が塗ってあります。

発行年は「MCMXⅣ」とあるので1914年ということになります。

 表紙。脇に定規を置きました。



 THE SLEEPING BEAUTY のタイトルページ。



 見開きの絵は、各話にひとつずつ入っています。




 BLUE BEARD のタイトルページ。



 見開きの絵。



カラー印刷は片面だけで、折りの関係から途中に白紙のページがあります。

表紙と見返しは単調な線描が主で、クレインの絵とはかなり調子が違う気がします。




私の絵本コレクション ペール・カストール どうぶつシリーズ

2017年12月14日 | 絵本





カストールのどうぶつシリーズは、すべてリダが文を書きロジャンコフスキーが描いています。

オリジナル版で持っているのは、"Coucou"(カッコウ)1冊だけ。1939年の発行です。

 表紙。



 標題紙。




 本文から。



 他の鳥に托卵する様子が描かれています。



生態を正しく描いた内容は、現在も評価が高いです。
古書展でシリーズを見つけ、見たことがなかったこの1冊を買い求めたのだったと思います。全部買っておけば良かった……。


このシリーズ、最初の邦訳は福音館書店から世界傑作絵本シリーズとして、『りすのパナシ』『かわせみのマルタン』『くまのブウル』『かものプルッフ』『のうさぎのフルー』が出版され、しばらくの品切れ後に、世界傑作童話シリーズとして『りすのパナシ』『のうさぎのフルー』『かわせみのマルタン』の3冊だけが再出版されましたが、現在は絶版になっています。

 手元にあるのは、そのうちの1冊『のうさぎのフルー』。
 表紙




 標題紙。



 本文。(訳文部分を修正しています)








現在は童話館出版からシリーズで発行(『かっこう』は含まれていません)されていて、入手可能です。




私の絵本コレクション ウォルター・クレイン 『THE BABY'S BOUQUET』

2017年12月06日 | 絵本




ウォルター・クレインの"THE BABY'S BOUQUET"
初版は1879年。所蔵本の版元は LONDON&NEW YORK GEORGE ROUTLEDGE AND SONS と標題紙に手書き文字で表示されています。後版は FREDERICK WARNE から出版されていて、標題紙の版元表示が活字で印刷されたものになっているものもあるので、初版もしくは初版に近い版ではないかと思われます。


 表紙。




 標題紙と対向するページの絵柄。
(見開き左側に挿絵、右に標題紙があります)







 THE NORTH WIND & THE ROBINの挿絵(32-33p)
(見開き左側に楽譜、右に挿絵があります)

 


所蔵本は背に痛みがあるのと、うしろの見返し遊び紙が失われています。

3部作の残りのひとつ "BOY'S OWN AESOP" も、どこかに……。

いや、オリジナル版をあきらめて、ほるぷの復刻版だったかもしれません"(-""-)"



(*** 以下の緑字部分 12/8追記)

  ***   ***   ***   ***   ***

記憶はいい加減なもので、傷みが激しい "BOY'S OWN AESOP" があったはずだと探しても、出てきたのは、ほるぷ出版がオズボーン・コレクションの1冊として出した復刻版でした。











いや、どこかにあると信じたい……。










私の絵本コレクション ウォルター・クレイン 『BABY'S OPERA』

2017年12月06日 | 絵本





ウォルター・クレインの「幼子」3部作は "BABY'S OPERA"(初版1877年)、"THE BABY7S BOUQUET"(初版1878年)と"BABY'S OWN AESOP"(初版1877年)です。
所蔵本は傷んでいて、いかにも古そうですが、版元が FREDERIC WARNE となっているので、後年の後版です。
(初版の版元は GEORGE ROUTLEDGE & SONS)


 表紙。



 裏表紙。




 本文。見開き右ページに絵、左ページに楽譜が載っています。






 本文。見開き右ページに絵、左ページに楽譜が載っています。








私の絵本コレクション "ANIMAL CHILDREN"

2017年12月05日 | 絵本




"ANIMAL CHILDREN"
前記事で紹介した"BIRD CHILDREN"(1912年)と同じイラストレーターのM.T.Ross(1881-1937年)による1冊。この本も、所蔵本にはジャケットがありません。
著者は Edith Brown Kirkwood、版元は"BIRD CHILDREN"と同じ New YorkのTHE WISE-PARSLOW COMPANY。

 表紙。



 標題紙。



 標題紙の裏に出版年がローマ数字で表示されています。

赤の下線を入れた「MCMXⅢ」 ― さて、これは何年でしょうか?

最初の「M」が1000、次の「CM」が900、「X」は10ですから、1913年ということになります。


 本文から。














所蔵してはいませんが、1910年に1冊目の"FLOWER CHILDREN"という本が出版されています。著者は"BIRD CHILDREN"と同じ Elizabeth Gordon(1866-1922年)、版元はシカゴのP.F.Vollandです。版元を変えて、2冊目、3冊目が出版されましたが、その理由はわかりません。








私の絵本コレクション "BIRD CHILDREN"

2017年12月05日 | 絵本




"BIRD CHILDREN" Elizabeth Gordon 絵/ M.T.Ross

 表紙。(ジャケット欠)


1910年に出版された“FLOWER CHILDREN”につづく第2作目のようです。
版元はNew YorkのTHE WISE-PARSLOW COMPANY 
初版は1912年で、本書は1939年に出版された改訂版です。

 標題紙。




 本文。オールカラーで、ページごとに84の詩と鳥の絵が並びます。
 その一部。日本ではなじみのない鳥が多いです。

















 


私の絵本コレクション モンヴェル 『ジャンヌ・ダルク』

2017年12月04日 | 絵本



邦訳本を加え、部分訂正したので、掲載し直します。
"JEANNE D’ARC"

「“もっとも美しい絵本”を選ぶとき『ジャンヌ・ダルク』を忘れるわけにはいかない。およそ考えられるかぎりの良いものだけでできている子どもへの贈り物、それがモンヴェルの絵本である」(堀内誠一編『絵本の世界 110人のイラストレーター』1984年 福音館書店刊)と言われるように、モンヴェル の"JEANNE D’ARC" は亜鉛版写真製版で刷られた(鹿島茂著『フランス絵本の世界』(2017年 青幻社)の記述による)、とても美しい本です。テキストはフランス語です。

本来なら高価で手が出せるような代物ではないのですが、手元にあるのは刊記不明(初版は1896年)の1冊で、両見返し紙が無く、表紙と本体が完全に離れてしまっています。自分で直せばいいやと、壊れているのを承知で入手したものです。表紙のクロスの色がウェブ上で見られる初版本とは違うので、初版ではないことだけは分かります。

 クロスに箔押ししてある表紙。





 標題紙。





 本文中の挿絵から。
 版型がA4判より一回り大きく、家のスキャナーには収まりきれず、
 撮影したためのゆがみが出ています。
 







 以下の2枚はスキャナー画像なので、
 パステル調の色合いが再現できていません。









邦訳本も紹介しておきます。
矢川澄子訳 ほるぷ出版 1978年。

 表紙。紺のクロス装。

 
 挿絵。上で紹介したのと同じ場面もあります。






この場面は、画面からはみ出した馬の顔に迫力があるのですが、無残にもカットされています。

現代の印刷技法の4色分解ですから、色の再現は仕方が無いことですが、版ズレがある台があるのが残念。








 







私の絵本コレクション モンヴェル 『NOS ENFANTS』『FILLES ET GARCONS』

2017年12月03日 | 絵本






モンヴェルの絵本がまだ2冊あったので、つづけます。

アナトール・フランスのエッセイに、
モンヴェルが挿絵を付けた"NOS ENFANTS"は、初版は朱赤のクロス装。
後年、2冊に分けて再版され、そのタイトルは『われらの子どもたち』と『少年少女』で、初版はともに1887年。
(『鹿島茂コレクション フランス絵本の世界』による) 

 その2冊を紹介します。

 "NOS ENFANTS"(『われらの子どもたち』)表紙。


 本文挿絵。








所蔵本の表見返しに、1923年のクリスマスプレゼント書き込みがあるので、その前後の出版だと思われます。



 『少年少女』表紙。



 標題紙。



 本文挿絵。











モンヴェルの絵本はもう無いと思うので、別の作家を取り上げるか、趣向を変えるか考え中です。


表紙画像はスキャンデータ、その他は撮影ですので、ゆがみがあります。







私の絵本コレクション モンヴェル 『Vieilles chansons et rondes pour les petits enfants 』

2017年12月03日 | 絵本




モンヴェルの絵本がまだつづきます。
"VIEILLS CHANSONS ET RONDES POUR LES PETITS ENFANTS"
『幼い子どもたちのための古い曲とロンド』。初版は1883年。
所蔵本は1927年の発行です。


 表紙。




 最初のページ。



 標題紙。 



 本文。



 波千鳥を想起させるページ。










展覧会のご案内 「鹿島茂コレクション フランス絵本の世界」展 ~会期終了~

2017年12月02日 | 展覧会





群馬県立館林美術館で開催(~12/24まで)。~終了しました~


2018年3月21日~6月21日まで目黒の庭園美術館で開催中です。~終了しました~


これはぜひ見に行かなくては……けど、群馬は遠いなぁ……と思っていたら、
2018年3月21日~6月21日まで目黒の庭園美術館に巡回してきます。ラッキー(^^♪

最近、持っているモンヴェルの絵本の紹介をし始めたことと、この展覧会は関係が無いのですが、所蔵本を調べていたら、この展覧会があることを知ったという次第です。

図録を兼ねた書籍『鹿島茂コレクション フランス絵本の世界』は青幻社から発売中です。
A4ソフトカバー判220ページ。定価:本体3200円+税。








私の絵本コレクション モンヴェル 『CHANSONS DE FRANCE pour les petits Francais』

2017年12月02日 | 絵本





モンヴェルの絵本がまだあるので、つづけて紹介します。
スキャン画像では淡い色合いが飛んでしまうので、写真画像でご覧ください。

"CHANSON DE FRANCE pour les petits Francais"(『幼いフランスの子どもたちのためのフランスの歌』)(初版は1883年)


 表紙(クロス装)。




 最初のページ。




 標題紙。




 本文。






 中の挿絵はモンヴェルらしいのですが、表見返し裏と
 最後のページのカットは、実に日本的な感じがします。



 最後のカット(実際は小さいものです)




この所蔵本にも見返し紙が無く、表紙と本体が分離しています。

ちゃんと見られる(読めるではなく)ように、修理(修復は無理なので)しておこうかなぁ……。





私の絵本コレクション モンヴェル 『LA CIVILITE 』

2017年12月01日 | 絵本





モンヴェルの絵本をつづけて紹介します。

"LA CIVILITE" というタイトルの子どもたちの正しい礼儀作法の本。この本の初版は1887年。
所蔵本には1912年のクリスマスにプレゼントした書き込みがあるので、その前後の出版だと思われます。


 表紙。



 標題紙。



 本文の中から。






パステル調の絵をスキャナで読み取らせるのは無理があるようです。