押井守さん
石井さんはすぐに、駅の柱のところでじべたにすわりこんでいる私を発見、ピックアップしてくれました。「さかもとさん、あやしすぎます。座ったらだめですよ」
笑いながらエスコートしてくださる石井氏はとってもいい感じ。氏の説明によると。国分寺の駅のあちこちに押井先生の会社プロダクションI.Gはあり、今では約300人が働いているとのこと、すごい!!国分寺の一大産業ですね。
考えれば駅みっつ向こうの東小金井には宮崎駿さんのジブリがあるし、国分寺にはたつのこプロもあるらしい。中央線てアニメーション産業沿線なのかも!!なんだか国分寺が急に好きになってしまうわたくし。
国分寺駅からほどちかい白い大きなマンションに先生の事務所ははいっているのだけどーーー。いやいや、これは自社ビル?だって入り口に大きなフィギュアとかあってまるで押井ワールドなんですけど。
聞けば「最初は賃貸マンションの一室から始めたけど、どんどん隣とか上下階とか借り増しして改造とかしいていったら、普通の人が住めないマンションになっちゃったんで、大家さんが「ビルごと買ってくださいよ」って話になって、だからここはまあ自社ビルなんですかね」って、すごーい!!
そして中をいろいろ案内してもらいましたよ!!
なかではほとんどアートな背景を一枚ずつ丹念に仕上げるひと、たとえばわんこが走る数秒を徹底的にしあげているひと、3DのCGを絵になじませている人など、それぞれが独自の技術を競ってらして、そしてほんの数秒のシーンのために、いくつもの丁寧な設計図としてのキャラクター表、設定表が制作されていて。もう感動の嵐なの。キャラクターなんかは、たった一つの「これだ!」という最後の線をひくために、何枚もトレスして一本の線を選んでいくわけよ。私も、もう絶対甘い線は引くもんかと思った。やっぱりオリティの高い創作する現場には、見えない努力がものすごく高くつみあげられています。
その後ついに先生の机に接近!!。先生はかわいいわんこや猫ちゃんの写真がずらーっとはりつけられた机で、他のアニメーターのみなさんと並んで作業されています。私がお尋ねした時は写真集をみてなごんでおいででした。そしてその後わざわざ別室に案内してくださり、きっと社外秘野貴重な資料をみせてくださりながら、いろいろお話してくださるの!!
「先生。私やっとやる気がでてきました。最近すこし中だるみで。いっぱい書籍の仕事きているのにできなかったんですけど、頑張ります!!ただ、昔と違って。ただ漫画だけ描いてられないんですよ。最近は音楽にはまっているんですけど」
と、いったら先生はいってくれたの。「僕もそうなの、アニメーションを続けるためにこそ、他の趣味というか、打ち込むものって必要だね。そうでないとつづけられないよ。僕自身攻殻機動隊が終わったとき、一回やめたくなってね。結局アニメーションを土台にいろいろ書き続けたり撮り続けるという結論なんだけど、でも続けるテンションを保つためにも、何か別のことをやりながらのほうがいいみたいね。アニメだけで30年はねこれはできないよね」聞けば先生は空手をやっていらして、やる以上は本気でないと面白くない!!と黒帯を目指しているんですって!!格好いい!!
先生はそのほかにもスタッフの教育だの色んな子の事をはなしてくださったのだけど、なんていうか、職人気質で不器用な若者をどう生かしてのばしていくか、すごく深い愛と洞察で考えておいでというかんじでした。そうですよね。人間て生き物だから、愛がないと絶対ついていけないですよ。アニメて大変な仕事なのにこんなに大規模にできたのは、才能ももちろんだけど、このやさしさありきだつたんだろうな。その後食事の間にも先生つてば大切にされている猫ちゃんの介護のお話してくださって、すごく面倒見のいいかたなんだなと感動。印象に残ったのは「天才でなくていいんだ」ってお言葉。「天才は最初からできちゃうから見ていて面白くないんだよね。でも、凡人はいろいろがんばるじやない。その試行錯誤の中で時に天才をこえるものって出てくるんだよね。それがさ、面白いのよ」僕は天才じゃないから、という押井先生。いえ誰がみても押井守は天才だとおもいますが(汗)。でも凡人の努力も認めてくださるのですね!!そうやって努力なさりつづけるからこそ、天才なんだろうなあ。でも凡人でも努力すればいいって、何かすごく勇気づけられる。先生はその後おいしいイタリア料理のお店に連れて行ってくださいました。先生って強烈にきさくです!!
そんな先生の実写がまた公開されますよ!!「真・女立食師列伝」がそれです。かつてのウルトラセブンのアンヌ隊員を演じたひし美ゆり子さん、水野美紀さん、小倉優子さん。佐伯日名子さんらを主役に吸えたオムニバス形式のようですが、演じる役が「鼈甲飴の有里」「氷苺の久美」「ケンタッキーの日菜子」と、いちいちあやしい。すんごくみたくないですか??私はいくよ!!
先生ご自身が「これはちゃんとエンタテイメントになった!」と満足していらっしゃるこの作品。渋谷シネクイントで11月30日まで公開。皆さんも是非見てください!!劇場で私をみかけたら是非声かけてくださいねーー。