歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

キッチンのためのベランダの庭

2009年12月22日 | 造園 -creation-
先日、
「ベランダガーデン」を作りました。

野口造園としては、初めての ベランダガーデンです。

(設立したばかりな上、色々なことをやる造園屋なので、
 毎回・毎仕事、“初モノ”な感じです;)


もう早速、写真でお見せしちゃいますと、

こんな感じです。

 ↓ ↓ ↓




こんな感じ、でした。





ビフォーが こちら。
       ↓




アフターが こちら。
       ↓



デッキとか、手すりのルーバー桟は、別の方。

今回は、植栽だけ、担当させてもらいました。



東京は多摩の、某マンション。

“マンション” と言っても、
そんじょそこらの ふつうのマンションではありませんでした。

「コーポラティヴ・ハウス」というもの。

住民が 設計段階から運営・管理まで、全面的に関わって作っているんですって。

なによりも びっくりしたのは、
ベランダが、
「向こう三軒・ひと続き」ってこと。



ベランダが完全に解放状態で、
お隣同士、つながっているんです。


雰囲気は、
昔ながらの、長屋のような、、、なのかな。


(庭が今後、繋がって伸びていくといいな~~*と願いつつ:)




今回担当させて頂いたのは、
すこぶる見晴らしの良い、5階の角部屋。

東と南が、すこーーんと抜けています。

上の写真は すべて南。


東は:


ダイニングテーブルの、すぐ傍ら。

一面パノラマの窓の向こうに見えるのは、
ぐるっと 小高い丘の森に囲まれた
盆地状の街。

ずーーっと広がる、屋根、屋根の波。


一方の南は:
松林を背景にしています。





今回のご要望は、
「キッチンで使えるものを」
というのが、第一条件でした。

ということで、ダイニングに近い 東のベランダには
キッチンに使えるハーブ類。
パセリとか、ニラ(チャイブ)とか。

あと、住民の方がご自身で トマトとか野菜とか育てたい! と やる気満々なので、
そんなにガッチリ 作り込まずに。





南は
ダイニングに座ったときに 自然と眺めることになる庭になります。
だから、花が欲しい。


「イングリッシュガーデンみたいな、
 小さな花がいっぱいついてて、さわさわ揺れている感じ」

という希望のイメージに沿って、

比較的大きめになり、さわさわーと茂るハーブ類を主体に、
花モノを足しました。

イングリッシュガーデンっぽい、さわさわ感のある
エリカとか。
(ピンクの「あわゆきエリカ」ってのと 白い「ジャノメエリカ」ってのを使いました。)
一番最初の写真の、一番右のやつです。


などなど。



あと、オリーブの木。


* 

また
「ここは風も強いし、零度以下になる」と、
土の凍結(と、植物のダメージ)を心配されていたので、

目の前の松林で ばーーーっと松の葉を採集して、



「敷松葉」をしてみました。


「敷松葉(しきまつば)」って、
茶庭の露地とかでやる冬の作法で、
コケの上に松葉を敷いて、霜による剥離防止のためにやったりするんですけど、

、、どうなんでしょう、、ここの場合、、効果のほどは、、。

しかも、ちゃんとしたマナー(上手な敷き込み方)とかも、絶対ありそう。
「あらあら、この人は、、」って、笑われるかな。。。


ただの気休めかな。。
とも思うけど、

ま、
見た感じも、なんとなくあったかそうだし、
悪くはないですよね。

松葉には殺菌効果もあるとのことなので、
悪い事にはなるまい!うむ!




とにかく、
自分にとっても、お施主さんにとっても、初めて尽くしの
ベランダガーデン。

出来たばかりのこの建物の、このベランダの特性も、まだ、
わからないことだらけ。


そもそも、今回まだ揃えられなかった花とかも、あるんです。
そもそも、未完成。


だから
「これから一緒に、様子を見ながら、やっていきましょう。」

ということで、

ひとまずは、終わり。

そして、

始まり。


* * * *


庭は、「生き物」です。


環境や気候の変動に 左右されながら、
刻一刻と、絶えず変化し続けるもの。


施工の完了=出来上がりが、すなわち「ゼロ地点」。
スタート地点。
なのです。


作ったら 最後。(最後、というか、最初?)

「手入れ」という、
長いお付き合いが 始まります。


これからどんどん成長して行くことになる、
庭の、誕生。

誕生の瞬間は、やっぱり感無量。
未完成な感じが、またご愛嬌。


終わりが 始まり。

始まり、始まり。




ぶっちゃけ、
色々と悩む事も さまよう気持ちもあり、
正直、不安もいっぱいでした。


だけど、
一つ目のプランターが出来たとき、

出来るやいなや、

「可愛い!」
と、お施主さんが、仰って下さったんです。


「可愛い!」
は、
野口造園的には、最高の褒め言葉。

その瞬間が、なにより、
嬉しかった。



毎度・毎度、
失敗も多々、してまして、
しっかり怒られたりしてまして、
しっかり、学ばせて頂けております。
これは、とっても有り難い。
今の未熟な時期に、真っ向からちゃんと注意してもらえるのは、ほんとに有り難い。
ラッキーだと思います。恐縮です。


なんですが、

自称:「褒めて伸びる子」 ですので、
そこんとこもふまえつつ、

どうぞ、
宜敷くお願いします(~m~;






大晦日まで、手の指で数えられるくらい。
ラストスパート入りましたね。


まずは クリスマスまで



まっしぐら。





最近 滞ってて、すみませんでした;

ラストスパート!
ブログ、頑張って書きます!終わりよければ全て良し、とするべく。
めざせ、「怒濤の勢い」!!



お忙しい師走ですけれど、寸暇をうかがって、
チラッチラ、のぞいてみて下さいな*





Anemone coronaria


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