ある雨上がりの朝に。

早朝散歩に 飛び出した。
きっと だいぶ散らしただろう。
雨が上がったばかりの、朝に。

晴れた朝に。
*
めざましい花色に
葉に

おおつぶの水玉が、まだ きらきら
生き残っている。
朝露のつぶには

光も影も。
色も透明も。
そして
またひとしお

花が
散りました。
*
*
花散らしの雨でした。

ほんのささいな風でさえ、ふっと散るのだから。
雨のあと。

それぞれに
漂着した花びらたち


こんにちは。

さようなら。
*
*
桜の海を歩く。

名残惜しく。
踏みしめて 歩く。

見納め。見納め。

雨が降るたびに
「ああ、また散ってしまう!」
と
慌てて外に駆け出している。、、ような気がします。
雨のたびに早まる“終わり”を 怖れて。

どう足掻いたって
あと一年先までは、見納めなので。
じーーっと、目を見開いて、
しっかり見納め。

いまは確かに ここにある者を。
*

水に溶けて 透明になって
そのうち忘れてしまうけれど。
一年経ったら また 憶い出す。
*
*
ずっと
歩いてみたかった。

「野川」の 菜の花いっぱいの道。
とうとう降り立った。
ぐんぐん歩く。
朝露に 靴を濡らしながら。

*

*

バシャッ!と ひとしぶき。

でかい鯉だ。
8割方出てます。

彼のからだから
川の流れが生まれているみたい。
*
気づけば 生き物がいっぱい
飛び跳ねたり
ぐいぐい泳ぎ回ったり
なんか、
動き回ってる。
カモとかも。

花とカモ。

カモとカモ。
ふたりはどういう関係かな。
きっと可愛らしい関係だ。

白サギは ひとり。
いつもひとりで ぽつんと白く
凛として、光っている。
*
ひとりこっそり

隠れていた者。
逃げも隠れもしないで

光を浴びている者。
ちいさなものが
いっぱい、動き出してる。

休んだり、飛び跳ねたりしながら
じわじわ ふくらみながら
自分のペースで、動き出してる。
*
*
町じゅうに ほんわか
いろいろな花の色が ぜいたくに滲んで、溢れている。
春の日々が
否応無く
過ぎ去って行きます。

だんだんと 記憶が薄らぐように。
淡々と 色褪せるように
薄らぐように。

後に曵く影に まだ惹かれていたい気持ちも
呑み込みながら
じわじわと
薄らぐように
消えてゆきます。

*
そして
次の新しい季節が 近づいています。

つつじが咲いたね。
なんとなく、憶い出して来た。
じわじわと。

あの、カッ!と、強い感じ。

あの ぐわっと、狂った感じ。

おしよせている、初夏の力。

また色々と、憶い出して来た。
なんだか、
うずうずしてきます。
*
*
桜は だいぶ散りました。
今日も雨。
また ひとしおに、散るでしょう。
名残り桜に 心残りが無いこともない、けれど。

じきに、忘れて行きます。
初夏に浮かれて、
しっちゃかめっちゃかにサバイバルしているうちに、
忘れていく。
確かに今 目に映っている色とか。
こんな淡い色たちが
ほのかに にじむように 町に満ちている
こんな日の、
温度や
湿度や
ころころ行ったり来たりする、変な天気や
ひやりとした風や、
こんな雨のこと。
でも、

一年後、
また ちゃんと憶い出すので。
あーすっかり一年くらい、忘れてたよこの感じ。
なんて、
手の平返して、憶い出すので。
サクラさよなら。
また一年後。

*

早朝散歩に 飛び出した。
きっと だいぶ散らしただろう。
雨が上がったばかりの、朝に。

晴れた朝に。
*
めざましい花色に
葉に

おおつぶの水玉が、まだ きらきら
生き残っている。
朝露のつぶには

光も影も。
色も透明も。
そして
またひとしお

花が
散りました。
*
*
花散らしの雨でした。

ほんのささいな風でさえ、ふっと散るのだから。
雨のあと。

それぞれに
漂着した花びらたち


こんにちは。

さようなら。
*
*
桜の海を歩く。

名残惜しく。
踏みしめて 歩く。

見納め。見納め。

雨が降るたびに
「ああ、また散ってしまう!」
と
慌てて外に駆け出している。、、ような気がします。
雨のたびに早まる“終わり”を 怖れて。

どう足掻いたって
あと一年先までは、見納めなので。
じーーっと、目を見開いて、
しっかり見納め。

いまは確かに ここにある者を。
*

水に溶けて 透明になって
そのうち忘れてしまうけれど。
一年経ったら また 憶い出す。
*
*
ずっと
歩いてみたかった。

「野川」の 菜の花いっぱいの道。
とうとう降り立った。
ぐんぐん歩く。
朝露に 靴を濡らしながら。

*

*

バシャッ!と ひとしぶき。

でかい鯉だ。
8割方出てます。

彼のからだから
川の流れが生まれているみたい。
*
気づけば 生き物がいっぱい
飛び跳ねたり
ぐいぐい泳ぎ回ったり
なんか、
動き回ってる。
カモとかも。

花とカモ。

カモとカモ。
ふたりはどういう関係かな。
きっと可愛らしい関係だ。

白サギは ひとり。
いつもひとりで ぽつんと白く
凛として、光っている。
*
ひとりこっそり

隠れていた者。
逃げも隠れもしないで

光を浴びている者。
ちいさなものが
いっぱい、動き出してる。

休んだり、飛び跳ねたりしながら
じわじわ ふくらみながら
自分のペースで、動き出してる。
*
*
町じゅうに ほんわか
いろいろな花の色が ぜいたくに滲んで、溢れている。
春の日々が
否応無く
過ぎ去って行きます。

だんだんと 記憶が薄らぐように。
淡々と 色褪せるように
薄らぐように。

後に曵く影に まだ惹かれていたい気持ちも
呑み込みながら
じわじわと
薄らぐように
消えてゆきます。

*
そして
次の新しい季節が 近づいています。

つつじが咲いたね。
なんとなく、憶い出して来た。
じわじわと。

あの、カッ!と、強い感じ。

あの ぐわっと、狂った感じ。

おしよせている、初夏の力。

また色々と、憶い出して来た。
なんだか、
うずうずしてきます。
*
*
桜は だいぶ散りました。
今日も雨。
また ひとしおに、散るでしょう。
名残り桜に 心残りが無いこともない、けれど。

じきに、忘れて行きます。
初夏に浮かれて、
しっちゃかめっちゃかにサバイバルしているうちに、
忘れていく。
確かに今 目に映っている色とか。
こんな淡い色たちが
ほのかに にじむように 町に満ちている
こんな日の、
温度や
湿度や
ころころ行ったり来たりする、変な天気や
ひやりとした風や、
こんな雨のこと。
でも、

一年後、
また ちゃんと憶い出すので。
あーすっかり一年くらい、忘れてたよこの感じ。
なんて、
手の平返して、憶い出すので。
サクラさよなら。
また一年後。

*