「待たせたな。」
中途半端なまま、すっかりご無沙汰してしまいました。
2013年夏のイギリス旅日記。リ・スタートです。やおら。
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7月25日
優雅な目覚め。
身の丈知らずなセレブホテルで(with クマ)。
朝食で、
念願の「キッパー」を頂きました。
Kipper。
これ、英国在住経験のあるお客様から、「ぜひお試しを!」とおすすめされてた料理。
しかし、今まで泊まってきた所のメニューには見かけず仕舞いでした。
満を持して、ついに登場。
要するに、魚(主にニシン)の開きの塩漬け燻製の焼いたもの、だそうです。
あついバターが肉厚の魚にとろけて交わって、ふっくら。美味しかったです。
骨が多いので、無心で・無言で、黙々頂きました。
はてさて、
このセレブなマナーハウス・ホテルともお別れ。
よくよく見ると、ツタがすげー。窓周りとか、入口の左半分とか、ギリギリのラインできちんと剪定してるんでしょうね。
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この日は移動日。一気に大移動します。
うろうろ延々周遊したコッツウォルズ地方をついに離れ、いざ、
北の「湖水地方」へ向かいます。
車で高速ぶっ飛ばしても、5時間くらいかかる見込み。
レッツ・ゴー!
*
と
その前に。
高速(Motorway)に乗る前に通りがかった小さな村が気になって、
あっけなくストップ。
コッツウォルズ地方のラストスポットはここに、と決め、
車を降りて、散策することにしました。
コッツウォルズ北部の、小さな村。
年季の入った風車が、現役でゴトゴトゴト...と、回っています。
村の中心を、おだやかな川が流れているのです。
ここは、Lower Slaughter(ロウアー・スローター)という村。
売り物の絵葉書みたいな美しい風景ショット。
ちなみに、すぐ隣の村は、Upper Slaughter(アッパー・スローター)。
何に惹かれたかっていうと、とにかく
この流れる水の、美しさ。
音も無く、そろそろと流れている、澄んだ川。そして、映える緑の美しさ。
川沿いに続く遊歩道を、歩いてみます。
前方にカップルだとか。
間を詰めないように、ペースを落としつつ、
どんどん村のはずれへ。。。
対岸は、ホテルの庭。フェンスとか無くて、苔むした石臼が転がってるだけ。
川は浅いので、侵入しようと思えば出来ちゃう、無防備なあけっぴろげぶり。
良いなあ。ピリピリ・トゲトゲしてなくて。
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延々続く川に沿い。
乗馬少女に、出会った〜。(懐かしのうるるん風)
微笑んでくれたので、ほっこり。
ヨーロピアンのスマイルって、子どもからすでに完璧だなー。
馬とこんな至近距離ですれ違うって、普段はあり得ない経験。
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遊歩道は川を離れて、
グランジファームって書かれたお家の私道みたいなところの、さらに奥深いところへ、続いて行くの。
入って行って、いいのかしらん・・?
って、
こんな感じの、人気の無い静謐な遊歩道(Pedestrian path)が、どの村にも巡っている、この国。
素敵。
森の空気が、いつも近い。
そんな小径は
ゲートにぶつかる。
このゲートは、開閉できて、
さあ、どうぞ。とばかりに、
どどーーーんと開けた、芝のきれいな放牧地。
ちょっと、果てしなすぎ。
遊歩道は、放牧地の端っこの柵沿いなら通って良いよ、っていう感じで、
まだまだ延々、続いて行くのです。
簡単な標識を見る限り、放牧地ゾーンとか、農地ゾーンを抜けて、次の村まで。
その次の村から、さらに隣の村へ、、、
、、エンドレス!!
さすがにそこまで行ってられないので、ここで引き返します。
残念半分。ほんとはもっと、行ってみたい。
いっそ住みたい。しばらく暮らしたい。
いつかそんな機会が持てるなら、こういう小径を延々歩いて、行けるとこまで巡ってみたい。
今はまだ縁遠い憧れが、叶わない夢みたいに、胸を翳めるばかり。
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今来た30分ばかりの道を戻って
元の村へ。
これにて、コッツウォルズ地方とも、しばしのお別れ。
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この後、高速道路(Motorway:通称M道路)に乗り込み、
百ウン十キロでぶっ飛ばして、一路、北へ。
さすがに3時間くらいで休憩した方が良いかもと思えてきたので、
M離脱。
途中で降り立ったのは、
ランカスター。Lancasterって、なんか知ってた名前だったので、なんとなく。
下りてすぐ思ったのが、
「石の色が違う!」
ということ。
もう完全に、コッツウォルズストーンのやわらかなハニーカラーではありません。
もっと厳かな、ゴシックな、砂岩ぽい感じ。幽霊でそうな感じ。
町並みの家々の雰囲気も、
明らかに違う感じが。
違う石、違う仕上げ。
ヨーロッパらしい石敷き。
「ランカスター」
と言えば
「大聖堂」
としか連想できなかったので、
ランカスター大聖堂へ。
尖ってる〜。
入口。
芝庭。
見上げ。
内陣。
旅の無事を祈る。
そうそう。アジサイの咲いている季節でした。
梅雨っぽくない、夕立は結構あるけど、さっと晴れてカラッと軽い、
涼しい、優しい夏でした。
ランカスターを後に、
再びMに乗り込んで、またしばし、延々運転。
*
さあ。
お待ちかね、
湖水地方(Lake District)入りです・・!
もう、
入るなり、
「ここ大好き!」
って想いが、爆発。
車の窓を開けたらば、
ああ!苔!
コケの香り!!
萌え〜〜!!
しっとり甘い、
静かで優しい、ふわふわの森が、待ち受けて居ました。
*
>> 続く。 >>