※前回:(春の旅1)で うどんを食べて、
チャージ完了。
いざ、「地中美術館」へ。
*
地中美術館とは、
『財団法人直島福武美術館財団により運営されるこの美術館』で、
『瀬戸内海に浮かぶ島、直島の南側に位置し、
クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの作品が
安藤忠雄設計の建物に永久設置されています。』
(※『』内:地中美術館HP:http://www.chichu.jp/j/concept/より引用。)
2004年に完成。
山の中にあります。
やっと来ました。
*
結論を先に言ってしまうと
「想像以上に良かった!」
です。
まず、
「チケットセンター」という受付的な“はなれ”から
入り口ゲートまで、そう短くない距離なんですが、
そこには
「地中の庭」という、
“モネの愛した植物を配した庭園”が、設えてあるのです。
アプローチとして。
これが、まず なにより、
素晴らしく、良かった。
正確に言うと、大変興味深かった。

むしろ、時間がある限りここに長居して、色々具(つぶさ)に観察したかったなあ。
職業病ですが。
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(ひなげし)
という気持ちもありつつ。
美術館にエンター。
エンターする直前のアプローチ植栽に、
桜餅の甘い香りが漂っていました。
オオシマザクラが一本、咲いていたから。
桜餅の葉っぱに使われる桜です。
一本だけでも、こんなに香るんだ!って、びっくりしました。
*
さて。
ここでは
建築も作品も 一切 写真撮影禁止
なのです。
音響や雰囲気などの関係上。
チケットセンターで説明を受けた後、カメラを没収されます。
なので、
写真で伝えられないのは残念。
実際に行った人だけのお楽しみということです。
HPを見るなりして、なんとなく感じをご覧下さい。
とにかく、何が良いって、
「実際行って見るしかない!」
としか、結局言いようが無いのですが、
そういう口コミ、戦略的なものもあるんでしょう。
成功していると思います。
あのスケール感は、確かに
実際 足を踏み入れて、
ゆっくり 時間を過ごして、
ダイレクトに体感してみないと、その良さはわからないと思われます。
「百聞は一見に如かず。」
いくら言葉を尽くしても、伝えきれない。
ちなみにそれは、
建築や庭については、いつもいつも、同じことが言えます。
音楽のライブだったり、芝居だったり、パフォーマンスだったり、
映画だったり
アートについても、すっかり同じことが言えます。
生で体感しないと、おそらく1%もその良さが伝わらない という、
「生」の強さ。
フィジカルな強さ。
言葉を超えた何かがある、強さ。
それがあるものは、成功している。
昨今のデジタルメディアが跋扈する文明社会では もどかしいけれど、
”生の現物に、生で触れること それ以外は無意味に等しい”
という強さは、
年月を経ても絶対的に揺るがないであろう、絶対的な強さ。
この美術館には、それがあったと思います。
こと細かく挙げると切りがないけれど、
とりわけ強烈だったのは、
白い石が敷き詰められた 青天井の空間。
これ、
あたまの中がぐるんと廻った、、というか、
平衡感覚が、「ぐらっ、」と、揺らぐ感じが、ありました。
例えるなら:
まずずんと重い”溜め”があって、鈍いめまいがして、それからぐいっ!と、
力づくでむんずと後ろに引きずり倒されて、
そしたら
抽象的な青の青い空という色が 10倍の重力並みに無音で落っこちて来た
かのような、
すごく重たーい、「ぐらっ、」です。
見ていると、ぼー・・・・っと、惚(ほう)けてくるんです。
要するに、
凄かった。
なにが凄くてそう感じるのか
なにが作用してそう感じるのか
そのトリックがよくわからないことも、凄かったのでした。
傾いたマッシヴな白い壁の迫力なのか、、、、
包まれた井戸的空間の重力感なのか、、、
ちなみにこれ、
「ウォルター・デ・マリア」の作品だと思っていたのですが、
その人は 黒い球体の作品を作った方なので、
もしかしたら、そうではないみたいで。いったい誰の作品だろう。。。
*
タレルも、
わかっちゃいたけど、
やっぱり、
良かった。
タレルの部屋、ちょっと並んで「待ち」状態になっていたので、
「えー、並んでる。ここパスしようか。」と呟いていたおばさんに
「いや、ここは絶対に見た方がいいと思います。」
と強く主張しました。
わざわざここまで来ることができたのなら、あえてスルーとか、勿体ない!
おばちゃんそこ頑張ろうよ!今更何を急ぐの!
待機の人用には ちゃんと、それ相応に、ゆっくり過ごすべくある
別の”タレル部屋”があるので。
直島に行く機会がある方は、ちょっと並んでても、(実際ちょっとの間なので、)
ぜひ全部、しっかり体感すること。強くおすすめします。
いかにもお金がかかりそうな
「地中カフェ」も
ぜひ行くべし!何も買わずとも!
「いちおう見とくか」って、行ってみて正解。
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こんな風景が、どーーん!と待ち構えています。
外の 見晴らしのよいテラス的空間があるのです。
(ここは外なのでオッケーと思って、ケータイのカメラで撮った。まずいかしら。)
いやあ、良かった。隅から隅まで。
ちなみにトイレもちゃんとチェック。
真っ黒でした。
*
ここはすべて、
自然の光でアートを見せる場所です。
作品も、もちろん、建築も。
風景も、とりこんで。
時間のうつろいとともに、その見え方ももちろん変わっていきます。
天候によっても変わるし、
季節によっても変わるはず。
できれば せめて一日中、長居して、体感してみたい。
とにかくここでは、
時間も労力も何もかも、ケチっちゃだめ!
ってことが、わかりました。
*
安藤忠雄の建築は、昨今巨大化して来てから自分的には面白くなくて、
しばらく離れて居ました。
それだもんで、久しぶりの”タダオ”だったのですが、
かなり見直しました。(上から目線)
ここも、規模的には全く小さくはないけれど、
コンセプトがシンプルで秀逸だし、
ストイックに凝縮されている。
ここでは、
安藤の建築自体も、他の3人のアーティストと同列に、一作品として掲げられています。
納得です。
久しぶりに、ガツンとやられた感のある、
強烈な建築的ショック。
ちなみに私が好きな(=衝撃を受けた)タダオ建築は、
大阪・茨木にある「光の教会」(光の教会こと茨木春日丘教会HP)
と
淡路島にある「本福寺・水御堂」です。
じわじわと、なんとなく良さが伝わって来る、、、
っていう生ぬるさも へったくれもなく
ガツン!と衝撃を受ける、
強烈な力のある作品でした。
そういえば、
このどちらも、自然光が生かされている建築なんですよね。
一見無機質なコンクリート打ちっ放しの建築と、
ストイックな幾何学と。
うーん。、、、やはり良い。
安藤忠雄という建築家が 自分にとって大きな転換点であって
多分に影響を受けているという事実。これは、
関連本をほぼ全部手放してしまって、いったん離れたとしても、
やはり、変わらないことなんですよね。
多分、何か、根本的なところで、つながっている糸がある。
これを機に、
もう一回、振り返ってみようかしら。
彼の何に、ピンと来て、劇しく突き動かされたんだったか。
*
ということで、「地中美術館」鑑賞終了。。。
重いショックで くらくらと、
頭もぼ~~っと ほうけた状態のところに、
岡山在住の友人U氏が、突然の登場!
友情出演です。
私はぼ~~っとしてたので、
「キャー!!久しぶり-!!」って感じでは全くなく、
「あー、」みたいな、かなりそっけない感じだったようです。
ぼーーっとしてたの。ごめんね。
そう、
この旅が決まった時、
「もしかして、直島でランデブーできない?」って提案したのでした。
学生時代初期からの、10年来の友人です。
そしたら、
まさかの、自転車で強行駆けつけ!片道二時間;
全くもって、お疲れ様、というか、
「え、ほんとにチャリで?」って、
いつまでもアンビリーバボーでした。
なおさらぼーぜん。
*
そんなわけで
何年ぶりだか(3年ぶり?)の呆然的再会を果たして、
ぼーっとしたまま
次の目的地:「直島銭湯「I♡湯」」へ、向かうのです。
彼のチャリを、車の頭にくくりつけ。
(・・・続く >>>)
チャージ完了。
いざ、「地中美術館」へ。
*
地中美術館とは、
『財団法人直島福武美術館財団により運営されるこの美術館』で、
『瀬戸内海に浮かぶ島、直島の南側に位置し、
クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの作品が
安藤忠雄設計の建物に永久設置されています。』
(※『』内:地中美術館HP:http://www.chichu.jp/j/concept/より引用。)
2004年に完成。
山の中にあります。
やっと来ました。
*
結論を先に言ってしまうと
「想像以上に良かった!」
です。
まず、
「チケットセンター」という受付的な“はなれ”から
入り口ゲートまで、そう短くない距離なんですが、
そこには
「地中の庭」という、
“モネの愛した植物を配した庭園”が、設えてあるのです。
アプローチとして。
これが、まず なにより、
素晴らしく、良かった。
正確に言うと、大変興味深かった。

むしろ、時間がある限りここに長居して、色々具(つぶさ)に観察したかったなあ。
職業病ですが。
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(ひなげし)
という気持ちもありつつ。
美術館にエンター。
エンターする直前のアプローチ植栽に、
桜餅の甘い香りが漂っていました。
オオシマザクラが一本、咲いていたから。
桜餅の葉っぱに使われる桜です。
一本だけでも、こんなに香るんだ!って、びっくりしました。
*
さて。
ここでは
建築も作品も 一切 写真撮影禁止
なのです。
音響や雰囲気などの関係上。
チケットセンターで説明を受けた後、カメラを没収されます。
なので、
写真で伝えられないのは残念。
実際に行った人だけのお楽しみということです。
HPを見るなりして、なんとなく感じをご覧下さい。
とにかく、何が良いって、
「実際行って見るしかない!」
としか、結局言いようが無いのですが、
そういう口コミ、戦略的なものもあるんでしょう。
成功していると思います。
あのスケール感は、確かに
実際 足を踏み入れて、
ゆっくり 時間を過ごして、
ダイレクトに体感してみないと、その良さはわからないと思われます。
「百聞は一見に如かず。」
いくら言葉を尽くしても、伝えきれない。
ちなみにそれは、
建築や庭については、いつもいつも、同じことが言えます。
音楽のライブだったり、芝居だったり、パフォーマンスだったり、
映画だったり
アートについても、すっかり同じことが言えます。
生で体感しないと、おそらく1%もその良さが伝わらない という、
「生」の強さ。
フィジカルな強さ。
言葉を超えた何かがある、強さ。
それがあるものは、成功している。
昨今のデジタルメディアが跋扈する文明社会では もどかしいけれど、
”生の現物に、生で触れること それ以外は無意味に等しい”
という強さは、
年月を経ても絶対的に揺るがないであろう、絶対的な強さ。
この美術館には、それがあったと思います。
こと細かく挙げると切りがないけれど、
とりわけ強烈だったのは、
白い石が敷き詰められた 青天井の空間。
これ、
あたまの中がぐるんと廻った、、というか、
平衡感覚が、「ぐらっ、」と、揺らぐ感じが、ありました。
例えるなら:
まずずんと重い”溜め”があって、鈍いめまいがして、それからぐいっ!と、
力づくでむんずと後ろに引きずり倒されて、
そしたら
抽象的な青の青い空という色が 10倍の重力並みに無音で落っこちて来た
かのような、
すごく重たーい、「ぐらっ、」です。
見ていると、ぼー・・・・っと、惚(ほう)けてくるんです。
要するに、
凄かった。
なにが凄くてそう感じるのか
なにが作用してそう感じるのか
そのトリックがよくわからないことも、凄かったのでした。
傾いたマッシヴな白い壁の迫力なのか、、、、
包まれた井戸的空間の重力感なのか、、、
ちなみにこれ、
「ウォルター・デ・マリア」の作品だと思っていたのですが、
その人は 黒い球体の作品を作った方なので、
もしかしたら、そうではないみたいで。いったい誰の作品だろう。。。
*
タレルも、
わかっちゃいたけど、
やっぱり、
良かった。
タレルの部屋、ちょっと並んで「待ち」状態になっていたので、
「えー、並んでる。ここパスしようか。」と呟いていたおばさんに
「いや、ここは絶対に見た方がいいと思います。」
と強く主張しました。
わざわざここまで来ることができたのなら、あえてスルーとか、勿体ない!
おばちゃんそこ頑張ろうよ!今更何を急ぐの!
待機の人用には ちゃんと、それ相応に、ゆっくり過ごすべくある
別の”タレル部屋”があるので。
直島に行く機会がある方は、ちょっと並んでても、(実際ちょっとの間なので、)
ぜひ全部、しっかり体感すること。強くおすすめします。
いかにもお金がかかりそうな
「地中カフェ」も
ぜひ行くべし!何も買わずとも!
「いちおう見とくか」って、行ってみて正解。

こんな風景が、どーーん!と待ち構えています。
外の 見晴らしのよいテラス的空間があるのです。
(ここは外なのでオッケーと思って、ケータイのカメラで撮った。まずいかしら。)
いやあ、良かった。隅から隅まで。
ちなみにトイレもちゃんとチェック。
真っ黒でした。
*
ここはすべて、
自然の光でアートを見せる場所です。
作品も、もちろん、建築も。
風景も、とりこんで。
時間のうつろいとともに、その見え方ももちろん変わっていきます。
天候によっても変わるし、
季節によっても変わるはず。
できれば せめて一日中、長居して、体感してみたい。
とにかくここでは、
時間も労力も何もかも、ケチっちゃだめ!
ってことが、わかりました。
*
安藤忠雄の建築は、昨今巨大化して来てから自分的には面白くなくて、
しばらく離れて居ました。
それだもんで、久しぶりの”タダオ”だったのですが、
かなり見直しました。(上から目線)
ここも、規模的には全く小さくはないけれど、
コンセプトがシンプルで秀逸だし、
ストイックに凝縮されている。
ここでは、
安藤の建築自体も、他の3人のアーティストと同列に、一作品として掲げられています。
納得です。
久しぶりに、ガツンとやられた感のある、
強烈な建築的ショック。
ちなみに私が好きな(=衝撃を受けた)タダオ建築は、
大阪・茨木にある「光の教会」(光の教会こと茨木春日丘教会HP)
と
淡路島にある「本福寺・水御堂」です。
じわじわと、なんとなく良さが伝わって来る、、、
っていう生ぬるさも へったくれもなく
ガツン!と衝撃を受ける、
強烈な力のある作品でした。
そういえば、
このどちらも、自然光が生かされている建築なんですよね。
一見無機質なコンクリート打ちっ放しの建築と、
ストイックな幾何学と。
うーん。、、、やはり良い。
安藤忠雄という建築家が 自分にとって大きな転換点であって
多分に影響を受けているという事実。これは、
関連本をほぼ全部手放してしまって、いったん離れたとしても、
やはり、変わらないことなんですよね。
多分、何か、根本的なところで、つながっている糸がある。
これを機に、
もう一回、振り返ってみようかしら。
彼の何に、ピンと来て、劇しく突き動かされたんだったか。
*
ということで、「地中美術館」鑑賞終了。。。
重いショックで くらくらと、
頭もぼ~~っと ほうけた状態のところに、
岡山在住の友人U氏が、突然の登場!
友情出演です。
私はぼ~~っとしてたので、
「キャー!!久しぶり-!!」って感じでは全くなく、
「あー、」みたいな、かなりそっけない感じだったようです。
ぼーーっとしてたの。ごめんね。
そう、
この旅が決まった時、
「もしかして、直島でランデブーできない?」って提案したのでした。
学生時代初期からの、10年来の友人です。
そしたら、
まさかの、自転車で強行駆けつけ!片道二時間;
全くもって、お疲れ様、というか、
「え、ほんとにチャリで?」って、
いつまでもアンビリーバボーでした。
なおさらぼーぜん。
*
そんなわけで
何年ぶりだか(3年ぶり?)の呆然的再会を果たして、
ぼーっとしたまま
次の目的地:「直島銭湯「I♡湯」」へ、向かうのです。
彼のチャリを、車の頭にくくりつけ。
(・・・続く >>>)
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