“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

民主党政権の無能と無責任な東京電力

2011年12月12日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
東京電力のノー天気、無責任さと民主党政権の無責任さは除染、第一原発の冷温停止を作り出すことのいずれについても中途半端な対応しかしていません。

除染は汚染土壌、除染物を保管すべき中間施設の選定、決定が出来なかでほとんど進んでいません。大量に出る除染土壌の保管場所がないために除染そのものができなくなっています。政府、経済産業省、県(原発を容認してきた佐藤知事、渡部恒三民主党議員は重罪)、自民党(中曽根、歴代政権担当者、原発政策を立案、推進してきた罪)、東京電力は重量物、大量に出る除染土壌の保管場所を何にもまして優先して決定すべきです。

何がTPP,消費税率10%か?寝言を言わずに目の前の震災復旧、復興対策を早く決めろと要求したい。被災地の地盤沈下対策、移転対策、瓦礫処理対策―――この程度の決定、政治責任が全うできない政党、人物が日本の将来、環境問題、国家の構造を考えることができるはずもなしです。考えるだけであれば、学者だけで結構。1人何千万円もの給与をもらった政府などは要らない。3.11から9ヶ月が経過していまだにこの程度の仕事しか出来ないとは本当に怒り心頭です。

政府、東京電力は事故情報を操作し、住民に余計な被ばくをさせ、必要な対策手立ては後手後手、9ヶ月経って高線量の地区には戻れないかもしれない。そんなことは事故後すぐに分かっていたはぜである。素人の地域住民、我々だって分かっていたことである。特に、若い世代、子供を持つ親は帰りたくても、健康問題で帰れるとは思っていない。そうすれば、該当地区の住民は集団移転、移住、新天地での居住区の確保、中小零細企業の起業問題に着手もできたはずである。

民主党野田政権は東京電力への融資、保証はすばやく行い、地域住民、自治体への対応は遅々として進んでいない。野田政権になってからは言葉ばかりが先走り、実行ある対策は何も進んでいない。本当にいい加減な政権である。自己保身に汲々としている。政治は民主党の保身のためにあるのではない。

リーダーシップ論(野田、橋下)

2011年12月12日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
北海道大学 政治学山口二郎教授のリーダーシップ論についてです。大阪橋本市長、民主党野田政権への評価、見解が書かれています。なかなか興味深い話ですので紹介します。

<山口教授の見解>

 大阪ダブル選挙は国全体に衝撃を与えた。国政では、野田政権が消費税率引き上げやTPPという難題に取り組もうとしている。中央地方を通じて指導者のあり方が問われる今、政治家のリーダーシップについて考えてみたい。
 今、大学院でリーダーシップをテーマにゼミを開いていて、古今の指導者論や政治家の伝記を読んでいる。指導者論は、マキャベリ以来同じことの繰り返しという面もあるが、今読むといろいろと教えられる。特に、今の政治家に読んでもらいたいのは、マックス・ウェーバーの『職業としての政治』(岩波文庫)である。ウェーバーは政治家の条件として、情熱、責任感、判断力の3つをあげ、政治とは堅い板に力をこめて穴を穿つような作業だと言う。
 職業として政治を選ぶ人間なら、誰しも権力への意思という意味での情熱を持っている。それは当代の政治家も同じである。しかし、権力をどのように使って、何を成し遂げるかということになると、目標と、それに向けて邁進するという意味での使命感、責任感というものを持ちにくい時代なのだろう。その点では、現代の政治家には同情の余地がある。
 こんなことを考えたのも、つい最近、社会学者の見田宗介氏が大澤真幸氏との対談の中で、「三代目の文化」の必要を説いているのを読んだからである(「現代社会の理論と「可能なる革命」」『atプラス』10号)。「売家と唐様で書く三代目」という川柳は、三代目において金もうけや成長という価値から、文化的価値への転換が起こるという変化を示すものと、肯定的に捉えようというのが見田氏の主張である。原発事故、金融危機に示されるように、資本主義が行き詰まった今、まさに三代目的な価値への転換が必要だと彼は言う。
 戦後の日本政治にも同じことが言えるように思える。初代は、まさに敗戦後の日本を再建したリーダーたち、吉田茂から池田、佐藤を経て三角大福、中曽根、宮澤あたりまでの政治家である。彼らは救国の使命感で大仕事をした。二代目は、竹下とその弟子たちの政治家で、傾きかけた自民党を何とか支えようとして、力尽きた。二代目までは、目指すべき目標は自明であった。二代目に属する小泉は旧家の商売に嫌気がさして大きな模様替えをしたが、束の間の繁盛で終わった。二代目の最後の政治家である小沢は、旧家を飛び出して、これにとどめを刺した。
 政治改革以後に登場した政治家はみな三代目である。見田氏の喩えを使うなら、三代目であるにもかかわらず、三代目らしい価値観を見つけられず、いまだに初代の価値観を追いかけてうまくいかず右往左往しているのがこの世代の政治家である。そもそも、松下政経塾など、初代の価値観と苦労を今の世代に学ばせる場所であろう。愛読書が司馬遼太郎というのでは、三代目の価値は創り出せない。
 権力への情熱だけで政治をすれば、当然権力の自己目的化という病理が発生する。しかも、今は様々なメディアがあり、権力を獲得、維持することだけについて、技術は高度化している。同じ三代目でも、権力意思の発揮の仕方について、野田佳彦首相と橋下徹前大阪府知事は対極にある。初代の苦労を追いかける野田首相は、もっぱら自己主張を捨て、伝統的な政策目標に同化する。経済界や米国という強者の意向を忖度し、波風を立てないことで権力の安定化を図る。
 これとは対照的に、橋下前知事は三代目らしい跳ね上がり者である。旧弊を否定することが彼の存在理由である。しかし、否定した後に何をするのか、まったくの空白である。彼の「大阪都構想」は、昔全共闘が唱えた「大学解体」と同類の、やんちゃ坊主の駄々である。しかし、この種のスローガンは、中身がないから流行るものである。
劇場政治の主人公は、自己陶酔に陥りやすく、人々の注目を集めることを最大の目的と考える。マルクスは、名著『ルイボナパルトのブリュメール一八日』(平凡社)において、このタイプの先駆けとしてナポレオン三世をあげ、その権力掌握のプロセスを分析している。国民投票によって皇帝になったナポレオン三世は人々を飽きさせないために、日々小さなクーデタを繰り返さざるを得なくなったとマルクスは言う。橋下流の学校や公務員に対する非難、そして大阪都構想という空論こそ、人目を惹くための空騒ぎである。
残念ながら、大阪の選挙結果を見て、次の選挙での生き残りだけを考える政治家の中には、橋下流の手法をまねる者が増えるであろう。それは、政治の劣化を一層進めるだけである。
 政治家の仕事は結果を出すことであり、物事を成し遂げる(get things done)責任感こそ、政治家の美徳である。そのことは常に真理である。三代目の価値観に基づいて何らかの結果を出すことには、並々ならぬ構想力と努力が必要となる。
 ここは、己が非力を自覚しつつ、旧弊を一つでも解消すること、次の時代に向けて少しでも土台を据えることに邁進するしかない。たとえば、税・社会保障一体改革など、三代目として取り組むべき課題である。初代、二代目が経済成長、日本型雇用、土建国家という前提で構築した税や社会保障制度は時代遅れになっている。もはや、成長は望めず、人口は減少し、非正規雇用が当たり前になるという時代に合わせて、社会連帯の仕組みを再構築しなければならない。二代目までの成長への郷愁を断ち切るという、三代目の価値観がここでこそ発揮されるべきである。
 また、見かけだけの格好よさをばかにするという三代目の美意識も必要とされている。三代目こそ本物を見極めなければならない。堅い板に穴を穿つという政治家の美徳は、三代目も継承することが求められる。劇場政治の誘惑に負けてはならない。


知事災害

2011年12月12日 06時01分23秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、村井宮城県知事が起こした災害の話です。

東京海洋大学海洋科学部の濱田武士准教授は、村井宮城県知事の水産業復興特区は「知事災害」と言い切っています。なるほど、言い得ています。先生によると、「外部の資本と手を組む意欲ある漁業者を漁協から分裂させる」と読み取ることができると言っています。「特区構想の目的は現行漁業権制度の解体であり。これはいわゆる規制改革論以外の何者でもない。こうした論点すり替えに、知事災害の本質がある。」

漁業権とは権利だけではないのです。漁業をする権利の行使をするためには、海の環境を整備し、漁業者同士の秩序の確立と実施、すなわち「自治」を行なっているのです。村井宮城県知事は上から目線でしか物を見ることが出来ないので「自治」の意味すら理解出来ないのではないでしょうか。

漁場の整備や秩序に関係なく、漁業権が外部者に与えられた時、乱獲が起きるかもしれないと言うこと位、素人でもわかることです。

水産業における「知事災害」第二弾は、漁港の切り捨てです。これによって、さらに漁業者に分断を持ち込むことになります。これまで使っていた漁港が使えなくなる漁業者は、どこに行けばいいのでしょうか。こうして、結果的にサラリーマン漁業者を作り出し「外部の資本主義と手」を組まざるを得ない環境ができます。

宮城県漁協と漁業者の、協同組合としての団結を応援します。知事災害に負けるな!