少し書かれた時代(1994年初版)が古くなっていますが、日本の農業問題(岩波新書)という本があります。その中に、以下のような指摘、記述が出てきます。民主党政権がTPP交渉参加を表明していますが、十数年前にこのような分析がされて、文献としても発行されていました。このような分析は専門家の間では衆知の事実であると思います。民主党、財界のTPP加盟への誘導は「食料自給率、開発途上国の産業支援、環境保護から言っても」全く間違った方針ということがよく分かります。
<農業気象学者内島善兵衛氏の指摘。>
食糧自給率の低下を批判して「政治経済を抜きに生物の生存条件という点から見ると、どの生物もエサ場は生息地の近くに持っています。それが生態学の法則です。農業技術と大量輸送システムが発達したので、我々日本人は世界じゅうから食料を持ち込み、エサ場から遠く離れて住むようになった。科学技術の勝利と見ることも出来るが、基本的にはこういう生き方は生態学の法則からは外れているということを認めるべきです。食料自給率が30%の(?)日本人は、ひょっとすると生物としての機能が衰えてきているのではないか、そういう疑問がわいてきます。」「石油、食料エネルギーを制するものが世界を制する。とみるアメリカ政府のリアルな状況判断に学びたいですね。」(野田、民主党、自民党はどう答えるのでしょうか)
<ケニア国立公園庁長官の話>
「私たちが栽培しているコーヒーを輸入している消費国が適正な対価を支払ってくれないと、もっと大量にコーヒーを作らなければならなくなる(収入が少なく生活できないから)。やむなく森林を伐採します。ところが大量にコーヒーを作れば作るほどコーヒーの値段は下がる。開発と環境の悪循環の背後にある国際経済の仕組みを考えていただきたい」と発言しています。
これは輸入国にとっては輸入商品価格が安ければよいーーーとは対岸にある問題です。自国食料を他国に任せ、他国の生産者の生活破壊、生態系の破壊を行うことに加担するという仕組みです。こんなことを続けていれば結果的に、輸入国である日本に全て跳ね返ってくることだけは確かです。
<農業気象学者内島善兵衛氏の指摘。>
食糧自給率の低下を批判して「政治経済を抜きに生物の生存条件という点から見ると、どの生物もエサ場は生息地の近くに持っています。それが生態学の法則です。農業技術と大量輸送システムが発達したので、我々日本人は世界じゅうから食料を持ち込み、エサ場から遠く離れて住むようになった。科学技術の勝利と見ることも出来るが、基本的にはこういう生き方は生態学の法則からは外れているということを認めるべきです。食料自給率が30%の(?)日本人は、ひょっとすると生物としての機能が衰えてきているのではないか、そういう疑問がわいてきます。」「石油、食料エネルギーを制するものが世界を制する。とみるアメリカ政府のリアルな状況判断に学びたいですね。」(野田、民主党、自民党はどう答えるのでしょうか)
<ケニア国立公園庁長官の話>
「私たちが栽培しているコーヒーを輸入している消費国が適正な対価を支払ってくれないと、もっと大量にコーヒーを作らなければならなくなる(収入が少なく生活できないから)。やむなく森林を伐採します。ところが大量にコーヒーを作れば作るほどコーヒーの値段は下がる。開発と環境の悪循環の背後にある国際経済の仕組みを考えていただきたい」と発言しています。
これは輸入国にとっては輸入商品価格が安ければよいーーーとは対岸にある問題です。自国食料を他国に任せ、他国の生産者の生活破壊、生態系の破壊を行うことに加担するという仕組みです。こんなことを続けていれば結果的に、輸入国である日本に全て跳ね返ってくることだけは確かです。