春風駘蕩

いつの時代でもこうありたい

アッバス議長の来日

2005年05月16日 | 日記
経済団体主催の昼食会で防衛大学校教授・立山良司氏の講演を聴いた。演題は「動き出した中東和平プロセス
-イスラエル・パレスチナ問題の行方」。立山氏は早大政経学部政治学科卒、中東調査会研究員、在イスラエル
日本大使館専門調査員、国連パレスチナ難民救済事業機関アンマン本部総務課長、中東経済研究所研究主幹など
を経て防大教授になった中東問題の専門家。

講演の要旨。アラファト議長の死後、パレスチナ暫定自治政府の議長に就任したアッバス氏は武装闘争の停止と
対話を通じた和平の実現を強く訴えている。さる2月にはイスラエルとパレスチナ暫定自治政府との間で首脳会談
(シャロン・アッバス会談)が行われ、暴力停止の合意がなされた。和平への新たな望みが出てきかのように見える。

だが、その一方で、イスラエルはヨルダン川西岸での一方的な入植地拡大の動きを止めず、また境界地域での分離
フェンスの建設を着々と進めている。アッバス議長はパレスチナ過激派から「弱腰外交」と厳しく非難されており、
「非暴力」と「対話」がいつまで続くのか予断を許さない。

パレスチナ問題はイスラム教の問題でもある。イスラエルによるパレスチナ抑圧がニュースで流れると世界中の
イスラム教徒が反発する。これがテロの要因にもなっている。だから中東和平の動きを国際社会は注視している。
いま、アッバス議長が日本に来ている。近くシャロン首相も来日の予定という。

イラクや北朝鮮だけではなく、イスラエル、パレスチナの動向にも目を向けておかなければならないと思った。