昨年12月妻の実家茨城県ひたちなか市に住む姪っ子から平べったい乾燥芋10kgが送られてきた。受け取ったその日早速箱を開けて四、五枚取り出してから我が家で一番温度の低い物置に仕舞い込んだ。
「冷蔵庫はもうとてもとてもイッパイよ、何も入らない」ピシャリ、冷たい冷蔵庫は100%隙間迄妻の占有物。
それから3日後同じ姪っ子から今度は丸干し乾燥芋5kgが到着した、私は「毎年毎年有難う」の気持ちでいたのだが妻は「去年、丸干しはもう来年は送らないで良いからと云った筈なのに・・又送って来てしまった、案の定今年の丸干しはベタベタよ」と迷惑そうに云う・・
亡くなった妻の姉から続いて送られて来る乾燥芋だが食いしん坊の私だが戦前戦後の飢えの時代を思い出すと「この丸干し芋を何とか黴させないで来年まで大事に保存しなくてはならない!」と心に決めていたのです。
何年か前にも丸干しを箱ごと室内に置いたままにしていたら、一週間でカビが付いて、全滅してしまって悲しいて思いをした私、妻も私と同じ思いをしている筈と思っていたが、同じ飢餓でも温度差が有るのを感じたのはその時であった。男と女の違いかも知れない、茨城県生まれの妻も農家の出ではないが、東京新宿高田馬場(当時淀橋区戸塚町)の違いかも・・
連日乾燥した好天気が続いたある日、思いついて近所の百均ショップで鳥除けの網を見つけ「ウンこれが良いかも知れない」早速室内で網を広げながらカラスから乾燥芋を守るには「直接網が芋に触れないように間隔を開けてっと・・」
網を手に色々考えている私を見た妻が突然「どうするの?それ?・・・」私「ベランダでお芋干そうと思って・・」「ダメダメベランダは駄目、狭いとこでやめて頂戴!」にべも無い返事が・・・
カッと来た私、苦肉のアイデアは無惨に打ち砕かれたのである。叩き潰さんばかりに百均の網丸めて傍らの引き出しに仕舞い込んでしまった、以後数時間夫婦絶縁状態・・・
夫婦喧嘩は犬も食わない、私今年は年男、去年の話で良かったが、今年は夫婦喧嘩は控えめにしようと思います
翌日「昨日はゴメン」「だけど丸干し乾燥芋だけは絶対に黴させないぞ!」謝らないけど妻も黙って協力姿勢のようす・・朝から陽が射しこんでいる狭いベランダには一個一個重ならないように離して、残り全部のお芋さんに陽が一杯に射す、この分なら二~三日も干せば又物置に戻しても正月過ぎまで大丈夫ヤレヤレと、カラスに用心して時々ベランダに出て網越しに丸干し乾燥芋に目をやる私なのです。
今日5日乾燥芋は今年1番の冷え込みの物置内で静かに出番を待ってます。姪っ子にゴチソウサマ