GoTo事業についての様々な疑惑が国会でもメディアでも取り沙汰されている。問題は数々あるが、そもそも観光業対策は国土交通省の管轄なのだが、このアイデアは国交省からではなく官邸内から出て、黒川問題などで支持率が急落している安倍政権の支持率回復の切り札として急浮上したようだ。
が、観光業だけでなく、コロナ禍で売り上げが激減したすべての中小企業に幅広く支援の手を差し伸べるためか、「持続化給付金」という名目で担当省庁を経産省にして、経産省はまずそのための事務経費769億円をサービスデザイン推進協議会に振り込んだ。
このサービスデザイン推進協議会は大手広告代理店の電通や人材派遣業大手のパソナなどが設立した、経産省管轄の事業の受け皿窓口である。なぜわざわざ受け皿窓口を設ける必要があったのかはわからないが、経産省の梶山大臣によれば、「電通は直接受注しないと聞いている」という。直接受注すると問題になるような怪しげな会社に、わざわざ中間業者を通して発注する必要があるのだろうか。
さらに胡散臭いのは、サービスデザイン推進協議会は受託費769億円のうち20億円を「中抜き」して電通に749億円を丸投げしたことだ。いったいこの20億円は中間マージンなのか。だとしたら、20億円ものマージンを払ってまで電通に業務委託しなければならない理由は何か、経産省は明確にすべきだろう。
この中間マージン20億円が国会やメディアで問題になると、一転安倍総理が国会で「そのうち15億円はみずほ銀行の手数料と聞いている」と答弁した。みずほ銀行が何らかの業務を行ったとは考えられないから(実際、政府もサービスデザイン推進協議会も、さらにみずほ銀行自身もどういう性質の手数料かの説明をしていない)常識的に考えて振込手数料以外は考えにくい。
で、みずほ銀行のホームページで振込手数料について調べてみた。
自行他店あて(3万円以上) 窓口660円 インターネット220円
他行あて(3万円以上) 窓口990円 インターネット440円
まさか769億円もの巨額の現金を窓口に持ち込むバカはいないだろうから、振込はインターネット・バンキングで行われたことは間違いないと考えていいだろう。念のためみずほ銀行に確認したが、上記の振込手数料は3万円以上は一律で上限はないということだった。いくら安倍さんが非常識だとしても、国会答弁でいけしゃあしゃあと振込手数料が15億円もかかると本当に思っていたのか。また野党の議員も、この答弁を聞いて納得してしまったのか、政府も政府なら野党も野党だ。
しかも、メディアがこの摩訶不思議な答弁に全く疑問を呈していないことだ。
メディアの社員はサラリーマンだ。仮に安倍さんが「星の王子様」だとしても、メディアの中からだれも「振込手数料15億円」に疑問を持つ人があらわれないということも、摩訶不思議というしかない。
さらに、サービスデザイン推進協議会によれば、社員約20名が協議会とは別の場所(都内某所と言ったり、テレワークと言ったり説明がチグハグだが)で働いていて、その人件費もかかっているという。協議会は単に電通の業務委託の窓口に過ぎないのに、なぜ社員が必要なのか。いったいどんな仕事をしているのか、協議会は明らかにする必要がある。
それに、20人もの社員を抱えていれば、給料明細はプライバシー問題で明らかにできないとしても、少なくとも健康保険や厚生年金などの社会保険には加入しているはずで、たとえ本人氏名は政府関連事業の場合の得意技として黒塗りにしても、同じ社会保険事務所から同一事業主で発行されている健康保険証や厚生年金証のコピーを提出させる必要がある。
とにかく「中抜き」20億円の実態が明らかにならない限り経産省は協議会との契約を破棄し、委託費全額の返済を求めるべきだ。なお、私が9日、経産省中小企業庁の担当部署に問い合わせの電話をかけたが、職員は「あのー、そのー」と口ごもるばかりで、途中で電話は切られてしまった(おそらく、その職員の様子を見て上司が強制的に電話を切ったと思う。少なくとも電話口に出た職員が切ったとは思えない切れ方だったから)。
【追記】サービスデザイン推進協議会(以下、SB社と略す)はやはり実体のない幽霊トンネル会社だった。SB社は9日、事務所所をマスコミに公開し、そのときはかなりの「社員」がパソコンで作業をしているかに見えた。が、10日に野党議員数人が抜き打ちでSB社を訪問したが、夜逃げしたのか蛻(もぬけ)の殻だった。そういう状況はそれまでも何度もあったという。SB社は「コロナ対策で家でのリモート作業をしていた」と言うかもしれないが、だとしたら9日に社員をパソコンなど機材と一緒に招集したのはアリバイ作りのためだったのか、やはり社員が実在しているという証拠として社員名簿と社会保険証書類を衆参予算委員会に提出し、個人情報についてはメモ・コピーを禁止するという条件で回覧すべきだ。(11日)
が、観光業だけでなく、コロナ禍で売り上げが激減したすべての中小企業に幅広く支援の手を差し伸べるためか、「持続化給付金」という名目で担当省庁を経産省にして、経産省はまずそのための事務経費769億円をサービスデザイン推進協議会に振り込んだ。
このサービスデザイン推進協議会は大手広告代理店の電通や人材派遣業大手のパソナなどが設立した、経産省管轄の事業の受け皿窓口である。なぜわざわざ受け皿窓口を設ける必要があったのかはわからないが、経産省の梶山大臣によれば、「電通は直接受注しないと聞いている」という。直接受注すると問題になるような怪しげな会社に、わざわざ中間業者を通して発注する必要があるのだろうか。
さらに胡散臭いのは、サービスデザイン推進協議会は受託費769億円のうち20億円を「中抜き」して電通に749億円を丸投げしたことだ。いったいこの20億円は中間マージンなのか。だとしたら、20億円ものマージンを払ってまで電通に業務委託しなければならない理由は何か、経産省は明確にすべきだろう。
この中間マージン20億円が国会やメディアで問題になると、一転安倍総理が国会で「そのうち15億円はみずほ銀行の手数料と聞いている」と答弁した。みずほ銀行が何らかの業務を行ったとは考えられないから(実際、政府もサービスデザイン推進協議会も、さらにみずほ銀行自身もどういう性質の手数料かの説明をしていない)常識的に考えて振込手数料以外は考えにくい。
で、みずほ銀行のホームページで振込手数料について調べてみた。
自行他店あて(3万円以上) 窓口660円 インターネット220円
他行あて(3万円以上) 窓口990円 インターネット440円
まさか769億円もの巨額の現金を窓口に持ち込むバカはいないだろうから、振込はインターネット・バンキングで行われたことは間違いないと考えていいだろう。念のためみずほ銀行に確認したが、上記の振込手数料は3万円以上は一律で上限はないということだった。いくら安倍さんが非常識だとしても、国会答弁でいけしゃあしゃあと振込手数料が15億円もかかると本当に思っていたのか。また野党の議員も、この答弁を聞いて納得してしまったのか、政府も政府なら野党も野党だ。
しかも、メディアがこの摩訶不思議な答弁に全く疑問を呈していないことだ。
メディアの社員はサラリーマンだ。仮に安倍さんが「星の王子様」だとしても、メディアの中からだれも「振込手数料15億円」に疑問を持つ人があらわれないということも、摩訶不思議というしかない。
さらに、サービスデザイン推進協議会によれば、社員約20名が協議会とは別の場所(都内某所と言ったり、テレワークと言ったり説明がチグハグだが)で働いていて、その人件費もかかっているという。協議会は単に電通の業務委託の窓口に過ぎないのに、なぜ社員が必要なのか。いったいどんな仕事をしているのか、協議会は明らかにする必要がある。
それに、20人もの社員を抱えていれば、給料明細はプライバシー問題で明らかにできないとしても、少なくとも健康保険や厚生年金などの社会保険には加入しているはずで、たとえ本人氏名は政府関連事業の場合の得意技として黒塗りにしても、同じ社会保険事務所から同一事業主で発行されている健康保険証や厚生年金証のコピーを提出させる必要がある。
とにかく「中抜き」20億円の実態が明らかにならない限り経産省は協議会との契約を破棄し、委託費全額の返済を求めるべきだ。なお、私が9日、経産省中小企業庁の担当部署に問い合わせの電話をかけたが、職員は「あのー、そのー」と口ごもるばかりで、途中で電話は切られてしまった(おそらく、その職員の様子を見て上司が強制的に電話を切ったと思う。少なくとも電話口に出た職員が切ったとは思えない切れ方だったから)。
【追記】サービスデザイン推進協議会(以下、SB社と略す)はやはり実体のない幽霊トンネル会社だった。SB社は9日、事務所所をマスコミに公開し、そのときはかなりの「社員」がパソコンで作業をしているかに見えた。が、10日に野党議員数人が抜き打ちでSB社を訪問したが、夜逃げしたのか蛻(もぬけ)の殻だった。そういう状況はそれまでも何度もあったという。SB社は「コロナ対策で家でのリモート作業をしていた」と言うかもしれないが、だとしたら9日に社員をパソコンなど機材と一緒に招集したのはアリバイ作りのためだったのか、やはり社員が実在しているという証拠として社員名簿と社会保険証書類を衆参予算委員会に提出し、個人情報についてはメモ・コピーを禁止するという条件で回覧すべきだ。(11日)