やはり都議会でのヤジ騒ぎが、「早く結婚した方がいいんじゃないか」とヤジを飛ばした本人が名乗り出たら、かえって拡大した。おかげで都議会は連日この馬鹿馬鹿しい問題で揉めに揉めて、議事が完全にストップしてしまった。
私は、本人が名乗り出た翌日(24日)のブログ『河野談話の作成過程の経緯が明らかになったのに、なぜ安倍総理は河野談話の再検証をしないのか。②』の最後にちょこっとこの問題に触れた。NHKまでもが27日の「特報首都圏」で『“やじ”に揺れる議会~緊急報告・議場で何が~』と題して、この問題を特集したので、さすがに黙っていられないと思いNHKに電話した。
私がヤジ問題についてブログ投稿したのは、ブログ記事の記録によれば24日の午前7時15分。もちろん当日の朝刊に目を通している時間的余裕はない。だから私は前日のテレビニュースでの報道だけを頼りにブログを書いた。が、その日から全国紙5紙がすべて社説でヤジ問題を取り上げるという「前代未聞」の大騒ぎになった。週刊誌もすぐこの問題に飛びつき、女性議員の過去のスキャンダル暴き合戦をする始末。メディアの連中は暇を持て余しているのかな。
とりあえず、全国紙の社説の題名と主張の要点を無断転記する。
読売新聞(24日)『都議会ヤジ問題 セクハラ謝罪で収拾できるか』…「なぜ、もっと早く名乗り出て、謝罪できなかったのだろうか」「議場では、ヤジを面白がるような笑い声さえ上がった。ヤジの張本人や同調した議員の不見識には、あきれるばかりだ」「個人の尊厳を傷つけるセクハラ発言が許されないのは、当然である」「(名乗り出た議員は)これまで、ヤジへの関与を一貫して否定していた。騒ぎが大きくなり、名乗り出ざるを得ない状況に追い込まれたということだろう」「問題を収束させるには、ヤジを飛ばした他の都議も自らの発言にけじめをつける必要がある。これ以上頬かぶりは許されまい」
日本経済新聞(24日)『セクハラ都議会は猛省せよ』…「こんな女性をさげすむ発言を許すわけにはいかない」「今回のヤジは女性の社会での活躍に冷水を浴びせ、政府の成長戦略にも逆行する」「昨年6月の都議選で自民の候補者全員が当選し、都議会では自民主導の議会運営が続いている。今回の発言やその後の対応は、選挙で大勝した自民党の驕りから出た問題でもあるのだろう」「(名乗り出た)議員は自民党の会派を離脱すると表明した。問題が発覚した直後に同議員は自ら発言したことを否定しており、議員辞職にすら値する言動ではないか」「海外でも報じられ、日本の国際的イメージを損なっている」
毎日新聞(24日)『ヤジ議員判明 説明にもあきれ果てる』…「こんな説明で幕
引きなど、ありえない話だ」「都議会は対応が鈍い。自民党を含め、国際的に日
本の印象を傷つけた言動に明確なけじめをつけるべきだ」(名乗り出た議員は)
当初からヤジの発言者との見方があったが、報道各社の取材に発言を否定、ウソをついていた。騒動が拡大する中で『声紋』分析まで浮上、隠し通せないと観念したのが実態ではないか」「毅然とした対応をとらず、手をこまねいた都議会も同罪だ。議場でヤジを制止せず、(女性議員が)議長あてに提出した発言者の処分を求める要求書も受理しなかった」(※これは私がブログで指摘した重用な視点だが、「ヤジ議員」が名乗り出たのはヤジ事件(18日発生)の5日後である。女性議員はいつ処分の要求書を提出したのか不明だ)「ヤジ問題は海外でも報じられ『日本には女性に対する人権感覚が欠如しているのではないか』との疑惑の目が国際社会から向けられた」
朝日新聞(26日)『反省なき議会 人権と少子化を学べ』…「要するに早く騒動を収めたいだけなのがありありだ」「やるべきこともやらずに『再発を防ぐ』と言われても、有権者が信用するとは思えない」「そもそも(女性議員が)提出した発言者の処分要求書も議長は受理しなかった。議会には事実を解明する気がないとみられても仕方がない」(※この主張は私のブログや毎日新聞の社説の2日後である)「会派離脱も党への謝罪にすぎない。(女性議員や)都民へのけじめにはなりえない」「都民だけでなく全国に抗議が広がったのはなぜか。暴言と冷笑の裏には性差別意識がある。男女共同参画なんて口先だけ。こんなヤジを飛ばす心性こそ、少子化の元凶だ…。そう感じた人が多いからだろう」(※これは「天にツバする」主張。そのことはあとで書く)
産経新聞(27日)『女性蔑視発言 これで幕引きは甘すぎる』…「都議会は再発防止を誓う決議案を採択したが、ヤジの発言者の特定を求める決議案は否決した。これで幕引きを図るつもりらしい。発言を疑われている自民党はそれでいいのか。このままうやむやで終わればいいとの判断があるとすれば、甘くはないか」「みんなの党は声紋分析を行うとしているが、これも異常だ。議場での発言である」「発言者本人と周囲にいた都議の多くは、ただ口を閉ざしているだけなのだろう。首都の議会に自浄作用がないとすれば、恥ずかしい限りだ」
NHK「報道首都圏」のヤジ問題特集について電話したとき、上席責任者の電話は全部ふさがっていたようで、中間責任者に私が24日に投稿したブログを読み上げた。中間責任者は「おっしゃる通りです。録音もしてありますから文書にして報道部門に伝えます」と言ってくれた。その部分をスキャンして貼り付ける。ただ1カ所間違えた表現があるので、その部分(「会派を離脱」と書くべ
きところを「党派を離脱」と誤記)は訂正する。
話題を変えるが、昨日、東京都議会で不適切なヤジを飛ばした議員が名乗り
出た。彼は35歳の美人独身議員に「早く結婚したほうがいいんじゃないか」というヤジを飛ばしたようだ。ただ、この議員は「産めないのか」といったヤジについては否定している。自民党都議団としては、この議員が会派を離脱したことで幕引きにしたいようだが、これだけ大騒ぎになってしまうと、そうもいきそうにない。私自身は、自分が男性のためか、それほど大騒ぎするような話ではないと思っている。ただ大騒ぎになったことで、小さな町村議会まで含めて、人格を傷つけかねない不適切なヤジに対する議員たちの自制心が働くようになるだろうことは、せめてものプラスになったかなと思っている。
ただ、都議会騒動で見逃されている、もっと重要な問題が二つある。
一つは、この騒ぎの最大の責任者はだれか、という視点である。当り前のことだが、吉野利明議長の責任である。「早く結婚したほうがいいんじゃないか」というヤジが飛んだときは、女性議員はヤジを発した方向に顔を向け、ニコッと笑みを浮かべた。その後「産めないのか」といった卑劣なヤジが飛んだことで、女性議員の顔が一瞬で変わり、質問の口調も固く早口になり、とうとう涙声にまでなった。そのときに、なぜ吉野議長は毅然として議事の主導権を発揮しなかったのか。具体的には「いまのヤジを飛ばした人は起立してください」と直ちに発言者を特定し、女性議員への謝罪と議場からの退席を命じるべきだった。そういう感覚を、メディアが持たないことが、私には不思議でならない。
二つめの問題は、この事件が海外のメディアでかなり大きく取り上げられたことだ。「日本は女性蔑視の国」と烙印を押されたようなものだ。これが国政の場である国会の本会議や予算委員会での事件なら海外で報道されても理解できないことはない。が、首都といっても地方自治体での小さな出来事である。本来、他国のメディアが飛びつくような話ではない。
逆の立場から考えてみよう。仮にアメリカの首都ワシントンDC(どの州にも属さない特別区)やニューヨーク州の議会でこうした類の不適切ヤジが飛び交ったとして、日本のメディアは大騒ぎするだろうか。そう考えると、海外メデ
ィアの異常反応が何を意味するのか、そのことの方が私には気になる。いま安
倍・日本は海外からどう見られているのか。そのことをメディアも政治家も最重要視しなければならない。メディアも政治家も、感覚がどこかずれているのではないか。それとも私がおかしいのかな?
なお、NHKの中間責任者が私のブログについて「おっしゃる通りだ。文書にして報道部門に伝える」としたのは、一つ目の「最大の責任者は吉野利明議長だ」という私の主張の部分であって、海外メディアの異常反応に対する私の見
解については肯定も否定もしていない。
全国紙5紙の社説は全文を転記したわけではないが、あえて私にとって都合が悪い主張を排除したりはしていない。今日のブログは、はっきり言って全国紙5紙の論説委員たちに対する挑戦状でもある。少なくとも私がブログを書いた時点では女性議員が議長に、発言者に対する処分要求書を提出したことも、議長が拒否したことも知らなかった。知っていたら吉野議長に対する批判はもっと厳しいものになっていた。
私は24日のブログでも、今日のブログでも氏名を特定したのは吉野利明議長だけである。女性議員もヤジを認めた議員についても、新聞の社説で記載されている個所すら氏名を伏せた。なぜ伏せたか。こんな些細な問題で、女性議員がヒロインになり、セクハラでもなんでもないタダの「からかいヤジ」を飛ばした議員が悪者になり、あまつさえ議員辞職すら要求するような風潮を煽ることによって読者におもねる体質は、戦中のそれと全く変わっていないと考えたからだ。
私はだいぶ前(ブログを書き始める前)だが、各紙の読者窓口に戦時中の報道姿勢について「もし言論の自由があったとして、戦争の真実を伝え、戦争はやめるべきだ、という報道をしていたら、お宅の新聞はどうなっていたと思うか」と片っ端から聞いたことがある。読者窓口はいずれも沈黙した。私が追い打ちをかけて「もし、そういう報道をしていたら、軍部が弾圧する前に読者から見放されて新聞社がつぶれていたとは思いませんか」と問いかけたら、「うーん。そうかもしれませんね」と全員が渋々認めた。はっきり言って戦時中の新聞の報道スタンスは、軍部におもねたのではなく、読者におもねていたのである。その体質はこのヤジ事件をめぐっても継続されていることが、証明されたと言えよう。
戦後60年にもなろうというのに、いまだに自らについて真実を語れないメディアを、国民が腹の底から信じられると思うのか。私がブログの総タイトルを『マスコミに物申す』としたのは、そういう思いが私の批判精神の底流に脈々と流れているからだ。
とくに朝日新聞の社説は問題である。朝日新聞は読者窓口の「お客様オフィス」に最近女性を多用している。女性の活用を図っていると思いきや、とんでもない。朝日新聞の記事について疑問を呈しても、何一つまともな返事が返ってこない。「あなたたちは人間録音機か」と嫌味を言っても「この仕事に就くとき、そう指示されましたので」といけしゃあしゃあとした返事が返ってきた。
どの新聞社も最新のニュースは活字にする前にネットで配信するが、ある時朝日新聞デジタルで配信されたニュースについて質問したいことがあり電話して「デジタルで配信されたニュースについて聞きたいことがある」と言った途端「担当に代わります」と内線で別の部門につながれた。「どんなご用件でしょうか」と聞かれたので配信されたニュースについて聞きたいことがあると伝えると、「ここはパソコンなどでデジタルにアクセスする方法に関する問い合わせ部門です。配信したニュースの件でしたら『お客様オフィス』におかけ直しください」と返事が返ってきた。
まだある。読売新聞の『基礎からわかる』シリーズに対抗して『一からわかる』シリーズを朝日新聞も始めているが、ある日、その内容について問い合わせたら「何ページ目でしょうか」と聞かれた。新聞を読んでもいない社員を「お客様オフィス」に配属するというのは、女性の活用ではなく「読者蔑視」の姿勢がありありである。
まだある。朝日新聞の「お客様オフィス」には記者出身ではない女性まで「登用」している。どんなに有能な女性かは知らないが、報道された記事についての質問や意見をぶつけても答えられるわけがない。実際、相手の対応に違和感を感じたので「あなたは記者出身ではないんですか」と聞いたら「違います」と、あっけらかんとした返事が返ってきてびっくりし、電話代が無駄だと早々に電話を切ったことさえある。確かに「人間録音機」でいいなら、別に記者出身でなくてもいいのかもしれないが、それならそれで「記事の担当者から折り返し電話させます」と対応してくれてもいいだろう。
ちなみに一般商品についての「お客様相談窓口」に問い合わせの電話をした場合、電話に出た方には分からないような質問だったら、必ず「折り返し詳しい者から電話させます」と対応してくれる。「相談窓口」の電話も大半がフリー・ダイヤルだ。一方、メディアはすべて有料電話だ。メディアは読者や視聴者に君臨しているのだという意識がありありだ。
朝日新聞「お客様オフィス」にも男性スタッフがいないわけではない。ただ私が電話したとき男性が出る確率はせいぜい1割くらいの感じだが(厳密に記録しているわけではない)、男性スタッフとは活発な議論もできる。で、あるとき電話口に女性スタッフが出たので「男性に代わってほしい」と頼んだが、「電話を回すことはできませんので、後程おかけ直しください」と言われた。私はこのときの朝日新聞「お客様オフィス」の女性スタッフの対応については以前、ブログに書いたことがある。覚えている読者もおられるのではないだろうか。
この辺で、私の経験談は終わりにするが、読売新聞にも多少は女性が「読者センター」に配属されてはいるが、朝日新聞とははっきり言ってレベルが違う。まともな話ができる。ちょっと朝日新聞の女性担当者のことを話すと「私どものほうでも女性が電話に出ると、いきなり電話を切られてしまうこともしばしばあります」と言われた。それで朝日新聞が「お客様オフィス」に女性を多用するようになった理由が分かった。読者の側にも責任がありそうだ。が、それに対して「読者がそうなら人間録音機でもいい」と朝日新聞が考えて「お客様オフィス」に女性を多用し、「録音機以上の対応をしてはいけない」と指示しているとしたら、それが女性の活用と言えるのか。
またこの事件で週刊文春や週刊新潮が女性議員の華やかな過去のスキャンダルを暴いたのは、かかりつけのクリニックで診察待ちの間にちらっと斜め読みしただけでなので(私は週刊誌をカネを出してまで買う気はしない)、事実かどうかについての判断はしかねるが、「早く結婚したほうがいいんじゃないか」とのヤジには笑みで返した女性議員が、「産めないのか」というヤジに涙を浮かべ、後で処分要求までしたようなら、週刊誌にも「事実無根の名誉棄損」で訴えるべきだろう。「名誉棄損」で訴えられないようなら、そもそもこの女性議員に都議になるだけの見識と資格があるのかと疑わざるを得ない。なお私が週刊誌記事を斜め読みしたのは28日であることをお断りしておく。
これはうがった見方かもしれないが、美人議員が35歳にもなるのに、未婚の理由が週刊誌情報から推測できるように、結婚できず子供も産むことが許されない男女関係にあって、そのことが都議たちの間では周知の事実だったとしたら、「早く結婚したほうがいいんじゃない」「産めないのか」といったヤジは「セクハラヤジ」ととらえるべきではなく、そうした立場にある女性議員に「晩婚・晩産問題や子育て支援問題」について都議会で質問する資格があるのか疑わしい感じがする。そうだとしたら、むしろ問題にされたヤジは、私に言わせれば「抑制された許容範囲のヤジ」であり「女性一般に対する蔑視感から出たヤジ」とは理解しかねる。
いずれにせよ女性の涙は、メディアを動かすほどの力があるのか、と今さらながらびっくりしているというのが実感である。
明日、自公両党からなる政府は、集団的自衛権行使のため憲法解釈変更を閣議決定する見込みだ。「平和の党」を標榜してきた公明が、なぜ急いで自民にすり寄ったのか。これまでメディアが報道しなかった裏事情(といっても、だれでもちょっと頭を働かせれば分かるはずのことで、私は極秘情報をキャッチしたわけではない)を書く。ただ、NHKの上席責任者には昨日午後8時過ぎにヒントだけ教えて置いた。報道部門に伝えるようだが、果たして私が提供したヒントで、NHKがどこまで自公協議が成立した裏事情に迫れるか――今日中に迫れたら「ごりっぱ」と褒めておこう。多分、無理だと思うけどね。
私は、本人が名乗り出た翌日(24日)のブログ『河野談話の作成過程の経緯が明らかになったのに、なぜ安倍総理は河野談話の再検証をしないのか。②』の最後にちょこっとこの問題に触れた。NHKまでもが27日の「特報首都圏」で『“やじ”に揺れる議会~緊急報告・議場で何が~』と題して、この問題を特集したので、さすがに黙っていられないと思いNHKに電話した。
私がヤジ問題についてブログ投稿したのは、ブログ記事の記録によれば24日の午前7時15分。もちろん当日の朝刊に目を通している時間的余裕はない。だから私は前日のテレビニュースでの報道だけを頼りにブログを書いた。が、その日から全国紙5紙がすべて社説でヤジ問題を取り上げるという「前代未聞」の大騒ぎになった。週刊誌もすぐこの問題に飛びつき、女性議員の過去のスキャンダル暴き合戦をする始末。メディアの連中は暇を持て余しているのかな。
とりあえず、全国紙の社説の題名と主張の要点を無断転記する。
読売新聞(24日)『都議会ヤジ問題 セクハラ謝罪で収拾できるか』…「なぜ、もっと早く名乗り出て、謝罪できなかったのだろうか」「議場では、ヤジを面白がるような笑い声さえ上がった。ヤジの張本人や同調した議員の不見識には、あきれるばかりだ」「個人の尊厳を傷つけるセクハラ発言が許されないのは、当然である」「(名乗り出た議員は)これまで、ヤジへの関与を一貫して否定していた。騒ぎが大きくなり、名乗り出ざるを得ない状況に追い込まれたということだろう」「問題を収束させるには、ヤジを飛ばした他の都議も自らの発言にけじめをつける必要がある。これ以上頬かぶりは許されまい」
日本経済新聞(24日)『セクハラ都議会は猛省せよ』…「こんな女性をさげすむ発言を許すわけにはいかない」「今回のヤジは女性の社会での活躍に冷水を浴びせ、政府の成長戦略にも逆行する」「昨年6月の都議選で自民の候補者全員が当選し、都議会では自民主導の議会運営が続いている。今回の発言やその後の対応は、選挙で大勝した自民党の驕りから出た問題でもあるのだろう」「(名乗り出た)議員は自民党の会派を離脱すると表明した。問題が発覚した直後に同議員は自ら発言したことを否定しており、議員辞職にすら値する言動ではないか」「海外でも報じられ、日本の国際的イメージを損なっている」
毎日新聞(24日)『ヤジ議員判明 説明にもあきれ果てる』…「こんな説明で幕
引きなど、ありえない話だ」「都議会は対応が鈍い。自民党を含め、国際的に日
本の印象を傷つけた言動に明確なけじめをつけるべきだ」(名乗り出た議員は)
当初からヤジの発言者との見方があったが、報道各社の取材に発言を否定、ウソをついていた。騒動が拡大する中で『声紋』分析まで浮上、隠し通せないと観念したのが実態ではないか」「毅然とした対応をとらず、手をこまねいた都議会も同罪だ。議場でヤジを制止せず、(女性議員が)議長あてに提出した発言者の処分を求める要求書も受理しなかった」(※これは私がブログで指摘した重用な視点だが、「ヤジ議員」が名乗り出たのはヤジ事件(18日発生)の5日後である。女性議員はいつ処分の要求書を提出したのか不明だ)「ヤジ問題は海外でも報じられ『日本には女性に対する人権感覚が欠如しているのではないか』との疑惑の目が国際社会から向けられた」
朝日新聞(26日)『反省なき議会 人権と少子化を学べ』…「要するに早く騒動を収めたいだけなのがありありだ」「やるべきこともやらずに『再発を防ぐ』と言われても、有権者が信用するとは思えない」「そもそも(女性議員が)提出した発言者の処分要求書も議長は受理しなかった。議会には事実を解明する気がないとみられても仕方がない」(※この主張は私のブログや毎日新聞の社説の2日後である)「会派離脱も党への謝罪にすぎない。(女性議員や)都民へのけじめにはなりえない」「都民だけでなく全国に抗議が広がったのはなぜか。暴言と冷笑の裏には性差別意識がある。男女共同参画なんて口先だけ。こんなヤジを飛ばす心性こそ、少子化の元凶だ…。そう感じた人が多いからだろう」(※これは「天にツバする」主張。そのことはあとで書く)
産経新聞(27日)『女性蔑視発言 これで幕引きは甘すぎる』…「都議会は再発防止を誓う決議案を採択したが、ヤジの発言者の特定を求める決議案は否決した。これで幕引きを図るつもりらしい。発言を疑われている自民党はそれでいいのか。このままうやむやで終わればいいとの判断があるとすれば、甘くはないか」「みんなの党は声紋分析を行うとしているが、これも異常だ。議場での発言である」「発言者本人と周囲にいた都議の多くは、ただ口を閉ざしているだけなのだろう。首都の議会に自浄作用がないとすれば、恥ずかしい限りだ」
NHK「報道首都圏」のヤジ問題特集について電話したとき、上席責任者の電話は全部ふさがっていたようで、中間責任者に私が24日に投稿したブログを読み上げた。中間責任者は「おっしゃる通りです。録音もしてありますから文書にして報道部門に伝えます」と言ってくれた。その部分をスキャンして貼り付ける。ただ1カ所間違えた表現があるので、その部分(「会派を離脱」と書くべ
きところを「党派を離脱」と誤記)は訂正する。
話題を変えるが、昨日、東京都議会で不適切なヤジを飛ばした議員が名乗り
出た。彼は35歳の美人独身議員に「早く結婚したほうがいいんじゃないか」というヤジを飛ばしたようだ。ただ、この議員は「産めないのか」といったヤジについては否定している。自民党都議団としては、この議員が会派を離脱したことで幕引きにしたいようだが、これだけ大騒ぎになってしまうと、そうもいきそうにない。私自身は、自分が男性のためか、それほど大騒ぎするような話ではないと思っている。ただ大騒ぎになったことで、小さな町村議会まで含めて、人格を傷つけかねない不適切なヤジに対する議員たちの自制心が働くようになるだろうことは、せめてものプラスになったかなと思っている。
ただ、都議会騒動で見逃されている、もっと重要な問題が二つある。
一つは、この騒ぎの最大の責任者はだれか、という視点である。当り前のことだが、吉野利明議長の責任である。「早く結婚したほうがいいんじゃないか」というヤジが飛んだときは、女性議員はヤジを発した方向に顔を向け、ニコッと笑みを浮かべた。その後「産めないのか」といった卑劣なヤジが飛んだことで、女性議員の顔が一瞬で変わり、質問の口調も固く早口になり、とうとう涙声にまでなった。そのときに、なぜ吉野議長は毅然として議事の主導権を発揮しなかったのか。具体的には「いまのヤジを飛ばした人は起立してください」と直ちに発言者を特定し、女性議員への謝罪と議場からの退席を命じるべきだった。そういう感覚を、メディアが持たないことが、私には不思議でならない。
二つめの問題は、この事件が海外のメディアでかなり大きく取り上げられたことだ。「日本は女性蔑視の国」と烙印を押されたようなものだ。これが国政の場である国会の本会議や予算委員会での事件なら海外で報道されても理解できないことはない。が、首都といっても地方自治体での小さな出来事である。本来、他国のメディアが飛びつくような話ではない。
逆の立場から考えてみよう。仮にアメリカの首都ワシントンDC(どの州にも属さない特別区)やニューヨーク州の議会でこうした類の不適切ヤジが飛び交ったとして、日本のメディアは大騒ぎするだろうか。そう考えると、海外メデ
ィアの異常反応が何を意味するのか、そのことの方が私には気になる。いま安
倍・日本は海外からどう見られているのか。そのことをメディアも政治家も最重要視しなければならない。メディアも政治家も、感覚がどこかずれているのではないか。それとも私がおかしいのかな?
なお、NHKの中間責任者が私のブログについて「おっしゃる通りだ。文書にして報道部門に伝える」としたのは、一つ目の「最大の責任者は吉野利明議長だ」という私の主張の部分であって、海外メディアの異常反応に対する私の見
解については肯定も否定もしていない。
全国紙5紙の社説は全文を転記したわけではないが、あえて私にとって都合が悪い主張を排除したりはしていない。今日のブログは、はっきり言って全国紙5紙の論説委員たちに対する挑戦状でもある。少なくとも私がブログを書いた時点では女性議員が議長に、発言者に対する処分要求書を提出したことも、議長が拒否したことも知らなかった。知っていたら吉野議長に対する批判はもっと厳しいものになっていた。
私は24日のブログでも、今日のブログでも氏名を特定したのは吉野利明議長だけである。女性議員もヤジを認めた議員についても、新聞の社説で記載されている個所すら氏名を伏せた。なぜ伏せたか。こんな些細な問題で、女性議員がヒロインになり、セクハラでもなんでもないタダの「からかいヤジ」を飛ばした議員が悪者になり、あまつさえ議員辞職すら要求するような風潮を煽ることによって読者におもねる体質は、戦中のそれと全く変わっていないと考えたからだ。
私はだいぶ前(ブログを書き始める前)だが、各紙の読者窓口に戦時中の報道姿勢について「もし言論の自由があったとして、戦争の真実を伝え、戦争はやめるべきだ、という報道をしていたら、お宅の新聞はどうなっていたと思うか」と片っ端から聞いたことがある。読者窓口はいずれも沈黙した。私が追い打ちをかけて「もし、そういう報道をしていたら、軍部が弾圧する前に読者から見放されて新聞社がつぶれていたとは思いませんか」と問いかけたら、「うーん。そうかもしれませんね」と全員が渋々認めた。はっきり言って戦時中の新聞の報道スタンスは、軍部におもねたのではなく、読者におもねていたのである。その体質はこのヤジ事件をめぐっても継続されていることが、証明されたと言えよう。
戦後60年にもなろうというのに、いまだに自らについて真実を語れないメディアを、国民が腹の底から信じられると思うのか。私がブログの総タイトルを『マスコミに物申す』としたのは、そういう思いが私の批判精神の底流に脈々と流れているからだ。
とくに朝日新聞の社説は問題である。朝日新聞は読者窓口の「お客様オフィス」に最近女性を多用している。女性の活用を図っていると思いきや、とんでもない。朝日新聞の記事について疑問を呈しても、何一つまともな返事が返ってこない。「あなたたちは人間録音機か」と嫌味を言っても「この仕事に就くとき、そう指示されましたので」といけしゃあしゃあとした返事が返ってきた。
どの新聞社も最新のニュースは活字にする前にネットで配信するが、ある時朝日新聞デジタルで配信されたニュースについて質問したいことがあり電話して「デジタルで配信されたニュースについて聞きたいことがある」と言った途端「担当に代わります」と内線で別の部門につながれた。「どんなご用件でしょうか」と聞かれたので配信されたニュースについて聞きたいことがあると伝えると、「ここはパソコンなどでデジタルにアクセスする方法に関する問い合わせ部門です。配信したニュースの件でしたら『お客様オフィス』におかけ直しください」と返事が返ってきた。
まだある。読売新聞の『基礎からわかる』シリーズに対抗して『一からわかる』シリーズを朝日新聞も始めているが、ある日、その内容について問い合わせたら「何ページ目でしょうか」と聞かれた。新聞を読んでもいない社員を「お客様オフィス」に配属するというのは、女性の活用ではなく「読者蔑視」の姿勢がありありである。
まだある。朝日新聞の「お客様オフィス」には記者出身ではない女性まで「登用」している。どんなに有能な女性かは知らないが、報道された記事についての質問や意見をぶつけても答えられるわけがない。実際、相手の対応に違和感を感じたので「あなたは記者出身ではないんですか」と聞いたら「違います」と、あっけらかんとした返事が返ってきてびっくりし、電話代が無駄だと早々に電話を切ったことさえある。確かに「人間録音機」でいいなら、別に記者出身でなくてもいいのかもしれないが、それならそれで「記事の担当者から折り返し電話させます」と対応してくれてもいいだろう。
ちなみに一般商品についての「お客様相談窓口」に問い合わせの電話をした場合、電話に出た方には分からないような質問だったら、必ず「折り返し詳しい者から電話させます」と対応してくれる。「相談窓口」の電話も大半がフリー・ダイヤルだ。一方、メディアはすべて有料電話だ。メディアは読者や視聴者に君臨しているのだという意識がありありだ。
朝日新聞「お客様オフィス」にも男性スタッフがいないわけではない。ただ私が電話したとき男性が出る確率はせいぜい1割くらいの感じだが(厳密に記録しているわけではない)、男性スタッフとは活発な議論もできる。で、あるとき電話口に女性スタッフが出たので「男性に代わってほしい」と頼んだが、「電話を回すことはできませんので、後程おかけ直しください」と言われた。私はこのときの朝日新聞「お客様オフィス」の女性スタッフの対応については以前、ブログに書いたことがある。覚えている読者もおられるのではないだろうか。
この辺で、私の経験談は終わりにするが、読売新聞にも多少は女性が「読者センター」に配属されてはいるが、朝日新聞とははっきり言ってレベルが違う。まともな話ができる。ちょっと朝日新聞の女性担当者のことを話すと「私どものほうでも女性が電話に出ると、いきなり電話を切られてしまうこともしばしばあります」と言われた。それで朝日新聞が「お客様オフィス」に女性を多用するようになった理由が分かった。読者の側にも責任がありそうだ。が、それに対して「読者がそうなら人間録音機でもいい」と朝日新聞が考えて「お客様オフィス」に女性を多用し、「録音機以上の対応をしてはいけない」と指示しているとしたら、それが女性の活用と言えるのか。
またこの事件で週刊文春や週刊新潮が女性議員の華やかな過去のスキャンダルを暴いたのは、かかりつけのクリニックで診察待ちの間にちらっと斜め読みしただけでなので(私は週刊誌をカネを出してまで買う気はしない)、事実かどうかについての判断はしかねるが、「早く結婚したほうがいいんじゃないか」とのヤジには笑みで返した女性議員が、「産めないのか」というヤジに涙を浮かべ、後で処分要求までしたようなら、週刊誌にも「事実無根の名誉棄損」で訴えるべきだろう。「名誉棄損」で訴えられないようなら、そもそもこの女性議員に都議になるだけの見識と資格があるのかと疑わざるを得ない。なお私が週刊誌記事を斜め読みしたのは28日であることをお断りしておく。
これはうがった見方かもしれないが、美人議員が35歳にもなるのに、未婚の理由が週刊誌情報から推測できるように、結婚できず子供も産むことが許されない男女関係にあって、そのことが都議たちの間では周知の事実だったとしたら、「早く結婚したほうがいいんじゃない」「産めないのか」といったヤジは「セクハラヤジ」ととらえるべきではなく、そうした立場にある女性議員に「晩婚・晩産問題や子育て支援問題」について都議会で質問する資格があるのか疑わしい感じがする。そうだとしたら、むしろ問題にされたヤジは、私に言わせれば「抑制された許容範囲のヤジ」であり「女性一般に対する蔑視感から出たヤジ」とは理解しかねる。
いずれにせよ女性の涙は、メディアを動かすほどの力があるのか、と今さらながらびっくりしているというのが実感である。
明日、自公両党からなる政府は、集団的自衛権行使のため憲法解釈変更を閣議決定する見込みだ。「平和の党」を標榜してきた公明が、なぜ急いで自民にすり寄ったのか。これまでメディアが報道しなかった裏事情(といっても、だれでもちょっと頭を働かせれば分かるはずのことで、私は極秘情報をキャッチしたわけではない)を書く。ただ、NHKの上席責任者には昨日午後8時過ぎにヒントだけ教えて置いた。報道部門に伝えるようだが、果たして私が提供したヒントで、NHKがどこまで自公協議が成立した裏事情に迫れるか――今日中に迫れたら「ごりっぱ」と褒めておこう。多分、無理だと思うけどね。